WiMAXが病院で使えるかどうかは個別に聞かないとダメ!

建物内で「携帯電話全面使用禁止」としている病院は、2005年は全体の50%近くだったものの、2015年には5%未満とほとんどなくなりました。(※)

でも、裏を返せば全ての病院でWiMAXによるインターネット接続ができるわけではありませんし、「一部で利用可能」としている病院が多いのも事実。

さらに院内でのインターネットの利用は許可しても、Wi-Fiルーターの利用を禁止している事例もあります。

ここでは、病院でWiMAXの利用制限が行われる理由と、具体的にどのようなルールがあるかの事例を紹介します。

※「医療機関における電波利用推進部会 平成27年度報告書」より

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WiMAXなどの無線機器が病院で禁止されるワケ

病院に限らず、電車の優先席付近ではどのような場合でも携帯電話の電源を切るようにアナウンスされていたことを覚えている人も多いでしょう。

2017年現在は、電車にもよりますが「優先席付近でなおかつ混雑時に限り」電源を切るようにトーンダウンしています。

これは、医療機器に比較的影響が強い第2世代の携帯電話サービスが廃止されたことや、医療機器自体の性能が向上したことにより影響が少なくなったためです。

とはいえ今でも「心臓のペースメーカーが埋め込んである場所の15cm以内に携帯電話を近づけないように」言われており、完全に影響がなくなったわけではありません。

それ以上近づけるとペースメーカーが誤動作を起こし、最悪突然死につながることもあるとのこと。

ちなみに2017年時点でWiMAXの電波自体は、医療機器に影響を及ぼさないことは確認されています。

ただしWi-Fiの電波などの影響によって医療機器に不具合が生じ、患者の異常の発見が遅れたり急変に気づかなかった、という事例は実際に報告されています。

そのため現在も病院ごとによってWiMAXの利用を制限、もしくは禁止される可能性があるので注意が必要です。

以前より規制が緩くなった

上述の通り医療機器の性能が向上したことやスマートフォンの普及などの理由によって、病院内でのモバイル機器の利用制限も以前より緩くなっています。

総務省も参加する「電波環境協議会」では、2014年に病院内のエリアを以下のように指定するよう指針が設けられました。

携帯電話使用可否の表示

携帯電話使用可否の表示

※マークは参考。絵柄などは病院毎に異なる可能性があります。

そして場所ごとに以下のように決めるよう参考事例まで示されています。

病院内・携帯電話使用可否・参考事例

病院内・携帯電話使用可否・参考事例

これを見る限り手術室やICU・診察室は別として、待合室や病室などではWiMAXを使ってインターネット接続してよいようにもみえます。

しかしこれはあくまで指針や参考事例。

最終的な判断は病院ごとに判断が任されているのです。

それにWiMAXの電波以外にWi-Fiの電波を飛ばすWi-Fiルーターの使用はこれとは別に禁止されている可能性もあります。

USB型のWiMAX機器ならOKで、モバイルWi-FiルーターはNGとされることもあるわけです。

実際、以下のようにスマートフォンの利用はエリアによっては許可されていて、モバイルWi-Fiルーターの利用を禁止している例もあります。

http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/onegai/#phone

※慶応義塾大学病院の事例

http://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/patient/inpatient/request.php

※信州大学医学部附属病院の事例

ちなみに上記病院では、モバイルWi-Fiルーター同様にWi-Fiを使うスマートフォンなどのテザリングも禁止しています。

Wi-FiルーターはWi-Fi機能をオフにできない

「それではWiMAXでWi-Fiの機能を切ればよいのでは? PCに接続するならUSB接続やクレードルを使って有線LAN接続することもできる。」と思って、サポートに問い合わせたことがあります。

ただし、残念ながらWi-Fiをオフにすることはできないとのこと…。

Wi-Fiルーターなんだから、普通そのメインであるWi-Fi機能をオフにすることなんか想定されてないですよね…。

USBタイプのWiMAX機器なら許可される可能性が高くなる?

病院が懸念するのはWi-Fi機能。ということはWiMAX契約時に、Wi-Fi機能のないUSBタイプのWiMAX機器をえらべばその点の問題は解決されることになります。USBタイプのWiMAX機器はPCでしか使えないといったデメリットがありますが、病院に長期入院する場合などはえらんでもよいかもしれませんね。

WiMAX2+でUSBタイプとモバイルWi-Fiルータータイプのどちらをえらぶべき?
WiMAX2+のUSBタイプ機器とモバイルWi-Fiルーターの比較をしています。軽量・コンパクトといったUSBタイプのメリットはありますが、より汎用的で使いやすいのは断然モバイルWi-Fiルータータイプです。モバイルWi-FiルーターならUSB接続も可能です。

病院のホームページを見たり個別に問い合わせたりするべき

許可なくWiMAXを利用することで、その病院内の医療機器に悪い影響を及ぼして治療の邪魔になってしまうこともありえます。

確認せずにWiMAXを使うことは避けましょう。

そのためには上記に示したような病院のホームページで確認するか、電話などで個別に確認するようにするのがよいですね。

病院によっては入院時はOK、通院時はどこでもWi-FiルーターはNGと判断されることもあるよう。

繰り返しになりますが、この辺りのルールは病院によって違っています。

なおその際の聞き方ですが、「Wi-Fiルーターを使ってWiMAXでインターネットを利用してもよいですか?」と具体的に伝えるのが無難。

単純に「スマートフォンやパソコンでインターネットにつなげていいか」だけであると、Wi-Fiルーターの有無まで相手が判断してくれず、入院してからダメと言われて困った ? なんてこともあり得ます。

まとめ

病院によって院内でのスマートフォンの利用やWi-Fiルーターの利用可否が違います。

Wi-Fiの電波により医療機器に影響が生じる事例があるため、スマートフォン単体でのインターネット接続はOKで、Wi-Fiルーターの利用はNGとされる可能性もあります。

そのため事前に病院のホームページを確認するか個別に問い合わせて確認するようにしましょう。