WiMAXのギガ放題プランは、月間データ通信量無制限で高速なモバイル通信を利用できるサービスですが、3日間で10GBのデータ通信量を消費すると速度制限に抵触してしまいます。
ここではWiMAX初心者の方向けに、速度制限とは何かといったところから、3日間10GBの速度制限とは何かについて分かりやすく解説しています。
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そもそも速度制限ってなに?
WiMAXのようなモバイル通信サービスの速度制限とは、回線の混雑を防ぐためにもうけられているルールです。
このルールではあらかじめ決められた期間内に、一定のデータ通信量が発生すると通信速度を制限します。
ちなみに、このときのデータ通信量とは、モバイル通信時の消費されるデータの容量のこと。
たとえば、1MB(1GBの約1,000分の1)という容量のホームページをダウンロードした場合には、1MBのデータ通信量が消費されることになります。
大手携帯キャリアでは、月間20GB・30GBというデータ通信プランを展開していますね。
この例では、1ヵ月に20GB・30GBのデータ通信量を消費すると月末まで通信速度が最大128Kbpsまで制限されてしまいます。
光回線などでは最大1Gbpsといった通信速度のサービスが出ていますが、最大128Kbpsといえばその8,000分の1にも満たない低速な通信速度。
そのため、ホームページを見るにしても開くのが遅くなり、快適にはインターネットが使えません。
WiMAXの3日10GBの速度制限とはどんなもの?
WiMAX ギガ放題プランは月間データ通信量無制限で高速なモバイル通信が利用できるサービス。
しかしWiMAXギガ放題プランでも、回線の混雑を防止する目的で以下速度制限のルールがあります。
いかがでしょうか?
「ギガ放題プランでも速度制限があるんだ…」と残念に思った方もいるかもしれませんが、ルールの内容をみると非常にゆるやかな優しいルールであることがわかります。
上述の通り大手携帯キャリアの大容量プランでは月間20GB・30GBで速度制限が行なわれるところ、この制限では裏を返せば1ヵ月の10分の1の期間で、10GBのデータ通信量までなら消費しても速度制限に抵触しないわけです。
その他の速度制限のルールはある?
WiMAXにはギガ放題プラン以外に、ギガ放題プランより安価な通常プランがあります。
通常プランでは高速なモバイル通信を利用できるのが月間7GBまでで、それを超えると大手携帯キャリアの速度制限と同じく最大128Kbpsまで制限されます。
またWiMAX用のWi-Fiルーターの一部機種では、WiMAXとWiMAXより提供エリアが広く屋内などでつながりやすいLTE回線を自動的に切り替える「ハイスピートプラスエリアモード」という通信モードが利用できます。
WiMAXの電波が届かない場所でもLTEによって通信を継続できる可能性があるので、ハイスピートプラスエリアモードは便利。
しかし、このモードで月間7GBのデータ通信量を消費すると、仮にギガ放題プランを契約しても通常プラン同様の速度制限に抵触し、月末まで最大通信速度が128Kbpsに制限されてしまいます。
そのためハイスピートプラスエリアモードは本当に必要なときにだけ、節約して使うべきです。
またハイスピートプラスエリアモードを使うと、その月の月額料金に1,005円/月が追加される点にも注意が必要です。
10GBのデータ通信量ってどのくらい?
モバイル通信の利用にまだ慣れていない方であると、10GBというデータ通信量がどのくらいのものかイメージできないのではないでしょうか。
速度制限に対して「正しく心配する」ためには、ざっくりとでもデータ通信量のイメージを持っておくことが必要です。
むやみに心配しても意味がありません。
そもそも○GBとはどんな単位?
