月間や3日間のデータ通信量による速度制限がないFuji WiFiが注目されいます。ここではFuji WiFiに本当に速度制限がないかを解説。また同じく月間データ通信量無制限で知られるポケットWiFiサービス「WiMAX」と比較し、どんなときにどちらをえらぶとよいかも紹介しています。
Contents
FUJI WiFiとは?WiMAXとは?
FUJI WiFiはポケットWiFi用ルーターのレンタルサービスです。月間データ通信量について、無制限(4G/LTEいつも快適プラン)と最大100GBまでのプランを用意しています。
たいするWiMAXもまた、月間データ通信量無制限(ギガ放題プラン)・月間7GB(通常プラン)があります。FUJI WiFiと異なり、ほとんどのプロバイダがWi-Fiルーターを売り切っており、解約時に返却の必要がありません。※一部レンタルプランもあり
FUJI WiFiとWiMAXの徹底比較表
ここでは、よく比較対象にされるFUJI WiFiとWiMAXを徹底比較します。なおWiMAXは、20以上のプロバイダにより運営されていますが、ここでは月額最安級のBroad WiMAXをえらんだ場合で比較しています。
●FUJI WiFiとWiMAXの比較【月間データ通信量無制限プラン】
FUJI WiFi | WiMAX | |
初期費用 | 端末代:0円
事務手数料:2,000円 — 合計:2,000円 |
端末代:0円
事務手数料:3,300円 — 合計:3,300円 |
月額費用 | 6,000円 | 1-2ヵ月目:2,726円
3-24ヵ月目:3,411円 25ヵ月目以降:4,011円 |
えらべる端末 | モバイルWi-Fiルーターのみ | モバイルWi-Fiルーター及びホームルーターから複数えらべる |
通信速度 | ○ | ◎ |
月間データ通信量 | 無制限 | 無制限 |
速度制限 | 制限の詳細は明示されていない | 3日間10GBの速度制限あり |
使えるまでの期間 | 最短で2~3日 | 最短翌日 |
違約金について | なし | 2年(3年)に一度の契約更新月以外に解約した場合は最大19,000円の違約金あり |
本人確認書類の提出 | 必要 | クレジットカード払いならなし |
問い合わせ窓口 | メールのみ | メールor電話 |
●FUJI WiFiとWiMAXの月間データ通信量制限ありプランの月額料金比較
※月額料金以外は上記比較表と同じです。
FUJI WiFi | WiMAX | |
月額料金 | 月間100GB:3,800円
月間50GB:3,100円 月間25GB:2,500円 月間10GB:2,300円 |
月間7GB:
1~24ヵ月目:2,726円 25ヵ月目以降:3,326円 |
月間データ通信量無制限プランはWiMAXの方がはるかに安価
初期費用はFuji WiFiの方が1,000円だけですが安いものの、月額料金で比較するとWiMAXの方が約2,000円(2年以内ならさらに安価)も安くなります。価格で比較するのであれば、WiMAXをえらんだ方がよいでしょう。
月間データ通信量の上限ありプランではFuji WiFiの方が安い
ただ月間データ通信量無制限以外のプランでは、WiMAXよりFuji WiFiの方がご覧の通り安いです。WiMAXの月間7GBとほぼ同料金で、Fuji WiFiでは月間25~50GB利用できます。
FUJI WiFiは違約金(解約金)がない
一方でFUJI WiFiでは、違約金(解約金)がありません。そのため数ヵ月程度の短期契約であれば、WiMAXよりFUJI WiFiの方が安くすみます。一般的には、1度ポケットWiFiの契約をすれば、頻繁に切り替えることは少ないですが、中には単身赴任などで数ヵ月間しか利用しない、といったユーザーもいるでしょう。
FUJI WiFiは問い合わせ窓口がメールのみ
Fuji WiFiには何か問題が発生した際や事務手続きが必要になった際の、問い合わせ窓口がメールしかありません。たいしてWiMAXは大多数のプロバイダが電話の窓口も用意。そのため「トラブルが起きても自分で解決できるから、サポートが必要ない!」という上級者以外には、FUJI WiFiはすすめにくいですね。
Fuji WiFiはルーターの選択肢がない上に機種がふるい
Fuji WiFiでえらべる端末は種類が各プランで1つずつのみ。しかも最新の機種ではないようです。たとえば2018年3月時点で、FUJI WiFiの無制限プラン(4G/LTEいつも快適プラン)でえらべるのは外出用のモバイルWi-Fiで最大下り150Mbpsのもののみ。
たいするWiMAXは下り最大500Mbps超のルーターがあります。また自宅で利用するのであれば、モバイルWi-Fiルーターよりサイズが大きい代わりに大型のアンテナを搭載、より通信品質が高いホームルータータイプをえらぶことも可能。ホームルータータイプは、モバイルWi-Fiルーターの数倍程度の通信速度で利用できることも多く、自宅でしか利用しない場合は適しています。
FUJI WiFiは本当に速度制限がない?
FUJI WiFiとWiMAXを比較するにあたって、もっともよく言われるのは速度制限の有無でしょう。WiMAXには月間データ通信量無制限のギガ放題プランをえらんだ場合でも、回線の混雑を防ぐ目的で以下の速度制限のルールが適用されます。
速度制限の条件 | 3日間で10GBのデータ通信量を消費すること |
速度制限が実施される期間 | 3日間で10GBのデータ通信量を消費した日の
翌日18時頃から翌々日の2時頃まで |
速度制限時の通信速度 | 概ね1Mbps
※YouTube標準画質動画が鑑賞できる程度 |
FUJI WiMAXも月間データ通信量無制限ですが、上記のような速度制限のルールはありません。ただし結論から先に言うと、FUJI WiFiにも速度制限がないわけではないので、注意が必要です。
FUJI WiFiの速度制限の内容は?
