データ通信量を気にせず特定のサービスをたっぷり利用できる、格安SIMのカウントフリーが注目を浴びています。
しかし機能の特長を理解していないと、想定外のデータ通信量が消費されてしまったりかえってお得でなかったりすることも。
ここではカウントフリーの概要や注意点をまとめると共に、月間データ通信量無制限で高速なモバイル通信が使える「WiMAX2+」とのサービス比較を掲載しています。
カウントフリーを採用した格安SIMを契約検討中の方はこの記事をお読みください。
Contents
カウントフリーとは?
モバイル通信の契約では、高速なモバイル通信が利用できるデータ通信量の合計を毎月○GBなどと設定するのが一般的。
たとえば2GBという容量の映画ファイルをインターネットからダウンロードすれば、2GBのデータ通信量を消費することになります。
そして月間20GBまで使えるプランを契約していたのであれば、20GB-2GBでその月は残り18GBまで高速なモバイル通信が使えるわけです。
仮に20GBを消費しきると、通信速度が制限され(速度制限)、ホームページが開くのにも時間がかかる程の低速になってしまいます。
一方カウントフリーとは、特定のサービスを月間データ通信量のカウントの対象外とする機能のことです。
たとえば格安SIMの1つ「LINEモバイル」では、LINEをカウントフリーの対象としています。
そのため、LINEでメッセージ送受信をしたり音声通話をしたりしても、その分は月間データ通信量の合計には入れられません。
データ通信量を気にせず、LINEを好きなだけ利用することができます。
LINEモバイルだけでなく、FREETEL・BIGLOBE・DTI・OCNモバイルONEなどがカウントフリーを採用しています。
それぞれカウントフリーの対象サービスが異なるため、気になる方は確認してみてください
カウントフリーの注意点
カウントフリーはモバイル通信のユーザーにとって、歓迎すべき機能であることは間違いありません。
しかし複数の注意点があり、これらを知っておかないと想定外のデータ通信量が消費されてしまったり、希望した通りサービスが使えなかったりします。
ここではカウントフリーを使う際に注意すべき点をまとめて紹介します。
その通信は本当に対象?【Twitterに埋め込まれた動画は?】
カウントフリーの対象となる通信は、サービス毎に細かく設定されています。
たとえばLINEモバイルやFREETELでは、Twitterがカウントフリーの対象となるプランがあります。
しかしタイムラインの文字を読み進めていく分の通信はカウントフリーの対象ですが、埋め込まれたYouTube動画などは対象ではありません。
そのためカウントフリーの対象と勘違いしてTwitter内のYouTube動画を鑑賞してしまうと、想定外の膨大なデータ通信量が消費されます。
またDTIではYouTube動画がカウントフリーの対象ですが、以下のように厳しい縛りがあります。
- 360p程度の画質(解像度: 640×360)
- スマートフォン1台を対象
360p程度といえば、アナログ画質程度のあらさの残る動画です。
YouTubeではHD画質以上のうつくしい動画も鑑賞できますが、それはDTIのカウントフリーの対象ではありません。
同様のことは、BIGLOBE SIMのエンタメフリー・オプションにも言えます。
DTI SIMのように具体的な動画の画質については触れていませんが、公式サイトには以下のような注意書きがあります。
本サービスにおける動画視聴はスマートフォンを対象としており、タブレット等の大画面での視聴には適しておりません。また、お客さまのご利用機器、電波の状態、回線の混雑状況、ご利用エリアなどにより画質が低下することがあります。
つまり、BIGLOBE SIMのエンタメフリー・オプションでカウントフリーの対象となるのは一定の画質までということです。
高性能のスマートフォンやタブレットなどで、YouTube HD画質以上の動画を鑑賞したりするのを想定したサービスではありません。
そのカウントフリーは本当にお得?
