WiMAX・格安SIM併用のメリット・注意点を実際のユーザーが語ってみた

通信費用を節約したいけれども、外出先でたくさんインターネットも使いたい。そんな方には、WiMAXと格安SIMの併用がおすすめ。最強のモバイル環境を構築できる素晴らしいコンビなのです。ここでは実際にこの2つのサービスを併用しているわたしが、併用のメリットや、実際にどのくらいの節約が可能か、さらには注意点までくわしく紹介しています。

Contents

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WiMAXと格安SIM併用とは?そのメリットは?

安価にスマートフォンを使うことのできる格安SIM。その利用者は増えているとはいえ、不安があっていまいち乗り換えに踏み切れないユーザーも多いでしょう。モバイルWi-Fiルーターのサービスとしては代表的なWiMAXに関しても、ドコモやソフトバンクと言った大手と比較するとまだまだマイナーなサービスです。

しかしWiMAXと格安SIMを併用することによって、それぞれの強みを活かしあい弱点を補いあって、結果的に大手携帯キャリアのプランを使うより快適なモバイル通信環境を入手することができます。

WiMAX・格安SIMそれぞれの弱点を補い合う、とは?

まずそれぞれのサービスのメリット・デメリットを見ていきましょう。

【WiMAX】

メリット

・高速なモバイル通信が使い放題!

・月間何GB使っても月額固定の料金

デメリット

・080/090番号による通話は不可

・ドコモやauなどのLTE回線の方が提供エリアは広くつながりやすい

【格安SIM】

メリット

・大手携帯キャリアと比較して080/090による通話が可能なプランが安価で利用できる

・LTE回線のつながりやすさ・提供エリアの広さは大手携帯キャリアと同様

デメリット

・大手携帯キャリアと比較すると通信速度が遅い

そうしてWiMAXと格安SIMを併用することで、それぞれの弱点を補いあって以下にあげるような理想的なモバイル通信環境が手に入るのです。

  • 高速なモバイル通信が月間データ通信量無制限
  • データ通信に関しては月額固定制
  • 大手携帯キャリアよりはるかに安く080/090による通話が可能なプランを利用できる
  • WiMAXの電波が届かないスポットだけ格安SIMのLTE回線を使う

仕事や遊びで、頻繁にモバイル通信を利用する、わたしのようなユーザーにとっては非常に便利で助かります。月末の速度制限でストレスを貯めることはありませんし、高くなる通信費用に頭を悩めることもありません。

実際にどのくらい節約できるか?

さて、それではWiMAXと格安SIMの併用でどのくらい節約が可能か、シミュレーションしてみましょう。WiMAXと格安SIMは実際にわたしが使っている以下2サービスを例にとります。

  • 月額最安級のWiMAXサービス「Broad WiMAX」
  • NTTコミュニケーションズによる格安SIMサービス「OCNモバイルONE」

一方、比較対象としてドコモ(ウルトラパック)・au(フラットプラン)・OCNモバイルONE単体で利用の場合をえらんでみます。

●各種別の月額料金比較

種別 月額料金詳細 合計
WiMAX+

格安SIM併用

Broad WiMAX:3,411円

OCNモバイルONE(3GB/月):1,800円

OCNでんわ(1回10分の通話かけ放題)

:850円

6,061円
ドコモ

(ウルトラパック)

ウルトラデータLLパック(30GB/月):8,000円

カケホーダイライトプラン(1回5分の通話かけ放題)

:1,200円

SPモード          :300円

9,500円
au

(フラットプラン)

auフラットプラン30

※月間データ通信量30GB+

1回5分の電話かけ放題

1年目:6,500円

2年目:7,500円~

ソフトバンク

(ウルトラギガモンスター)

ウルトラギガモンスター(50GB/月):6,500円

※2年目以降は7,000円

通話定額ライトン(1回5分の通話かけ放題)

:1,700円

ウェブ使用料:300円

8,500円

※2年目以降は

9,000円

格安SIMのみ

OCNモバイルONE

OCNモバイルONE 30GBプラン:6,750円

OCNでんわ(1回10分の通話かけ放題)