まずはGBという単位についてひも解いておきましょう。
通信量に限らず、データの容量をあらわす単位では主に以下3つが使われます。
・KB
・MB(1MB=1,024KB)
・GB(1GB=1,024MB)
「1,024」という数値であると分り辛いかもしれないので、だいたい上の単位に上がるごとに「1,000倍」とイメージするとよいでしょう。
わたしは、パソコンに慣れていない方などには、「KBが1円だとしたら、MBは千円、GBは十万円に例えられるよ」なんて話し方をします。
実際のデータ容量に照らし合わせて考えてみると、例として以下があげられます。
・スマートフォン版ヤフーのトップページ = 約200KB
・PC版ヤフーのトップページ = 約400KB
・LINEでの約5分の音声通話 = 約5MB
・ミュージシャンのミュージックビデオ(YouTube/HD画質/5分) = 約60MB
・HD画質(ハイビジョン画質)の映画ファイル(約2時間) = 約3GB
いかがですか? 通信の種類毎に消費されるデータ通信量が大幅に違うことがわかると思います。
一般的に、文字情報<画像<音声・楽曲<動画の順で消費されるデータ通信量は劇的に増加します。
前述のようにお金に例えると、ヤフーのホームページを見るのにかかるのが200円・400円程度だとすると、HD画質の映画を1本ダウンロードするのに30万円もかかる、と例えるとその差がイメージしやすいのではないでしょうか。
10GBのデータ通信量ってどのくらい?目安は?
いくつかデータ通信量の目安を紹介しましたが、ここでもっとくわしく10GBのデータ通信量の目安を紹介します。
繰り返しになりますがこのデータをみても、動画にかかわる通信がどれだけ多くのデータ通信量を消費するかがわかりますね。
3日間で10GBも使えることを考えると、ホームページの参照や音声通話、メールの送受信ぐらいではほとんど影響ありません。
ここに記載した中で3日間10GBの速度制限のポイントになるのは、動画の鑑賞やSkypeビデオ通話です。
このように通信の種類によっては速度制限の心配をする必要がないこと、逆に特定の通信の際に膨大な通信量を消費することが分かっていれば、必要以上に3日間10GBの速度制限を心配することはなくなりますね。
目安を見ると速度制限にはなかなか抵触できないことが分かる?
HD画質の動画にしても1日あたり4時間3日間連続して鑑賞しても速度制限に抵触しない計算。
余程のヘヴィユーズでない限り、この速度制限に抵触しないことがわかるでしょう。
そのためほとんどの人にとってWiMAXギガ放題プランは、実質的に使い放題のサービスと考えてよいぐらい、3日間10GBの速度制限はゆるいものです。
3日間10GBのデータ通信量のカウント方法は?制限がかかるのはいつまで?
1ヵ月間のデータ通信量について集計し、翌月からデータ通信量のカウントが0になる大手携帯キャリアや格安SIMのプランを利用しているユーザーは、なかなか3日間10GBのデータ通信量のカウント方法に慣れないかもしれません。
しかし実際はこの集計は単純で、以下のようにただ過去3日間のデータ通信量が集計されるだけ。
0時~翌0時までのデータ通信量を1日分として集計し、それを3日間合計した数値が3日間10GBの速度制限の判定基準になります。
このカウント方法においてデータ通信量の集計が0にリセットされることはありません。
そのため図のように1日でも膨大なデータ通信量が消費されると、その前後に消費されるデータ通信量が少なくても速度制限に抵触する可能性が高くなります。
WiMAXを使う際は、このカウント方法を覚えておきましょう。
3日間10GBの速度制限のルールをしっかり把握しておけば、そのための対策もできます。
制限がかかるのは正確にはいつからいつまで?
3日間10GBの速度制限のルールにある通り、速度制限が実施されるのは3日間のデータ通信量の合計が10GBを超えた翌日の18時頃~翌々日の2時頃まで。
たとえば上の図では、2日目~4日目のデータ通信量の合計が10GBを超えているため、5日目の18時頃から6日目の2時頃まで速度制限が行なわれることになります。
3日間10GBの速度制限に抵触するとどうなる?
