LTE・AXGP・WiMAXの比較を超初心者向けに説明してみた!

スマートフォンやタブレットなどの登場で、外出先で高速なインターネットを使うのは今やよく見る当たり前の光景になりました。そして外出先でモバイル通信を行うにあたって使われる方式としてLTE・AXGP・WiMAXがあげられますが、これらの違いを説明できる方は少ないのではないでしょうか。ここでは、この3つのそれぞれの概要や比較を超初心者の方にもわかりやすく説明しています。

Contents

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まずはLTE・AXGP・WiMAXの概要を簡単に説明

LTEとは?

ドコモ・au・ソフトバンクといった大手携帯キャリアや格安SIMが、LTEをサービス用の通信回線として採用しています。これらの会社で契約したスマートフォンを持って入れば、LTEを使ってインターネットをしている、というわけですね。もっとも利用者数が多いモバイル通信の回線といえるでしょう。

携帯電話やスマートフォン向けの通信回線は、1G(第1世代/1St Generation)2G・3Gと進化してきましたが、その中でもLTEは4G(第4世代)にある回線です。厳密にいうと、LTEは「3Gを長期的に進化させる」(Long Term Evolution)過程の技術であり3.9Gと呼ばれることもありますが、LTE自体を4Gと呼んでよいと公式に認められたため、一般的には「LTE=4G」という認識がひろまっています。

AXGPとは?

PHS向けの通信サービスを提供していたウィルコムを覚えているでしょうか。このウィルコムが開発した通信規格が「XGP(eXtended Global Platform)」。AXGPとはXGPを改良した規格です。倒産したウィルコムから事業を引き継いだソフトバンク系のWireless City Planning(WCP)が、AXGPを使ったサービスを展開しています。

またソフトバンクではAXGPを使い、「SoftBank 4G」というブランド名の通信サービスを展開、ソフトバンク系のワイモバイルでもAXGPを使ったオプションを展開しています。

WiMAXとは?

WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)は、無線通信技術の1つ。よく使われる無線LAN・Wi-Fiに近い技術です。ただし同じ建物内など狭い範囲での通信を目的とするWi-Fiと異なり、WiMAXは光ファイバーなどの通信回線の末端部分(ラストワンマイル)として、より広範囲の通信用の規格として期待されています。そうして、このWiMAXを移動中でも使えるようにした技術がモバイルWiMAXです。

日本では、KDDI系のUQコミュニケーションズが、モバイルWiMAXを使い「UQ WiMAX」という名称でモバイル通信サービスを提供開始しました。現在では、WiMAXを進化させたWiMAX2.1という規格を使いより高速化したモバイル通信サービスを、UQコミュニケーションズが「WiMAX2+」として提供しています。

なおWiMAX2+を使ったサービスは、UQコミュニケーションズ以外でもさまざまなプロバイダが提供していますが、自社で回線を運営しているわけではありません。いずれもUQコミュニケーションズから回線を借りています。

LTE・AXGP・WiMAXの簡易比較表

種別 LTE AXGP WiMAX2+
その回線を採用

するサービス

大手携帯キャリア

格安SIMなど

ソフトバンク

ワイモバイルなど

UQ WiMAX

auなど

データ通信量 月間

数GB~数十GB

月間データ通信量

無制限

月間データ通信量

無制限

080/090番号の通話機能 あり なし なし
速度制限の概要 契約のデータ通信量を消費すると月末まで最大128Kbps or

最大200Kbps

3日間10GBのデータ通信量消費でその後、約7時間概ね1Mbpsに 3日間10GBのデータ通信量消費でその後、約8時間概ね1Mbpsに
提供エリアの広さ
つながりやすさ
通信速度 大手携帯キャリア:◎

格安SIM:△

サービス料金例 ▽ドコモ

2GB:3,500円/月

20GB:6,000円/月

▽格安SIM(楽天)

3.1GB:900円/月

20GB:4,050円/月

4,380円/月 約3,400円/月~

約4,400円/月

LTE・AXGP・WiMAXそれぞれの方式を使うサービスについて

LTE・AXGP・WiMAXを比較するにあたって、まずそれぞれの通信方式がどのサービスに使われているのかを確実におさえておきましょう。

LTEはもっともユーザー数が多い通信方式。ドコモ・au・ソフトバンクといった大手携帯キャリアや、これらのキャリアから回線を借りてサービス運営している格安SIM各社が、LTEを使ったサービスを展開しています。お手元のスマートフォンが使っている通信回線のほとんどは、LTEである筈です。

AXGPはソフトバンクのスマートフォンやワイモバイルのサービスが採用。なおいずれのサービスも、AXGP以外にLTEによる通信も可能です。ただし、ワイモバイルにおいて「月間データ通信量無制限」で使う際は、必ずAXGPによる通信となります。LTEを使ったサービスに関しては、格安SIM「nuro mobile」のような「1日●時間は無制限で利用可」といった一部例外はありますが、基本的にAXGPやWiMAXのような月間データ通信量無制限のサービスはありません。

