ソフトバンク・ウルトラギガモンスターの月間50GBとは、実際どれくらいのデータ通信量で、ほんとうに「ほぼ使い放題」になるものでしょうか。ここでは、月間50GBで「ほぼ使い放題」というにはいくつかの制限があって、場合によってはWiMAXのようなモバイルWi-Fiを組み合わせた方がよいことを紹介しています。あわせて契約の仕方によっては、WiMAXを使った方が安価に「使い放題」の環境が利用できることも紹介しています。
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ウルトラギガモンスター/ほぼデータ使い放題とは?
ソフトバンクでは、データ通信量50GBのデータプランを「ほぼ使い放題」のサービスとして売り出しています。月間50GBと上限があるのに、「使い放題」とはどういうこと、という疑問を持つ方も多いでしょう。
その説明は簡単。ソフトバング自身が行なった調査でデータ定額50GB加入者の88%が「データ量を気にせず使用している」というアンケート結果がでているからです。「仮に上限があったとしても、その上限を気にせずユーザーが利用しているなら『ほぼ使い放題』といって構わないだろう」ということですね。確かに、この理屈は正しいと思います。だって、ユーザーが、上限を意識していないわけですから。
「使い放題」と言われるのはなぜ?
ただしこの場合の「気にしていない」には、以下2つの捉え方があると思います。
■実際、月間50GBというのはユーザーにとって使い切れない容量だから
ユーザーが何も我慢せずに思う存分使っても、月間50GBでは足りないということですね。
■月間50GB以上必要となるような快適なインターネット利用の方法を知らないから
利用するインターネットのサービスや使い方によっては、消費するデータ通信量がケタ違いに増えることがあります。そんな使い方を知らないから、結果的に月間50GBで満足できている、ということも十分あり得るわけです。
※実際、そういう方の方が多いように感じています。
50GB(50GB)ってどれくらい?ほんとに月間50GBで足りる?
では50GBとは実際どの程度の容量なのでしょうか。いくつか例を出してみましょう。
利用例 | 50GB消費する時間
(ページ/回数) |
ホームページの参照(文字メインのページ)
※200KB/ページ |
約25万ページ |
ホームページの参照(高画質な画像が多いページ) ※2.5MBページ | 約2万ページ |
LINEメッセージ送受信(300文字)
※20KB/回 |
約250万回 |
LINE音声通話
※約1MB/分 |
約50,000分
(約830時間/約34.5日) |
YouTube標準画質動画(5分)
※約17.5MB/(5分の動画を鑑賞) |
約2,850回
(約235時間/約9.8日) |
ポケモンGO(1時間)
※約10MB/時 |
約5,000時間
(約208日) |
スプラトゥーン2(1時間)
約200MB/時 |
約250時間
(約10.5日) |
先に断っておくと、ここで挙げた例は全て「月間50GBで足りるであろう」使い方の例です。
たとえば、毎月約2万ページ(1日あたり約650ページ)もホームページをみることは通常ないですし、YouTubeの動画を約235時間(1日あたり約8時間)もみることはないですよね。「小さなディスプレイを搭載したスマホ程度なら」標準画質程度で不足に感じることはないでしょう。
それから人気のスマホゲーム「ポケモンGO」。50GBあれば約5,000時間(約208日)もプレイできるわけですから、仮に1ヵ月ポケモンGOをプレイし続けたとしても50GBは到底使い切れません。テザリングを使って、ニンテンドースイッチの人気ゲーム「スプラトゥーン2」をプレイする際は、ポケモンGOと比べ物にならないデータ通信量を消費するので、小容量のプランだと心もとないかもしれませんが、月間50GBなら1日あたり8時間以上プレイしても使い切れないことになります。
確かに上記のような利用例なら、「ほぼ使い放題」といって間違いはないでしょう。
次は月間50GBでは心もとないと思われる使い方の例。
利用例 | 50GB消費する時間
(ページ/回数) |
YouTube HD画質(720P)動画(5分)
※約60MB/(5分の動画を鑑賞) |
約830回
(約65時間/平均2.2時間/日) |
YouTube HD画質(1080P)動画(5分)
※約113MB/(5分の動画を鑑賞) |
約440回
(約35時間/約1.2時間/日) |
YouTube 4K画質動画(5分)
※約500MB/(5分の動画を鑑賞) |
約100回
(約8.3時間/約17分/日) |
スカイプ ビデオ通話
※約36MB/分、約2,160MB/時間 |
約23時間
(約45分/日) |
Amazonプライムビデオ(高画質)
※1GBで最大60分視聴可能 |
約50時間
(約1.7時間/日) |
映画1本分のデータダウンロード
※標準画質約2時間で約1.2GB |
約42回 |
DAZN(スマホ)(約2時間※サッカー1試合)
※約1.5GB |
約33回
(約2.2時間/日) |
DAZN(PC)(約2時間※サッカー1試合)
※約8.5GB |
約6回
(約16分/日) |
映画1本分のデータダウンロード
※フルHD画質約2時間で約6GB |
約8回 |
いかかがでしょうか? ご覧の通り月間50GBでは足りそうにない利用方法もさまざま考えられます。
最近の大画面のスマホなら、HD画質以上の動画をきれいに鑑賞できますし、さらに大きな画面を持つタブレットなら、HD画質以上の動画を鑑賞するのに適しています。タブレットやノートパソコンを外に持ち出して、スマホのテザリングなどで利用する方も多いですよね。
この中でも特にデータ通信量を消費するのは、スカイプのビデオ通話やスポーツ生中継などで知られるDAZNの視聴。月間50GBの環境でこれらを利用すると、物足りなくなる方が多いでしょう。
ウルトラギガモンスターは本当に安い?WiMAXとの料金比較
データ通信量の次に、料金について考察していきましょう。月間50GBのウルトラギガモンスターは、他のモバイル通信サービスと比較して本当に安いのでしょうか?
