USBタイプのWiMAX2+機器はモバイルWi-Fiルーターと比較すると、はるかに軽量・コンパクトで充電の必要がなく電波干渉を受けないといったメリットがあります。
一方でPC以外の機器を接続できなかったり同時に複数台の機器を接続できなかったりというデメリットは見逃せません。
その上モバイルWi-Fiルーターは、USBケーブルさえ携帯すればPCとUSB接続ができるので、充電できない、電波干渉を受けないといったメリットはあまり意味がありません。
そのためモバイルWi-Fiルーターがおすすめです。
Contents
USBタイプのWiMAX2+機器とは?
USBタイプのWiMAX2+機器とは、その名の通りPCにUSB接続して利用するタイプのWiMAX2+機器。
外に持ち出してWiMAX2+機器としてはモバイルWi-Fiルーターが主流ですが、実はUSBタイプのWiMAX2+機器もあるのです。
2017年4月現在、提供中のUSBタイプのWiMAX2+機器は「URoad Stick」のみです。
モバイルWi-FiルータータイプとUSBタイプの比較
ここでは参考までに、モバイルWi-FiルーターW04とURoad Stickの比較表を記載します。
USBタイプをえらぶメリット
メリット1:充電が必要ない!
モバイルWi-Fiルーターはバッテリー搭載で外出先でも利用できるのがメリットですが、USBタイプなら接続したPCから給電するのでそもそも電源が不要。
その意味でモバイル環境での使いやすさは、モバイルWi-Fiルーターに勝ります。
ただしモバイルWi-Fiルーターは、USBケーブルさえ一緒に携帯すれば、仮にバッテリーがきれていても、同じくPCに接続して給電しながらネット接続することも可能。
厳密にいえばUSBケーブルを持ち込む必要さえない、がUSBタイプのメリットと言った方が正確でしょうか。
メリット2:胸ポケットにすら入るほどコンパクト
WiMAX2+用のモバイルWi-Fiルーターは、ポケットに入るほどコンパクト。
しかしUSBタイプはそれを何倍も上回るほどにコンパクトです。
たとえば上述した比較表にある通り、URoad StickはW04の1/4以下のサイズ、重量は1/7以下。
胸ポケットに入れたり化粧ポーチの片隅に入れたりしても邪魔にならないくらいのサイズです。
毎日使うものですからサイズは重要。
さらにUSBタイプなら充電の必要もないですから、バックに入れっぱなしでも使えるメリットがあります。
メリット3:電波干渉の心配がない!
Wi-Fiで接続すると、他のWi-Fi機器や同じ周波数帯の電波を発する電気製品の干渉によって通信速度が遅くなったり接続が不安定になったりする可能性があります。
しかしUSBタイプならPCに接続して使うのでその心配がありません。
とはいえモバイルWi-FiルーターもUSB接続すれば電波干渉はないですし、Wi-FiでもIEEE802.11acという規格を利用すれば電波干渉が減らせます。
メリット4:通信盗聴の恐れがない
Wi-Fiによる通信は仮に通信が暗号化されていても通信を盗聴される危険性が0ではありません。
(暗号強度の高いWPA2を使えば限りなく0に近いですが…)
たいしてUSBタイプなら、そもそも無線の電波を使わないのでその心配がありません。
ただこの場合も、モバイルWi-FiルーターをUSB接続すればその心配はありません。
メリット5:設定が不要
モバイルWi-Fiルーターの接続設定も、難しくはありません。
慣れているユーザーであれば5分もかからず、マニュアルを見ながら設定してもおそらく10分程度で設定を完了できます。
たいしてUSBタイプはPCに挿すだけでよいので、そもそも設定がありません。
USBタイプのデメリット
デメリット1:PCでしか接続できない
USBタイプが使えるのはPCのみ。
スマートフォンやタブレットでは使えません。
対応さえしていればどんな機器でも接続できるWi-Fiの柔軟さはありません。
「PCでしか接続できない」がメリットになることも?
ビジネスでWiMAX2+を採用している場合、「支給したノートPCでしか、会社が契約しているWiMAX2+回線を使わせたくない」ということもあるかもしれません。
そういった際は、「PCでしか接続できない」デメリットがかえってメリットになることもあるでしょう。
デメリット2:モバイルWi-Fiルーターと比較して低速
2017年4月時点でWiMAX2+の最大通信速度は440Mbps。
一方URoad Stickの最大通信速度は110Mbpsとその1/4。
今後新しいタイプのUSB機器が登場する可能性もあるとは思われますが、メジャーなモバイルWi-Fiルーターの方がより高速な通信速度に対応するのが早いと想像されます。
デメリット3:同時に複数台の同時接続不可
モバイルWi-Fiルーターなら、スマートフォンとタブレットなど同時に複数台の機器をインターネットに接続することが可能。
たいしてモバイルWi-Fiルーターは1台のPCに接続して使うタイプなので、1度にインターネット接続できるのはそのPCだけです。
デメリット4:ほとんどのプロバイダが未対応
2017年4月時点でURoad Stickを提供しているのは確認する限り、UQ WiMAX及びBroad WiMAXのみ。
その他の多くのプロバイダが対応していません。
WiMAX2+のメリットはさまざまなプロバイダから希望のサービスをえらべることですが、USBタイプを使いたいのであれば、そもそもプロバイダの選択肢が少なくなってしまうのがデメリットです。
基本的にはモバイルWi-Fiルーターがオススメ
USBタイプと比較すると、モバイルWi-Fiルーターはスマートフォン・タブレットにも対応するなど使い勝手がよくオススメ。
「充電が必要ない、電波干渉の心配がない」といったUSBタイプならではのメリットも、モバイルWi-FiルーターとUSBケーブルを合わせて持ち歩けばカバーできます。
USBタイプをえらぶ意味があるケースとは?
パソコン1台でのみWiMAX2+を使い、なおかつ軽量・コンパクトという特長を重視するのであれば、USBタイプをえらぶ意味があるでしょう。
ただ最初はパソコンしかWiMAX2+に接続していなくても、「やっぱりスマートフォンとかタブレットもつなげたいな」と後から感じることもあるかもしれないので、やはりモバイルWi-Fiルーターが一番のおすすめといえます。
まとめ
USBタイプのWiMAX2+機器は、モバイルWi-Fiルーターと比較するとPCとしか接続できなかったり複数台の同時接続ができなかったりといったデメリットが多い割に、実質的なメリットと言えばコンパクト・軽量で持ち運びしやすいという点のみです。
そのため基本的にはモバイルWi-Fiルーターをえらぶのがおすすめ。
PCでしかWiMAX2+と接続する予定がなく、かつそのサイズ感のメリットに魅力を感じるなら選択する価値はあるでしょう。