最後のWiMAXは、UQ WiMAXやauの一部スマートフォンが採用。いずれのサービスでもLTEによる通信も可能ですが、UQ WiMAXで月間データ通信量無制限の通信が可能なのは、WiMAXを使った場合です。

なお、WiMAXには070・080・090番号による音声通話の機能はありません。(インターネット回線を介したIP電話やLINEの通話は可能)あくまでインターネット接続専用のサービス。格安SIMでいうところの、データ専用SIMに近いと考えてよいでしょう。

080/090番号の音声通話機能について

080・090番号の音声通話をする場合には、LTEによる通信方式を使ったサービスの利用が必須となります。AXGP・WiMAX2+は、インターネット接続用の回線と覚えておくとよいでしょう。

ちなみにWiMAX2+を扱ったサービスでは、上述の通りLTEによる通信も可能ですが、080・090番号の音声通話の機能はありません。そのため、大手携帯キャリアや格安SIMのサービスを音声通話用に契約した上で、WiMAXを併用するか否か、というのが一般的な使い方です。

データ通信量と料金例

各通信方式を使った場合の月間のデータ通信量と料金例を見ていきましょう。まずLTEを使ったモバイル通信では、繰り返すように基本的に月間データ通信量無制限のサービスはありません。月間数GB~月間30GBほどがメインです。

月間数GB程度の小容量であると、月額数百円~2,000円未満の安価で使えるサービスが多くなります。たとえば楽天モバイルの月間3.1GB(月額900円)などはよい例です。なお、格安SIMでは080・090の音声通話の機能をつけると月額料金があがり、楽天モバイルの例では月間3.1GBで月額1,600円となります。

たいして月間データ転送量が大容量になると、表で記した通り月間データ通信量無制限のワイモバイルやWiMAX2+と価格がかわらないか、ワイモバイル・WiMAX2+の方が、料金が安くなるパターンも。そのため「頻繁にモバイル通信を使うならワイモバイルやWiMAX2+の利用を検討した方がよいかもな。」というのは、頭の片隅においておきたい知識です。場合によっては格安SIMや大手携帯キャリアと、ワイモバイル・WiMAX2+を組み合わせて使うことで通信費用を節約できることもあります。

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AXGPとWiMAX2+はどちらが安い?

それでは、AXGPを使ったワイモバイルとWiMAX2+はどちらが安く利用できるでしょうか。ワイモバイルは提供元がソフトバンクだけなのに対し、WiMAX2+は複数の事業者・プロバイダが扱っている関係で、各社はげしい料金競争を繰り広げています。

その結果、ワイモバイルでAXGPによる月間データ通信量無制限のサービスを付与した場合の月額料金は4,380円なのに対して、WiMAX2+はプロバイダによって月額約3,400円~約4,400円と差があります。つまりWiMAX2+の方が最大で月額1,000円程度安くなるわけです。

ちなみに初期費用に関し、LTEやワイモバイルを含むAXGPを使った通信サービスでは数万円程度するWi-Fiルーターを購入する必要がある一方で、WiMAX2+ではほとんどのプロバイダで2万円相当のWi-Fiルーターを無料に。安価に導入できて安価に使える、それがWiMAX2+のメリットの1つといえます。

速度制限の概要

大手携帯キャリアや格安SIMでは、契約で決められたデータ通信量を月内で使い切ると、月末まで最大200Kbps・最大128Kbpsという低速な通信となります。この通信速度では、YouTubeなどの動画が鑑賞できなかったり、ホームページが開くのさえ時間がかかったりしてストレスになるでしょう。

一方、WiMAX2+を使うUQ WiMAXやAXGPを使うワイモバイルのサービスでも、月間データ通信量無制限で使えるとはいえ、回線混雑回避のための速度制限のルールがあります。ただしそれは、3日間で10GBという大容量を消費した場合に限り。

大手携帯キャリアが月間20GB・30GBの大容量プランを売り出しているのと比較すると、その半分・もしくは1/3のデータ通信量を3日間という短期間で消費しきってようやく速度制限に抵触するわけです。WiMAX2+・ワイモバイルの速度制限がいかにゆるいかわかるのではないでしょうか。相当なヘヴィーユーザーでなければ、まずこの速度制限に抵触することはありません。

WiMAX2+の3日間10GBの速度制限にはなかなか抵触できない【実際に使ってみたレポート】
わたしの使用例をもとに、WiMAX2+の速度制限がどれだけゆるいものかを解説。具体的な例を基にして「このぐらい使っても速度制限にかからないのか」という参考になる記事です。

しかも仮に速度制限に抵触したとしても、通信速度は概ね1Mbps。この速度ならYouTubeでも標準画質程度の動画は鑑賞できますし、たいていのホームページもさくさくひらきます。ハイビジョン画質のきれいな動画を鑑賞することは難しいですが、それほどストレスなく使えることでしょう。

