2018年11月発売開始されたWiMAX用モバイルWi-Fiルーター「WX05」をえらぶべきか、WX05発売前まで最も人気が高かったW05をえらぶべきか迷っている方が多いのではないでしょうか。ここでは、両者を徹底比較し、どちらがおすすめか解説しています。
Contents
WX05とは?
WX05はNECが開発・製造するWiMAX2+用のモバイルWi-Fiルーターです。NEC製のWiMAX用ルーターとしては2016年12月にはWX03が、2017年11月にはWX04が発売されていますが、WX05はその後継機種ということになります。
WiMAX WX05 vs W05スペックなど徹底比較表
早速WX05とW05、さらに現在でも一部プロバイダで販売している旧機種「WX04」のスペックなどを比較してみましょう。
W05 | WX05 | WX04 | |
発売時期 | 2018年1月 | 2018年11月 | 2017年11月 |
メーカー | HUAWEI | NEC | NEC |
最大通信速度(下り)
※通常時 |
558Mbps
※一部エリアのみ、 他は440Mbps |
440Mbps | 440Mbps |
最大通信速度(上り)
※通常時 |
30Mbps | 30Mbps | 30Mbps |
最大通信速度(下り)
※ハイスピードプラスエリアモード時 |
758Mbps
※一部エリアのみ 他は440Mbps |
758Mbps
※一部エリアのみ 他は440Mbps |
440Mbps |
最大通信速度(上り)
※ハイスピードプラスエリアモード時 |
112.5Mbps
※一部エリアのみ、 他は30Mbps |
75Mbps
※一部エリアのみ 他は30Mbps |
30Mbps |
WiMAX2+ | ○ | ○ | ○ |
au 4G LTE | ○ | ○ | ○ |
WiMAXハイパワー | × | ○ | × |
バッテリー容量 | 2,750mAh | 3,200mAh | 3,200mAh |
連続通信時間 | 最大10.5時間 | 最大14時間 | 最大13.8時間 |
サイズ(mm) | 約130×55×12.6 | 約111×62×13.3 | 約111×62×13.3 |
重量 | 約131g | 約128g | 約128g |
他機種にない特長 | Wi-Fi設定の簡単引っ越し機能 | Wi-Fiの混み具合をビジュアルで確認し、すぐに空いているチャネルに切り替えられる機能、専用クレードル併用によるWiMAX受信・Wi-Fi受信強度アップ | 一時的に4G LTEを利用する「ワンタイム」機能搭載、専用クレードル併用によるWiMAX受信・Wi-Fi受信強度アップ |
ユーザーの評判 | ○ | × | – |
赤字にした項目は、他の機種と比較して優れている点です。こうしてみると両者の違いがわかりやすいでしょう。
WX05をえらぶメリットは?
WX05のメリットは以下3点です。
- WiMAXハイパワーに対応
- バッテリー容量が大きい
- 付加機能に優れている
1つずつ説明しますね。
WiMAXハイパワーに対応
WiMAXハイパワーとは、簡単にいうと電波の出力を上げることにより、電波状況がよくない場所でもつながりやすくし通信速度を約20%あげることが期待される機能です。ユーザーからするとうれしい機能に見えますが、2つの点に注意が必要です。
まず1つ目は、あくまで「電波が届きにくい場所」での話であって、もっともよく使われるであろう「電波状況の安定した場所」ではそれほど効果が期待できないことです。WiMAXを(電波状況が特に問題ない場所で)日常的によく使う人であれば、その恩恵をうけることはできません。
2番目の注意点は、WiMAXハイパワー自体は数年前から存在する機能ではあるものの(WX05販売にあたって新しく登場した機能ではありません)、残念ながらこれを搭載した機種の方が高速、通信がより安定しているといった実ユーザーの評判があまり聞かれないことです。
この機能が登場した当初はもてはやされていたものの、WiMAXハイパワーを搭載しない機種が複数リリースされる中で「WiMAXハイパワーを搭載しないから遅くなった。安定しなくなった」という声も聞かれません。
もちろん新しく登場した新機種では、WiMAXハイパワーの効果が発揮される可能性も捨てきれませんが、この機能を搭載していないことでW05をえらばないという程ではないでしょう。
バッテリー容量が大きい