:850円

7,600円

いかがでしょうか。中でもWiMAXと格安SIM併用の安さは際立っていますね。なおかつこの組み合わせでは、他プランと最大で月額約3,500円もの差がついています。しかもWIMAXと格安SIM併用パターンでは、月間データ通信量無制限なので、月間30GB以上のデータ通信を行っても(月間100GB超えても)追加料金が発生しません。一方でauやドコモなら1GB追加するごとに1,000円の追加となります。

ただし、お気づきの方もいると思いますが、格安SIMとWiMAX併用で料金がお得になのは、月間数十GB超のデータ通信量を消費するようなケースです。データ通信が月間数GBしか必要ないなら、かえってこのパターンは高くなります。たとえばauピタットプランで月間1GBしか使わないなら1回5分の電話し放題までついて月額1,980円(2年目以降は2,980円)で利用できます。

大手携帯キャリアの家族割(シェアプラン)と比較すると

大手携帯キャリアでは、夫婦や家族全員で同じ会社を利用すると安価になる家族割(シェアプラン)があります。しかし格安SIMのシェアプランを活用することにより、パターンによっては大手携帯キャリアと比較して月額1万円以上も節約することが可能です。

一例を紹介すると、以下のような節約が実現できます。

●ドコモシェアパックの利用例

個別契約 シェアパック
父(20GB):8,000円

母(5GB):7,000円

娘(5GB):7,000円

息子(20GB):8,000円

50GBのシェア/家族4人分で25,500円
合計:30,000円 合計:25,500円

※カケホーダイライトプランの利用を想定

※docomo withは未適用の場合を想定

●OCNモバイルONEの利用例

個別契約 シェアプラン(容量シェア)
父(10GB):3,000円

母(3GB):1,800円

娘(3GB):1,800円

息子(10GB):3,000円

=合計26GB

20GBの音声データSIMを家族でシェア

主契約:4,850円

シェアSIM(3枚):1,100円×3

:3,300円

合計:9,950円 合計:8,150円

※音声SIM利用の場合

くわしい例は以下記事で解説しているので、興味があればあわせて参考にしてください。

WiMAXと格安SIMシェアプランを夫婦で使い年間最大15万円以上節約!
ドコモのシンプルプランを比較対象に、WiMAXと格安SIMシェアプラン併用で大幅な節約が可能になる例を紹介。特に家族全員がスマホを使っていて、毎月の通信費用の高さに困っている方は必見です。

WiMAXは初期費用も安い

格安SIMとWiMAXの併用で注目すべきなのは、ほとんどのプロバイダで、WiMAX用のWi-Fiルーターが無料で入手できることです。他のモバイル通信であると、Wi-Fiルーターが数万円かかることがあり導入する際のネックになりますが、ことWiMAXならその心配なく手軽に加入できるわけです。

結果、契約に必要な料金は、どんなインターネット通信サービスを契約するときでも一律発生する事務手数料3,000円だけになることがほとんど。わたしがWiMAXを導入したのも、これが大きな理由でした。こういった意味でも、WiMAXは通信費用の節約に適しているといえるわけです。

WiMAX・格安SIM併用の注意点・よく心配される点とは?

スマホ本体以外にWi-Fiルーターを携帯する必要がある

格安SIMとWiMAXの併用で注意しておきたいのは、WiMAX用のモバイルWi-Fiルーターを携帯する必要があることです。WiMAXを使わない場合は、スマートフォン1台持ち出せばもちろんインターネット接続が可能です。ただしWiMAXでインターネット接続する場合は、別途モバイルWi-Fiルーターという機器を持ち歩く必要があります。

ただ、これはわたし自身の経験から言っても慣れてしまえば気にならなくなるので、それほど大きなデメリットでもありません。モバイルWi-Fiルーターはスマホ本体と比較しても同じかそれ以上にコンパクト。たとえばW04という機種なら約H130×W53×D14.2mmで重量は約140g。荷物になることはありません。