提供エリアの広さについて

LTE・WiMAX2+・AXGPいずれも、人口の多い市街地はだいたい提供エリア内に入っています。しかし差がつくのは郊外。提供エリアはLTE>WiMAX2+>AXGPの順に広いです。以下、2017年8月時点での提供エリア比較の一例です。

いずれも色がついた部分が提供エリアとなります。この地域ではWiMAX2+の提供エリアはLTEとかわらないぐらい広いですが、AXGPの提供エリアは他2つと比較してせまいのがわかりますね。郊外へ旅行や出張の多いユーザーは、気を付けてサービス選定した方がよいですね。

つながりやすさについて

LTE・WiMAX2+・AXGP共に無線の電波を使った通信方式なので、仮に提供エリア内でも環境によっては電波が届かず使えなかったり、通信速度が遅かったりすることがあります。その点、この3種を比較するとLTEがもっともつながりやすいです。

その理由は、それぞれの電波の周波数帯。700~900MHzという低い周波数帯の電波を使うLTEと比較して、WiMAX2+やAXGPが使う電波は2.5GHzという高い周波数帯です。無線の電波は周波数が高くなればなるほど、通信速度が速くなりやすい代わりに電波の直進性が強くなり、障害物をすり抜け辛くなります。結果、地下やコンクリートに囲まれた建物内などでは、この3つで比較するとLTEが最もつながりやすいわけです。

ワイモバイルやUQ WiMAXでは、AXGP・WiMAX2+以外にもLTEによる通信もできます。ただし、いずれもLTEの通信は月間7GBまでに制限されており、月間データ通信量無制限では使えません。「LTEを使ったサービスは月間データ通信量無制限ではない」例の1つといえますね。

通信速度について

LTE・AXGP・WiMAX2+は、その最大通信速度がそれぞれ頻繁に更新されます。そのため最大通信速度ベースで比較すると、その時々で差が出るのは事実です。しかし実質的な通信速度は、電波状況がよければどれを使っても数十Mbpsを期待できます。

ただし、LTEを使った格安SIMは、えらぶプロバイダによっても大きな差があり、通信速度が遅いと速くて数Mbps、ひどいときは1Mbps未満になることも。格安SIMを使う場合は、ランチタイムや夜間などの混雑する時間帯には、極端に通信速度が遅くなる可能性があり注意しなければなりません。

LTE・AXGP・WiMAXそれぞれをえらぶべきシーンは?

080・090の音声通話を使う場合は、LTEを使ったサービスの利用が必須です。スマートフォンの契約では月間データ通信量が足りなかったり、タブレットやPCも外出先でインターネットにつなげたかったりする際は、スマートフォン以外のサービスの併用が選択肢に入ってきます。

このとき単純にスマートフォンの契約の月間データ通信量を増やすより、格安SIMや月間データ通信量無制限のWiMAX・AGXPを組み合わせた方が、通信費用が安くなることが多いです。そうして月数GB程度で通信速度も気にしないのであれば格安SIMを、大容量の通信が必要だったり通信速度にこだわったりするなら、ワイモバイルやWiMAX2+をおすすめします。

次にワイモバイルとWiMAX2+を比較した場合、当サイトではWiMAX2+をおすすめしています。上記で説明した通り、WiMAX2+の方が初期費用・月額費用共に安いことと、提供エリアが広いことが主な理由です。

WiMAX2+なら快適な月間データ通信量無制限の生活が待っている

スマートフォンで契約したLTE以外に、月間データ通信量無制限のWiMAX2+を契約することで、外出先でもデータ通信量を気にせず高速なモバイル通信が楽しめるようになります。現在の契約ではデータ通信量を節約するために、YouTubeなどで動画を鑑賞したり、データ容量の重いファイルを送受信したりといった通信を我慢してはいないでしょうか。

そんなときに、ぜひ検討いただきたいのがWiMAX2+です。データ通信量や追加料金といった不安なく使える自宅の固定回線を持ち歩いて使うような快適さが、WiMAX2+なら実現できますよ。

WiMAX2+プロバイダ最新比較ランキング【2021年11月度】
最新情報をもとにWiMAX2+のプロバイダを当サイト独自の視点で比較し、えらびやすいようランキング化しています。さらに比較すべきポイントを示しつつ、プロバイダ毎のランキングの理由もくわしく解説します。

まとめ

LTE・AXGP・WiMAX2+の3つを比較した場合、LTEは080・090番号による音声通話を使うときに必要。また同じくLTEを使う格安SIMで、月間データ通信量数GBまでの小容量しか必要ないのであれば安くすむのでおすすめできます。

外出先でモバイル通信サービスを頻繁に利用したり、YouTubeなどの動画をたくさん鑑賞したりするのであれば、AXGPを使ったワイモバイルやWiMAXを使ったUQ WiMAXといった月間データ通信量無制限のサービスがおすすめ。この2サービスを比較した場合、より提供エリアが広く安価に使えるWiMAX2+をおすすめします。