カウントフリーの対象によっては、そもそもたいしたデータ通信量を消費しないものもあります。
たとえばLINEモバイルではLINEがカウントフリーの対象ですが、そもそもテキストのメッセージ送受信や音声通話は、たいしたデータ通信量を消費しません。
テキストのメッセージ送受信は1回のやり取りで約20KB程度のデータ通信量を消費、音声通話は1MB/分程度のデータ通信量を消費します。
テキストメッセージの送受信では約5万回で、音声通話は約1,000分も利用してはじめて、1GBのデータ通信量を消費するのです。
LINEを使って頻繁に長電話をするユーザーや小容量のプランを利用しているユーザーにとっては、それでも十分に意味があるかとは思いますが、LINEの使い方次第などではカウントフリーの恩恵はそれ程受けられないと思ってよいでしょう。
一方LINEのビデオ通話は目安として音声通話の約5倍、5MB/分のデータ通信量を消費します。
またLINEでは様々なファイルを送受信できる機能がありますから、これらを多用すれば大容量なプランを使っているユーザーでも、カウントフリーの恩恵を十分に受けられます。
そのプロバイダの通信速度は大丈夫?
いくらカウントフリーで対象のサービスを思う存分利用できたとしても、通信速度が遅ければ満足に使えません。
その点、カウントフリーを提供する格安SIMは、大手携帯キャリアやWiMAXと比較して通信速度が遅いのが一般的。
WiMAX2+は電波状況がよければ数十Mbps~100Mbps前後の通信速度が期待てきますが、格安SIMは一般的には数Mbpsもしくは1Mbps未満になることも。
格安SIMではランチタイムや夜間などの混雑時間帯に、通信速度が極端に遅くなることもあります。
決められたデータ通信量を使い切ったらカウントフリー対象も遅い
カウントフリーは、あくまで対象のサービスをデータ通信量のカウントの対象としない、という機能です。
「高速な通信速度でどれだけでも使える」ことを約束しているわけではありません。
つまりカウントフリーの対象でないサービスの利用で、契約したデータ通信量の総計に達した場合、カウントフリー対象のサービスも速度制限の対象になるわけです。
カウントフリー付きの格安SIMを契約していても、データ通信量を気にしてモバイル通信を利用しなければなりません。
WiMAX2+とカウントフリーの比較
WiMAX2+は月間データ通信量無制限で、高速なモバイル通信を利用できるサービスです。
カウントフリー付きの格安SIMを検討している場合は、あわせて検討したいモバイル通信といえます。
以下まずはカウントフリーとWiMAX2+の違いを、簡単な比較表でまとめます。
ストレスなく高速モバイルを楽しむならWiMAX2+が断然おすすめ
カウントフリー付きの格安SIMサービスと比較すると、WiMAX2+は通信速度が高速である可能性が高いことに加え、データ通信量の消費を気にしなくてよい通信の種類は限定されません。
「AはよいがBはダメ」といったカウントフリーならではのルールもないので、そこに気を使わなくてよいのでストレスもたまらないでしょう。
データ通信量から解放されて高速なモバイル通信をがんがん利用したいならWiMAX2+がおすすめです。
多少の我慢と注意が必要だが安く使いたいならカウントフリー
カウントフリーの対象となるサービスは限られている上、そのサービスを利用していても、たとえば「○p以上の画質の動画は対象外」など細かな決まりがあるのが難点。
しかしWiMAX2+と比較して料金が安いのも事実です。
たとえば、「スマートフォンで標準画質程度の動画をたっぷり楽しみたい」など、カウントフリーの条件にあうならえらんでもよいでしょう。
まとめ
カウントフリーを採用する格安SIMは、安価に特定の通信が利用できてお得です。
しかし同じサービスの中でも、条件にあわなければカウントフリーの対象にならないなど注意点も多くあります。
それら注意点が気にならないならおすすめできますが、サービスの種類や条件に限定されず思いっきりモバイル通信を楽しみたいなら、WiMAX2+をえらんだほうがよいでしょう。
ハイビジョン画質のうつくしい動画でもたっぷり鑑賞できるなど、メリットが多いです。