無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)利用時の危険性とWiMAXとの比較

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の利用には常に危険性が伴い、利用者はそのことを意識する必要があります。ここでは無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の危険性についてくわしく解説。あわせて、同じく外出先でインターネット接続する際に使うモバイルWi-Fiの1つ「WiMAX」との比較で、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)のメリット・デメリットも解説しています。

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無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)とは?

コンビニやカフェ、駅、観光地、ホテルなどなど、今や無料でWi-Fiによるインターネット接続ができるスポットは日本中に広がっています。極端な話、仮にスマホなどのインターネット接続環境がなくても、Wi-Fiが使えるタブレット1つあれば、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)でいろいろな場所でインターネット接続できてしまうわけです。特に東京や大阪のような大都市であれば、インターネット環境に困ることはないでしょう。

またスマホの料金プランでデータ通信量を節約したいときにも、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は便利。仮にスマホの料金プランが速度制限にかかってしまっても、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)なら高速で快適なインターネット接続を利用することもできます。

わたし自身も、WiMAXというモバイルWi-Fiルーターサービスを契約して使っているものの、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)も利用することがあります。くわしくは別途後述しますが、モバイルWi-Fiルーターサービスにない利便性が、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)にあるのも事実です。

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の危険性とは

セキュリティソフト「ノートンインターネットセキュリティ」の販売元としても有名な「株式会社シマンテック」が2017年に調査した結果によると、日本の利用者の約4割しか「無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は安全」と考えていないとのこと。残りの約6割は、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の危険性について、何らかの不安を抱いているわけです。

それでは無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の具体的な危険性はどんなものなのか、ここではくわしく解説していきましょう。

暗号化されていないアクセスポイントが多い

Wi-Fiによるインターネット接続では、周囲にとんでいる電波は誰でもキャッチできるので、暗号化されていなければ悪意のある第三者が簡単に盗聴できてしまいます。暗号化されていない無料Wi-Fi(公衆Wi-Fi)のアクセスポイントでは、通信の内容を全てさらけ出しているといっても過言ではありません。

そうして、残念ながら無料(フリー)Wi-Fiの多くは利便性と管理しやすさのために、暗号化されていない場合が多いのが実際のところ。ユーザーは、暗号化の有無を意識せず利用していることも多いようですが、暗号化されていると断定できない場合は、「自分が通信している内容は全て周りからみられている」くらいに考えた方がよいでしょう。

危険性は仮に暗号化されていてもあまりかわらない

とはいえ、実は暗号化されていたとしても危険性はそれほどかわりません。暗号化のためのパスワードが一般に公開されているからです。そのパスワードさえわかってしまえば、悪意のある第三者は簡単に暗号をやぶって通信の内容を盗聴できてしまいます。

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)にとって暗号化とは、「周りの利用者全てが持つ共有の鍵であけられるロックがかかったドア」程度の安全性しかないものだと認識しておきましょう。無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の暗号化では、「ないよりはまし」程度のセキュリティしか確保できないのです。

スマホアプリの利用は要注意

特に危険性が高いのは、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)化でのスマホアプリの利用。前述の株式会社シマンテックが2017年に行った調査によると、Androidの無料アプリのうち、通信を暗号化していると確認できたのは全体の3割に満たなかったとのこと。つまり残り7割は暗号化されていないか、暗号化されていると確認できないわけです。

スマホのアプリには、IDやパスワードをあらかじめ入力しておくことがほとんどでしょう。そのIDやパスワードが、周りに筒抜けということもありえます。仮にID・パスワードが、ネットショッピングやクレジットカードの管理画面などと一緒であればどうでしょうか。(実際、そういう人が多いでしょう。) 考えるだけでも怖いですね。

またアプリによっては、友達や家族とメッセージをやり取りすることもあるでしょう。それも、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)のもとで使っていれば、悪意のある第三者に全てみられている可能性があるということです。

WiMAXと無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の比較

WiMAXは月間データ通信量無制限で利用できるモバイルWi-Fiサービスの1つ。ここではWiMAXと無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)を比較して、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)のメリット・デメリットを明らかにしていきましょう。

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi) WiMAX
初期費用 0円 3,000円

※プロバイダにより異なる

月額費用 0円 3,400円~4,300円程度

※プロバイダにより異なる

契約期間の縛り なし あり
通信の暗号化
通信速度 数百Kbps~数十Mbps

※アクセスポイントによって

大きな差がある

電波が安定していれば数十Mbpsでるのが普通
使える場所 アクセスポイントが設置してある場所

アクセスポイントが設置してある場所でも、Wi-Fiの電波がとどかなくて使えない場所もある

電波がとどけばどこでも

初期費用・月額費用・契約期間の縛りについて

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は当然ながら料金がかからず、契約期間の縛りもありません。たいしてWiMAXは、だいたいのプロバイダにおいて端末代無料なので初期費用は3,000円、月額費用は3,400円~4,300円程度です。またWiMAXはプランによって2年もしくは3年の契約期間の縛りがあり、仮に契約更新月以外に解約すると1~2万円の違約金(解約金)を支払うことになります。