ここでは、いくつかのプランとソフトバンク・ウルトラギガモンスターの月額料金を比較してみます。
項目 | 概要 | 月額料金合計 |
ソフトバンク
ウルトラギガモンスター ※スマ放題ライト(1回5分の通話かけ放題) |
ウルトラギガモンスター(月間50GB):7,000円/月
ウェブ使用料:300円/月 スマ放題ライト(1回5分の通話かけ放題):1,700円/月 |
9,000円
※テザリングを利用するなら+500/月なので9,500円 |
ソフトバンクプラン+WiMAX2+(Broad WiMAX)の併用 | Broad WiMAX:3,411円/月
ソフトバンク データ定額ミニ(1GB/月):2,900円/月 ウェブ使用料:300円/月 スマ放題ライト(1回5分の通話かけ放題):1,700円/月 |
8,311円
※WiMAXを利用するのでテザリングは不要 |
Broad WiMAX+
格安SIM(OCNモバイルONE) |
Broad WiMAX:3,411円/月
OCNモバイルONE(3GB月/音声):1,800円/月 OCN電話(1回10分の通話かけ放題):850円/月 |
6,061円
※WiMAXを利用するのでテザリングは不要 |
ご覧の通りソフトバンクの小容量プランにWiMAXを組み合わせたり、格安SIMとWiMAXを併用したりすると、「ほぼ使い放題」のソフトバンク・ウルトラギガモンスターより安価な月額料金に。その上、月間データ通信量無制限で、速度制限を気にせず使えるようになるわけです。特にタブレットやノートPCをテザリングでつなげようと想定している場合は、ソフトバンクプランではテザリングを利用すると500円/月の追加料金がかかるので、さらにその差が広がります。
格安SIMとWiMAXを組み合わせると、(ここで挙げた例であれば)月額3,000円もソフトバンク・ウルトラギガモンスターより安いです。しかもOCNモバイルONEであれば、かけ放題となる通話時間も1回5分→1回10分となります。
ソフトバンク・ウルトラギガモンスターはお得に「ほぼ使い放題」なインターネット環境が使えるプランではありま。ただし、ご覧のようにWiMAXを組み合わせることで、よりお得な使い方があることは知っておいてもよいでしょう。
ウルトラギガモンスター(ほぼ使い放題)はこんな人におすすめ
今まで解説した内容を基に、ウルトラギガモンスターは以下にあてはまる人におすすめです。
- すでにソフトバンクを利用していて手軽に大容量のデータプランを使いたい
- ディスプレイの小さなスマホで「だいたい」使い放題になればよい
- 動画をみる際に、それほど画質を気にしない
- テザリングで接続するタブレットやノートPCまで「使い放題」にならなくてもよい
上述したように、あんまり動画の画質を気にしなかったり、「使い放題になる範囲」で我慢できたりするのであれば、ウルトラギガモンスターはお得で便利なプランといえます。特に現在ソフトバンクの契約者であれば、プラン変更により「ほぼ使い放題」の環境が手に入るのは大きなメリットです。
WiMAXの併用はこんな人におすすめ
次に、WiMAXを使うのがおすすめなのは、以下に当てはまる人です。
- HD画質以上の動画をたっぷり楽しみたい
- スカイプやDAZNもたっぷり楽しみたい
- テザリングでつなげるタブレットやノートPCも「使い放題」の環境で使いたい
- より安価に「使い放題」のインターネット環境を利用したい
月間50GBは大容量なのは間違いありませんが、高い画質の動画をたくさんみたりタブレット・ノートPCなどをテザリングでつなげたりするのであれば物足りなくなる可能性があります。データ通信量を気にせず、こういった利用もしたいのであれば、WiMAXを併用するのがおすすめ。また「使い放題」の環境をより安価に利用したい場合も、WiMAX併用が有効です。
まとめ
ウルトラギガモンスターの月間50GBは、どんな場合でも「使い放題」でインターネット接続できるわけではありません。HD画質以上の動画をたっぷり鑑賞したりテザリングでも「使い放題」でインターネット接続したりするということなら、月間50GBでは物足りないです。またスカイプのビデオ通話やDAZNのように、膨大なデータ通信量を消費する通信に関しても、たっぷり楽しむなら月間50GBでは足りません。月間データ通信量無制限のWiMAX併用がおすすめ。また「使い放題」の環境をより安価に利用する際も、WiMAXを併用した方がかえって安くなる場合もあります。