FUJI WiFiの月間データ通信量無制限プラン「4G/LTEいつも快適プラン」では、2017年7月に規制強化が行なわれる旨の告知がありました。以下、公式サイトの告知分を一部引用します。
「4G/LTEいつも快適プラン」の月間データ使用量につきまして、回線元からの指導があり
通信品質及びネットワーク利用の公平性を保ち、できる限り多くのお客様の利便性を高めるため従来より規制の強化が行われるとのことです。
※回線元の判断により異常な通信量のヘビーユーザーとみなされた場合、速度制限が発生いたします。
「4G/LTEいつも快適プラン」につきまして | FUJI Wifi @ biz
実際ユーザーの評判や口コミをみると、個人差はあるものの、月間100GBのデータ通信量を消費してしばらくたってから速度制限に抵触するケースが多いようです。速度制限が実施されると下り最大128Kbpsの通信となり、動画の視聴がほとんどできないことはおろか、ホームページの閲覧にも時間がかかって支障をきたすでしょう。
FUJI WiFiでは代替え機の配送が可能
FUJI WiFiの月間データ通信量無制限プラン「4G/LTEいつも快適プラン」で速度制限に抵触した場合、以下ルールで代替え機の請求を行うことができます。
代替機の請求が行なえる日付 | 毎月19日(次回支払日より起算して7日前)から |
請求の方法 | まず手元の端末を指定のセンターへ送付。着荷が確認でき次第、Fuji WiFiから代替機を配送 |
料金について | 代替機の送料・返送料はユーザー負担。
※それ以外に手数料は発生しない |
仮に速度制限に抵触しても、こういったルールがあるのは助かりますね。ただし、18日までに速度制限に抵触した場合、請求できるまで待たなければなりません。またFuji WiFiが代替機を送ってくれるのは、手元の端末の着荷次第なので、代替機が届くまで数日間は下り最大128Kbpsの通信が強いられることになります。また送料・返送料は地域により異なりますが、1,500円~2,000円程度は必要です。
WiMAXの3日間10GB速度制限との比較
消費するデータ通信量にもよりますが、先に結論からいうとWiMAXの速度制限の方が多くの人にとっては付き合いやすいかと思われます。代替機の配送があるとはいえ、Fuji WiFiでは、1度速度制限に抵触すると数日間は下り最大128Kbpsの通信で我慢しなければなりません。繰り返すようにこの通信速度では、ホームページさえ表示に時間がかかり、とても快適には使えないでしょう。
一方のWiMAXは、3日間のデータ通信量が10GBを切れば速度制限に抵触するのは、翌日18時頃~翌々日2時頃までの約8時間のみ。また万が一速度制限に抵触しても概ね1Mbpsの通信速度で利用できるので、YouTube標準画質程度の動画は鑑賞できますし、だいたいのホームページはさくさく表示されます。
さらにいうと、朝~夕方までは速度制限の対象外なので、「夜は家の固定回線を利用し、ポケットWiFiを使うのは会社や学校に行ってから帰るまで」といったユーザーはあまり影響がないでしょう。このようにWiMAXの速度制限の方がはるかにゆるやかです。
WiMAXとFuji WiFiそれぞれ速度制限に抵触せず使える通信量は?
まずWiMAXについて、3日間で10GBですから単純計算で1日当たり3.3GB、1ヵ月あたり約100GBのデータ通信量まで消費しても速度制限に抵触しないことになります。たいするFuji WiFiは、上述したようにユーザーの声を聞く限り月間100GBを超えるあたりから、速度制限に抵触するユーザーが増えるようです。
これだけみると、Fuji WiFiの方がたっぷり使えるようにみえますが、この制限については一定していないようで、ユーザー数の増加などでこれからどんどんきびしくなる可能性も否定できません。あらかじめ具体的な数値で、目安をつけやすいという意味ではWiMAXの方が扱いやすいでしょう。
さらにいうと、これも上述の通り、仮にWiMAXで3日間10GBの速度制限に抵触しても朝~夕方は無関係。この時間帯は「速度制限に関係なくいくらでも利用できる」ということもできます。
WiMAXはこんな人におすすめ
3日間10GBの速度制限があるとはいえ、速度制限のルールが明確でゆるやかなWiMAXの方が幅広いユーザーにおすすめできます。Fuji WiFiより月額料金が安価なのも魅力。またFuji WiFiと異なり、電話での問い合わせ窓口を用意しており、何か問題があった際の速やかな回答が期待できるため、おすすめしやすいです。
FUJI WiFiはこんな人におすすめ
FUJI WiFiの大きな魅力は、解約時の違約金(解約金)が発生しないこと。そのため数ヵ月程度の短期利用であれば、WiMAXよりお得につかえて便利でしょう。ただし、仮に短期での利用だとしても以下のいずれかの場合は、WiMAXをえらぶことをおすすめします。
- 自宅でのみの利用であること ※WiMAXならホームルーターが利用可
- 速度制限にできるだけ抵触したくない ※WiMAXの方が速度制限のルールが明確で安心して使える
●公式サイト
【FUJIWifi】
まとめ
Fuji WiFiには、詳細が明示されていない速度制限のルールがあり、今後そのルールがきびしくなる可能性があります。○年縛りによる違約金(解約金)がなく、フットワーク軽く使えるメリットがあるので短期利用の場合は便利ですが、長期的に利用する予定がある場合はWiMAXがおすすめ。WiMAXの方が料金は安い上に、ルーターの選択肢が多い、電話サポートがあるなどえらぶメリットが多いです。