2017年11月にWiMAX用最新ルーターWX04が登場。ここでは比較対象となるW04・WX03と比べて、WX04を最もおすすめする理由を解説しています。WiMAXを利用するときに、どのWi-Fiルーターをえらぶかは重要なポイント。使い勝手や快適さに大きく影響します。
Contents
WX04の簡単な紹介
WX04はau 4G LTEの通信に対応した初の国産WiMAX2+ルーターです。(今までは海外のHUAWEI製のみでした)くわしくは後述しますが、それ以外にもモバイルルーターとしては初めてビームフォーミングに対応し、Wi-Fiスループットが20%向上するなど機能性が高い端末です。
WX04・W04・WX03比較表
それでは比較対象となる最新の3機種を比較してみましょう。
WX04 | W04 | WX03 | |
発売日 | 2017年11月1日 | 2017年2月17日 | 2016年12月2日 |
メーカー | NEC | HUAWEI | NEC |
最大通信速度
(下り) |
440Mbps | 558Mbps
※一部エリアのみ 他は440Mbps |
440Mbps |
最大通信速度
(上り) |
30Mbps | 30Mbps | 30Mbps |
WiMAX2+ | ○ | ○ | ○ |
au 4G LTE | ○ | ○ | × |
バッテリー時間 | ▽440Mbps通信時
8時間10分 ▽220Mbps通信時 13時間50分 |
▽440Mbps通信時
6時間30分 ▽220Mbps通信時 10時間30分 |
▽440Mbps通信時
7時間20分 ▽220Mbps通信時 12時間20分 |
サイズ(mm) | 約111×62×13.3 | 約130×53×14.2 | 約99×62×13.2 |
重量 | 約128g | 約140g | 約127g |
他機種にない特長 | au 4G LTEのワンタイム利用機能。専用クレードル併用によるWiMAX受信・Wi-Fi受信強度アップ | 縦長ボディで持ち運びしやすい | 専用クレードル併用によるWiMAX受信強度アップ |
比較表をみるとWX04が断然おすすめ
比較表をみてわかるように、au 4G LTEに対応しかつバッテリーの持ちもよいなど、WX04の機能性が勝っています。日常的に持ち歩くことになるモバイルWi-Fiルーターはサイズや重量も比較すべき要素ですが、3機種はほぼ差がないので、これは比較の判断材料にならないでしょう。結果、最新の3機種を比べると断然WX04がおすすめです。
WiMAX2+の契約で使えるau 4G LTEの通信とは何が便利?
au 4G LTEとは、簡単に言うとその言葉通り大手携帯キャリア「au」が保有するLTE回線のことです。au・WiMAX2+共にKDDIグループが運用する回線なので、「WiMAX2+の契約でもau 4G LTEが使える」なんてことが実現しています。
WiMAX2+で通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えると、WiMAX2+の電波状況が悪い場所では自動的にau 4G LTEに切り替えてくれて便利。無線の電波が届きにくい地下などの屋内では、WiMAX2+よりau 4G LTEの方が繋がりやすいです。そのためハイスピードプラスエリアモードに切り替えることで、WiMAX2+の電波が届かない場所でも高速なモバイル通信を継続できる可能性が高くなります。
わたしもWiMAX2+ユーザーですが、クライアントとのミーティングがWiMAX2+の電波が届かない建物の奥まった場所だった際などに、ハイスピードプラスエリアモードが使えて助かったりしています。わたしのように仕事でWiMAX回線を使っているユーザーやWiMAXをヘヴィに使いたいユーザーにとっては、特に便利なモードとといえるでしょう。
au 4G LTE利用で気を付けるべき点
便利なハイスピードプラスエリアモードですが、2つの注意点があります。1つ目はこのモードで高速なモバイル通信が行なえるのは月間7GBまでであり、それを超えると月末まで最大128Kbpsという低速な通信速度になってしまうこと。月間データ通信量無制限がWiMAX2+の大きな売りですから、その魅力を無くしてしまうこの速度制限は十分気を付けなくてはなりません。わたしも、ハイスピードプラスエリアモードを使うのは「ほんとうにau 4G LTEでしか通信できないとき」に限るようにしています。
もう1つは、このモードを1度でも使うと1,000円/月が加算されること。翌月になって「なんで料金高くなっているの?」と驚くことがないように、この点は認識しておきましょう。なおWiMAXを3年縛りの契約とすることで、ハイスピードプラスエリアモード利用による追加料金が無料となります。ふだん建物の奥まった場所や地下街などで通信する機会が多いユーザーは、3年契約がおすすめです。
W04のみ最大558Mbpsの通信速度が利用できる点について
この比較表でWX04が劣るとしたら、W04のみ最大558Mbpsの通信に対応していることでしょう。数値だけ見ると約120MbpsはWX04が劣っていることになります。
とはいえこのスピード差を体感できるユーザーは少ないでしょう。ホームページをみたり動画(ハイビジョン画質以上でも)を鑑賞したりといった普段使い程度では、最大440Mbpsと最大558Mbpsのどちらでも同じように快適で差は感じられません。そもそもどちらもベストエフォートで額面通りの通信速度はでないので、実効速度もそれほど差がつかないと想定されます。
唯一容量が100MBを超えるような重たいファイルをダウンロードする際は、若干の差を感じるかもしれませんがそんな機会も多くないはずです。また最大558Mbpsの通信に対応するのは東名阪の一部エリアのみ(WX04リリース時点)。これからエリアは拡大していくと想定されますが、他地域では使えません。
もちろん、そうは言っても通信速度がはやいに越したことはありませんが、この程度は「誤差の範囲」と言ってしまってもよいと考えられます。バッテリーの持ち時間が長いなど、その他の点を重視して、当サイトではWX04の方をおすすめします。
WX04に搭載された新たな機能・便利な機能とは?