ユーザーにとっては「無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)この金額を払う価値があるか」が、WiMAXのようなモバイルWi-Fiを契約するか危険性のある無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)を使うかの分かれ目になるでしょう。

通信の暗号化について

前述の通り無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は暗号化されないことが多いばかりか、仮に暗号化されていたとしてもパスワードが共有。その暗号化は悪意のある第三者により簡単に破られてしまいます。

たいしてWiMAXのようなモバイルWi-Fiでは、パスワードはユーザー個別のものが設定されており、公開されることもないのでセキュリティ性が高いといえます。プライベートの利用はもちろん、ビジネスでの利用であればなおのこと、外出先のインターネットでは無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)ではなくWiMAXのようなモバイルWi-Fiの利用の方が安全です。

通信速度について

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は1つのアクセス回線を不特定多数のユーザーが共有して利用することになるので、通信速度はそれほど高速にならないことがほとんど。1Mbps未満のアクセスポイントが数多くあります。

このようにアクセスポイントごと、または利用時間によって大きな差があるのは無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の大きなデメリットといえます。1Mbpsの通信速度になってしまうと、ホームページの閲覧程度は(動作が重いながらも)できますが、それ以外にできないことが多くなり、快適に利用できないユーザーも多いでしょう。

以前東京駅の周辺で公衆無線LAN(有料・無料のWi-Fi)とWiMAXの通信速度を比較したことがありますが、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)の通信速度は数Mbps程度のことがもっとも多いようです。(中には数十Mbpsの通信速度をたたき出すスポットもあります。)

WiMAX2+と公衆無線LAN実測値比較【東京駅周辺】
東京駅周辺でのWiMAX2+と公衆無線LANの通信速度計測結果をまとめて紹介。どちらが速いか屋内や地下ではどの程度の通信速度になるか、サービス選びの際の参考にしてください。

たいしてWiMAXのようなモバイルWi-Fiは、電波がきちんと届いてさえいれば数十Mbpsクラスの通信速度がでることがほとんど。数Mbps程度の通信速度でも困ることは少ないですが、HD画質以上の高画質な動画を鑑賞したり大容量のファイルをダウンロードしたりする際には、常時数十Mbps程度の通信速度があった方が快適でしょう。

使える場所について

これが無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)とWiMAXのようなモバイルWi-Fiとで、大きな差がでるポイントです。無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は、街中にアクセスポイントがたくさんあるとはいえ、裏を返せばアクセスポイントがある場所でしか利用できません。

また、仮にアクセスポイントのある場所でも、建物の構造などによっては、場所によりWi-Fiの電波が届かず利用できないこともあります。たとえば無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)が店舗に設置されている場合に、座る席の場所によってはWi-Fiの電波が届かずインターネット接続できない、ということがありえるのです。

たいしてWiMAXのようなモバイルWi-Fiサービスは、電波さえ届くが場所であればどこでも使えるのがメリット。道端でもバス待ちのベンチでも、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)が設置されていないような古いホテルでも観光地でも使えます。またモバイルWi-Fiでは、専用のルーターを基本的に自分の近くに置くので「Wi-Fiが届かなくてもインターネットにつながらない」といったことはありません。

一方で、地下などモバイルWi-Fiの電波が届きにくい場所では、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)が設置されてあって助かる、なんてこともあります。使える場所の広さ・多さは圧倒的にモバイルWi-Fiの方が有利ですが、必ずしも無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)が劣るわけでもありません。わたしも、WiMAXの電波が届かないような場所で無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)に頼ることがあります。

まとめ

無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)は暗号化されていないことが多い上に、仮に暗号化されていてもパスワードが共有なので安全とは言えず、通信盗聴の危険性が常に伴います。外出先で頻繁にインターネット接続を行うのであれば、WiMAXのようなモバイルWi-Fiを使う方が安全でおすすめです。モバイルWi-Fiであれば、個別のパスワードが利用できセキュリティ的にも安心できます。

また使い勝手でみても、通信速度や使える場所の多さ・広さなど、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)はWiMAXのようなモバイルWi-Fiに大きく劣ります。わたしはWiMAXと無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)を併用していますが、無料Wi-Fi(フリーWi-Fi)を使うのは、基本的に地下などでWiMAXの電波がとどかないときだけにとどめています。また仮に使うとしても、ホームページでちょっと調べものをするぐらいにして、ショッピングなど高いセキュリティが求められる通信は行わないようにしています。