また近くのスーパーへ買い物に出かけるくらいなら、スマートフォン本体だけを持ち歩き、格安SIMによる通信だけあれば問題ないでしょう。LINEでの通話やインターネットでちょっとした情報検索をするくらいなら月間数GB(上記例では月間3GB)でも十分です。

キャリアのメールアドレスが使えない

格安SIMを検討している方の中には、この点を気にしている方もいらっしゃるでしょうか。しかしGoogleのGmailやヤフーメールを使うユーザーが多くなった最近では、この点に関する心配はほぼないといっていいでしょう。数年前のように、迷惑メール扱いされて相手に届かないといったこともほとんどなくなりました。

※仮にあっても相手側の設定変更で解決できることがほとんどです。

これらのフリーメールは仮にプロバイダを乗り換えても、ずっと継続して利用できるメリットもあります。優れたウェブメールが用意されているため、どのパソコン・スマートフォン・タブレットでも手軽にメールチェックできるなど機能性も高いです。

通話料金は高くならない?

以前は、「格安SIMだと通話料金が高くなるんじゃないか」と言われていたこともありましたが、今やその心配はほぼなくなっています。電話し放題のようなオプションは、もう大手携帯キャリアの専売特許ではありません。

LINEやSkypeなどを使えば通話無料となるのはもろちんのこと、すでに紹介したOCNモバイルONEのオプションのように「1回10分の通話し放題」「1回5分の通話し放題」といったサービスも多くの格安SIM MVNOが対応しました。

スマホ本体は安く買えるの?

大手携帯キャリアでは、新しいスマホ本体が必要になっても便利な分割払いが使えたり割引があったりして、(2~3年の継続利用は必要なものの)比較的手軽に入手できました。一方、格安SIMではそういったサービスがなかったために「スマホを買うのに高いお金が必要なんじゃないか」と心配するユーザーもいたようです。

しかし、OCNモバイルONEをはじめ多くの格安SIM事業者が端末の分割販売を始めていますし(お得に購入できるサービスもあり)、SIMロック解除を行うことで、大手携帯キャリアで使用していた端末をそのまま継続利用することも可能に。

さらにAmazonなどのネットショップ、家電量販店などでは最安1万円未満の端末も販売されています。かえって大手携帯キャリアが用意するより、多くの機種がえらべるようになっているとさえ言えます。

格安SIMの通信速度は問題ない?

大手携帯キャリアと格安SIMを比較した場合、最も差が出るのはこの点といえるでしょうか。通信速度に関しては、残念ながら大手携帯キャリアの方がまだ一枚も二枚も上です。ランチタイムや夜間など、混みあう時間帯では、通信速度が落ちてしまうこともあります。

その点でおすすめできるのが、WiMAXの併用です。WiMAXは数十Mbsp~100Mbps超の通信速度を記録することもあり、大手携帯キャリアと遜色ありません。わたし自身が使っている範囲でも、だいたい数十Mbpsを超える通信速度で利用できています。安価な格安SIMとWiMAXを併用すれば、こういった点もWiMAXがカバーできるわけです。

端末がこわれたときなどのサポートも問題ない?

大手携帯キャリアと違い、ほとんどの格安SIMでは店舗を持っておらず、こまったことがあった際にショップスタッフに相談するといったことができません。端末がこわれたときや困ったことがあったときのサポートに不安がある – というのも格安SIMに対するイメージとしてあるのではないでしょうか。

その点についても、現在では故障時の修理代金を負担してもらえる端末補償のオプションを展開していたり、スマホ端末を遠隔操作して助けてくれるサポートオプションを用意するMVNOもあったりなど、格安SIMに対する不安はなくなってきつつあります。格安SIMがはじめての方、スマホ操作になれていない方でも、それほど心配しないでよいでしょう。

WiMAXの3日間10GBの速度制限は問題ない?