W05と比較するとWX05・WX04はバッテリー容量が約500mh多く、そのためか連続通信時間もW05の最大10.5時間に対してWX05は最大14時間と大幅に長くなっています。バッテ―容量が大きければ、それだけ充電せず使える時間も長くなるわけで、これはWX05をえらぶメリットといえるでしょう。
しかしながら、W05のバッテリー容量でも1日充電せずに使うのに問題ない容量といえるため、これをもってWX05をえらぶ決め手という程でもないです。
付加機能に優れている
WX05の大きなメリットとして付加的な機能に優れていることがあげられます。
・ワンタイムHS+A機能
WiMAXのルーターでは、よりつながりやすいau 4G LTEでの通信も可能ですが月間7GBまでの制限があります。無駄にこの制限に達してしまわないように、au 4G LTEの通信が一定量・一定時間続いたりした際に自動的にWiMAXへ切り替えてくれます。これで、au 4G LTEの使い過ぎを防ぐことが可能です。
・Wi-Fiビジュアルステータス
周りのWi-Fiの混雑状況をモニタに表示する機能です。表示内容をみながら空いているチャネルへ簡単に切り替えWi-Fiの電波状況をよくすることができます。
・クレードルを利用するとよりつながりやすく
別売りのクレードルには、Wi-Fi・WiMAXの電波状況を改善する機能があります。これによってつながりやすくなったり、実効速度が最大30%あがったりすることが期待できます。※クレードルの価格は約4,000円です。
これらの機能はないと困る、というほどではありませんがあれば使い勝手がだいぶ良くなるので「あった方がいい」機能であることに間違いありません。
WX05をえらぶデメリットは?
WX05にはいくつかのメリットがあることは、上に書いた通り。けれど、結論からいってそのメリットを上回るようなデメリットが想定されます。
主なデメリットは以下2つです。
- 前モデルまでは通信品質に関する評判がよくない
- 最大通信速度はW05の方が高速
1つ1つ解説しますね。
前モデルまでは通信品質に関する評判がよくない
NEC製のWiMAX用モバイルWi-Fiルーターは、WX05の1年前にはWX04が、さらにその11ヵ月前にはWX03が販売されています。そして両機種に共通して言えることが、残念ながら多くのユーザーから悪い評判があがっているということです。
通信が不安定、頻繁に接続が切断されて再起動が必要になる、Wi-Fiがつながりにくいなど、不安になる声が多く見受けられます。中には快適に使えているというユーザーもいるので個体差などもあるかもしれませんが、あまりに悪い評判が目立つのでWX04・WX03は当サイトではおすすめしてきませんでした。
NEC製WiMAX用モバイルWi-Fiルーターの最新モデルであるWX05は、まだユーザーの評判は出そろっていないものの、前機種までの評判を聞く限り、当サイトではおすすめしにくい、というのが正直なところです。
最大通信速度はW05の方が高速
最大通信速度をみると、一部エリアのみではあるもののW05の方が高速です。具体的に一部エリアとはどこなのか正確なところまでは公開されていませんが、東京や大阪、京都といった主要都市の一部とのことです。その地域はそれほど広くないとはいえ、今後広がると想定されます。
また例えば下り558Mbps(W05・一部エリア)・440Mbps(WX04)の差はそれほど大きくはなく、通常の利用ではその差を体感するシーンは少ないでしょう。ただし大容量のファイルをダウンロードする際のように、通信速度の差によって大きく使い勝手がかわるような場合では、最大通信速度100Mbps程度の差でも体感でわかるようになります。
通信速度を特に気にする方にとって、この差が大きく感じられることもあるでしょう。
【まとめ】現時点でおすすめはW05
バッテリー容量が大きかったり、付加機能が豊富だったりするという点で、スペック表的にみればWX05の方が優れているように見受けられます。スペック表でみると、W05の方が優れている主な点と言えば、一部エリアで体感ではあまり差を感じられないほどの最大通信速度の差があるくらいです。
ただしWX05で最も気になるのは、WX**シリーズの評判がよくないという点。WX05のユーザーの評価が集まるのはこれからとはいえ、このシリーズに共通して接続が不安定だったりなど、使い勝手を大きく悪くする不安要素があると、他のメリットを打ち消してしまいます。そのためWX05はスペック表的な品質の高さとは裏腹におすすめしにくいというのが正直なところです。当サイトでは、ユーザーの評価が安定しているW05をおすすめします。