ここではWX04・W03・WX03の3機種を比較した場合に、WX04が優れている新機能・便利な機能を紹介します。
4G LTEからの切り戻し忘れを防止するワンタイム機能搭載
前述したように、au 4G LTEによる通信が行なえるハイスピードプラスエリアモードは便利ですが、月間7GB使用による速度制限があるために注意が必要でした。ハイスピードプラスエリアモードと、WiMAX2+の通信のみ行えるハイスピードプラスモードの切替は、Wi-Fiルーターから手動で簡単に行えるものの、ハイスピードモードへの切り戻しを忘れて簡単に月間7GBの制限に抵触して困るユーザーも多かったようです。
その点WX04では手動で切り替える以外に、無通信状態が10分続いたり本体の電源を切ったりすることで自動的に普段使いのハイスピードモードに戻ってくれるので安心。手動切り戻し忘れによる、速度制限の抵触を予防してくれるのです。わたしも慌ててハイスピードモードに戻すことがありますからこの機能は助かりますね。
専用クレードルを搭載し、屋内での利用快適さアップ
NEC製のWX03とWX04は、別売りのクレードルにセットすることで、WiMAXの電波の受信強度を高める機能があります。モバイル通信の電波は、屋外より屋内の方が受信しにくいのは周知の事実ですが、クレードルを使うことにより屋内でのモバイル通信の安定性や通信速度が向上するわけです。
またWX04のクレードルでは、モバイルWi-Fiルーターとしては初めてWi-Fiの受信強度を高めるビームフォーミング(beamforming)に対応しました。ビームフォーミング(beamforming)とは、光の束を意味する「beam」と、形作るという意味の動詞「form」を組み合わせたもの。その言葉の通り、無線の電波を束ね必要な方向へ発射する技術です。W04ではビームフォーミングに対応することで、Wi-Fiのスループットが約20%向上したとの実験結果が出ています。
WiMAXを屋内で固定回線代わりに使うユーザーも多いと考えられますが、そういったユーザーには特にWX04とクレードル利用がおすすめです。格段に屋内での通信が快適になる可能性があります。また充電の際も、細いUSBケーブルを挿すよりクレードルにただセットするだけの方が簡単ですから、充電を忘れの防止になるメリットもあります。
W04のクレードルの価格は、プロバイダによっても異なりますが約3,500円。なお後からUQアクセサリーショップなどで購入することもできます。
WX04でなくW04やWX03をえらんだ方がよい場合はある?
まずWX03に関してはWX04が完全な上位互換の機種であり、ほとんどのWiMAXプロバイダでいずれも0円で入手できることから、WX03をえらぶ理由はないでしょう。つぎにW04ですが、最大通信速度が約120Mbps程度上がることと、縦長で手に持ちやすいフォルムが他2機種にない特長といえます。
ただし上述したように、この最大120Mbpsの差はそれほど大きくないと考えられ、この点をもってW04をえらぶ理由にはならないでしょう。とはいえ100MBを超える重たいファイルを頻繁にダウンロードするヘヴィユーザーなら、この速度差を活かすことができると想定されるのでW04をえらぶ価値はあります。
また3機種のフォルムを比較して、「縦長のW04がかわいくていいな」と感じたら、W04をえらんでもよいと思います。WX04に劣るとはいえ、W04も十分に品質の高い機種ですから、普段持ち歩いて使うルーターは気に入ったデザインの機種を使いたいものです。
逆にいえば、こういった例外がなければ、当サイトではWX04をえらぶのがよいと結論します。
WX04にスピーディに対応するおすすめプロバイダ2選
新機種がリリースされても、全てのWiMAXプロバイダが対応するわけではありません。対応までに時間を要することも。そこでここではWX04に対応する上に、お得にWiMAXが使える当サイトおすすめのプロバイダを紹介します。
平均3万円をこえる高額キャッシュバックが魅力のとくとくBB
WiMAXを最もお得につかいたいなら、平均3万円という超高額なキャッシュバックキャンペーンを展開するとくとくBBをえらぶとよいでしょう。当サイトでも、最もおすすめのWiMAXプロバイダとしてとくとくBBをあげています。
月額最安級のBroad WiMAX
月額料金が安いことで知られるWiMAXプロバイダ。他プロバイダのWiMAXの月額料金が4,200円~4,400円であるところ、Broad WiMAXは3,411円。月額800円~月額1,000円程度の開きがあります。
とはいえ高額なキャッシュバックを行う上述のとくとくBBと比較すると、2年間の利用でかかる総額料金が約9,000円高くなることから、当サイトではとくとくBBを一番におすすめしています。しかしキャッシュバックをもらえるのは契約してから約1年後なので、「それまで待てない! すぐに得をしたい!」ということならBroad WiMAXがおすすめです。
まとめ
バッテリーの持ち時間が長くなったりau 4G LTEに対応したりなど、WX04・W04・WX03を比較した場合はWX04がもっともおすすめできる機種です。ハイスピードプラスエリアモードの月間7GBの速度制限に抵触するのを予防する自動オフ機能や、室内でより快適に通信ができる機能を搭載したクレードルも重要なポイントといえます。