WiMAX/3日間10GB速度制限

WiMAX/3日間10GB速度制限

WiMAXは月間データ通信量こそ無制限であるものの、回線の混雑を防ぐ目的で3日の間に10GBという大容量を消費した場合に限り、速度制限に抵触するといったルールがあります。しかし大手携帯キャリアが月間20GB・30GBの大容量プランを展開している時代に、3日間で10GBは、大抵のユーザーは使い切れないでしょう。

WiMAX2+の3日間10GBの速度制限にはなかなか抵触できない【実際に使ってみたレポート】
わたしの使用例をもとに、WiMAX2+の速度制限がどれだけゆるいものかを解説。具体的な例を基にして「このぐらい使っても速度制限にかからないのか」という参考になる記事です。

たとえばヤフーのトップページクラスの一般的なウェブページなら5~6万ページ以上参照しないと10GBを消費しきれません。同じようにLINEの音声通話なら100時間以上、Facebookなら少なく見積もって10万フィード以上は10GB消費するのに必要です。人気のゲーム、ポケモンGOなら400~500時間以上プレイしないと10GBに達しません。

また動画の閲覧は、他の通信と比較して膨大なデータ通信量を消費することで知られますが、それでもテレビの大画面でみてもきれいなハイビジョン画質の動画なら約12時間(1日あたり平均4時間×3)も鑑賞しないと10GBに達せず、仮にスマホの小さな画面でよくみられるYouTube標準画質の動画なら40時間(1日あたり平均13時間以上)以上鑑賞しないと10GBを使い切れないです。

このような感じなので、余程のヘヴィユーザーでなければ実質無制限と考えてもよいでしょう。わたし自身、月間50~60GBのデータ通信量を消費していますが(テストでわざと抵触した場合を除き)この速度制限に抵触したことはないです。

こんなユーザーは特に格安SIM+WiMAXの併用がおすすめ

格安SIM + WiMAX併用のメリットは、何といってもモバイルでの高速なインターネット通信を思う存分利用できる上に、大手携帯キャリアと比較して通信費用を節約できること。上述の通り、「モバイルでのインターネットはあんまり使わないな」という方には料金的なメリットがなくなってしまうのでおすすめしにくいですが、そうでなければぜひ検討したい使い方です。

また現在外出先であまりインターネットを使わない方でも、お昼休憩や会社の行き帰りなどに、スマホで高画質な動画を思う存分みたり、データ通信量を気にせず重いファイルを送受信したりできる環境をイメージしてみていただきたいと思います。

データ通信量を気にしないでよい自宅のWi-Fiのように、外出先でも思う存分インターネットを使える環境は快適で、一度手にしたらその環境を手放したくなくなるものですよ。

一人暮らしや単身赴任で通信費用を節約したいユーザーにもおすすめ

月間データ通信量が無制限のWiMAXは、固定回線の代替に使われることもよくあります。そこで一人暮らしや単身赴任のユーザーなら、WiMAXを自宅では固定回線代わりに使い、外出先ではモバイルWi-Fiルーターとして使うといった方法もおすすめできます。

一人暮らしなら、自宅にWi-Fiルーターがなくても困る家族はいません。WiMAXであれば面倒な工事も必要ないですし、固定回線を敷設しない分、その分の月額費用を浮かせることもできます。

また上記で紹介したBroad WiMAXなど、申込即日でのモバイルWi-Fiルーター配送に対応しているプロバイダが複数あり、早ければオンラインで申し込んだ翌日もしくは翌々日には使えるようになるのも、WiMAXのうれしいポイント。引っ越しの忙しい時期でインターネット接続の手続きを忘れていても、WiMAXならすぐに使えるので助かりますよ。

まとめ

通信費用を節約しつつ、速度制限を気にせず高速なモバイル通信をたっぷり使いたいユーザーは、格安SIMとWiMAXはぜひ検討したい最強タッグです。音声通話付きのプランが安価に利用できる格安SIMと、高速なモバイル通信が月間データ通信量無制限で使えるWiMAXによって、お互いの良いところを活かしつつ悪いところを補いあって、欲張りなユーザーの要望を満たすことができるのです。