上記表にあるように速度制限のルールに抵触すると、3日間のデータ通信量の合計が10GBを超えた翌日の18時頃~翌々日の2時頃まで通信速度が概ね1Mbpsまで制限されます。
ただ、この概ね1Mbpsとはどの程度の通信速度か、モバイル通信に慣れていない方はイメージできないのではないでしょうか。
概ね1Mbpsといえば、大手携帯キャリアの速度制限時の最大128Kbpsの8倍以上。
最大128Kbpsではホームページが開くのにも時間がかかってしまいますが、概ね1Mbpsであれば表にもある通りYouTube標準画質程度の動画は鑑賞できますし、たいていのホームページは速度制限前とほぼ同じくらいの軽快さでひらきます。
ちなみにYouTubeの標準画質とはアナログテレビレベルの画質のこと。
標準画質の上のランクが、今の地上デジタルテレビで視聴できるハイビジョン画質(HD画質)です。
ハイビジョン画質と比較すると、標準画質では若干の画質の粗さが目立ちますが、スマートフォンのような小さな画面ではあまり気にならないでしょう。
たいしてタブレットやパソコンのような大画面で視聴すると、さすがにその粗さが際立ちます。
その他概ね1Mpbs程度あれば、LINEを使ったりTwitter、FacebookのようなSNSをつかったりする程度なら問題なく利用できます。
言い換えるとスマートフォンでインターネット接続するくらいなら、速度制限前とあまりかわらない快適さでWiMAXが使えると思っても間違いありません。
たいしてパソコンで使う場合は、概ね1Mbpsだと「物足りない」と感じるユーザーが増えると想定されますが、ネット閲覧など簡単な利用であればストレスがたまることはありません。
消費したデータ通信量はどこで確認できる?
データ通信量の消費量は、Wi-Fiルーター本体もしくは専用の管理画面で簡単に確認可能。
まず外出先に持ち出すタイプのモバイルWi-Fiルーターをえらんだ場合は、たいていの機種なら電源を入れるとすぐに本体に表示されます。
またホームルータータイプのWi-Fiルーターをえらんだ場合は、ブラウザから専用の管理画面にアクセスすることで消費したデータ通信量が確認可能です。
特にWiMAX2+を使い始めのうちは、小まめにどのくらいのデータ通信量を確認してみるとよいでしょう。
自分がどのくらいのデータ通信量を消費するのかイメージできるようになります。
WiMAXの速度制限は追加料金を支払って解除できる?
大手携帯キャリアや格安SIMのモバイル通信プランでは、1,000円/GBなどでデータ通信量を追加購入することで、速度制限を解除することができます。
たいしてWiMAXは良くも悪くも完全定額のサービスなので、追加料金が発生することがない代わりに、データ通信量を購入して速度制限を解除するといった仕組みが用意されていません。
つまりWiMAXの速度制限は、自動的に解除されるのを待つしかないということです。
ただし上述のようにWiMAXは完全定額のサービスなので、その分予算は立てやすいとはいえますね。
3日間10GBの速度制限に抵触しないためには?
3日間10GBの速度制限に抵触しないようにするためには、まず自分がどのくらいのデータ通信量を消費しているのか把握しておくことが重要です。
そのためにも、Wi-Fiルーターなどでデータ通信量をチェックしておくとよいでしょう。
ただ上で説明した通り、そもそも余程のヘヴィユーズでない限り、3日間10GBの速度制限には抵触することはありません。
動画の鑑賞など膨大なデータ通信量を消費する一部の利用にさえ気を付ければ、実質的に使い放題のサービスと考えてもよいくらいにWiMAXは快適に利用できます。
わたし自身WiMAXを利用していますが、実験でわざと大量のデータ通信量を消費した際をのぞいて、3日間10GBの速度制限に抵触したことはありません。
心配し過ぎないことが最も重要です。WiMAXを固定回線代わりに使うユーザーもいますが、それでも1日にインターネットを利用する時間がそれ程長くなければ、3日間10GBの速度制限に抵触することはないでしょう。
まとめ
WiMAXギガ放題プランの3日間10GBの速度制限は、データ通信量の集計の方法などの詳細を把握した上で、データ通信量の目安をイメージできるようにしておけば心配する必要はありません。
それほどのヘヴィユーズでなければ、WiMAXギガ放題プランは使い放題といってよいほどの制限のゆるいサービスといえます。
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