WiMAXのグローバルIPアドレスオプションで何ができるかや、料金・設定方法について解説しています。WiMAXの接続において、グローバルIPアドレスの利用が必要な際は、このオプション利用を検討することになります。
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グローバルIPアドレスが利用できるようになるオプションのこと
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションとは、その言葉の通りで、ズバリWiMAXでグローバルIPアドレスが利用できるようになる有料オプション(96円/月)のことです。ホームページの閲覧やLINEの利用、動画の視聴などなど、一般的な利用シーンでは特に必要ありません。インターネット接続の際に、どうしてもグローバルIPアドレスが必要になったときのみ利用します。
WiMAXにはプライベートIPアドレスが割り振られる
ここで読者の方の中には「インターネット接続できている時点で、WiMAXにはグローバルIPアドレスが割り振られているんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際にWiMAXで提供されるWi-Fiルーターに対して設定されるのは、グローバルIPアドレスではなくプライベートIPアドレスです。
技術的な説明をすると、WiMAX設備の中でNAPT変換が行なわれて、ユーザー向けのWi-FiルーターにプライベートIPアドレスが割り振られているわけです。言い換えると、WiMAXでは1つのグローバルIPアドレスを複数のユーザーで共有しています。
WiMAXでは、世界的にグローバルIPアドレスが足りていない状況を鑑みて、2015年3月よりユーザーのWi-FiルーターにプライベートIPアドレスを割り振るよう仕様変更しました。1つのグローバルIPアドレスを複数人で共有することにより、グローバルIPアドレスの必要数を節約しているわけです。
グローバルIPアドレスオプションを契約することで経路がかわる
グローバルIPアドレスオプションを利用すると、ユーザーのWi-Fiルーターがインターネットへ接続するまでの経路が変わります。WiMAX設備内のNAPTを行う設備を回避し、インターネットへ接続できるようになるわけです。
WiMAXでグローバルIPアドレスが必要となる理由
前述の通り、ホームページの閲覧やLINEの利用、動画の視聴といった一般的な利用シーンでグローバルIPアドレスが必要になることはほとんどありません。しかし以下に当てはまるケースではグローバルIPアドレスが必要になることがあります。
- 一部のオンラインゲーム
- 一部のWebカメラ
- VPNによるセキュアなネットワーク接続※接続の方式による
- インターネット側からアクセスされるサーバーの公開
- その他プライベートIPアドレスに未対応のアプリや機器の利用
とはいえオンラインゲームやWebカメラなどでも、いろいろな環境に適合して使えるようになっていますし、たいていのVPN接続ならグローバルIPアドレスは不要でしょう。WiMAXを使ってサーバー公開をする方というのも、あまりいないと想定されます。
固定IPアドレスが利用できるオプションではない
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションで、よく誤って認識されるのはこの点です。提供されるのは動的なグローバルIPアドレスであり、切断・接続を繰り返すことで割り振りが変わり変更される可能性があります。固定IPアドレスとして、継続的に同じグローバルIPアドレスが使えることを約束されたものではありません。
くわしくは後述しますが、WiMAXで固定IPアドレスを利用するためには他の方法の利用が必要です。
グローバルIPアドレスオプションの利用方法は?
そもそもプロバイダがグローバルIPアドレスオプションに対応しているか?
残念ながら全てのプロバイダがグローバルIPアドレスオプションに対応しているわけではないようです。当サイトでは、UQ WiMAXやとくとくBB、Broad WiMAX、So-net モバイルWiMAX2+といった当サイトおすすめのプロバイダが対応していることは確認しています。
ちなみにプロバイダによってはグローバルIPアドレスについて公式サイトに掲載しておらず、対応していないこともあります。仮に公式サイトに掲載がなくても、サポートセンターへ直接依頼することにより、オプションが特別に利用できることもあるよう。必要な方は試してみる価値があるでしょう。
対応さえしていれば設定は簡単
グローバルIPアドレスオプションの利用にあたり、プロバイダへ申し込み手続きする必要はありません。PCなどでルーターの設定画面へログインして、グローバルIPアドレスオプション用のAPNという設定セットを作成し適用するだけです。UQコミュニケーションズの以下ホームページに具体的な方法の解説が掲載されているのでご覧ください。
グローバルIPアドレスオプション(WiMAX 2+用)|【公式】UQ WiMAX
【参考】ファーウェイ製(W05・W04・W03など)端末を利用する場合の設定方法
以下、ファーウェイ製(W05・W04・W03など)の端末を使う場合の方法を簡単に紹介します。
- PCをWiMAXに接続
- ブラウザを起動しURL欄に「http://192.168.100.1」と入力
- 設定画面が起動する。ログインを行う。(ユーザー名はadmin。パスワードはデフォルトではWiMAX端末のIMEI番号の下5ケタ)
- 「設定」→「プロファイル設定」へ遷移
- 「新規」をクリックしプロファイルを作成し保存。(※設定値は以下に記載します。)
これで、自動的にグローバルIPアドレスが利用できるようになり、96円/月のオプション料金が発生します。オプション料金に日割りはありません。ちなみにグローバルIPアドレスオプションを使わない設定に戻すためには、Wi-Fiルーターの液晶画面から「設定」→「プロファイル選択」で、もともとあった「Internet」というプロファイルを選択するだけです。
■設定値
プロファイル名 | 任意※Globalなど |
APN(接続先情報) | wx2.uqwimax.jp |
ユーザー名 | global@wx2.uqwimax.jp |
パスワード | 0000 (ゼロ4つ) |
認証タイプ | CHAP |
IPタイプ | IPv4 |
WiMAXで固定IPアドレスを利用する方法2つ
ご説明した通り、グローバルIPアドレスオプションを利用しても、継続して同じアドレスとなるいわゆる「固定IPアドレス」が利用できるわけではありません。そのためどうしてもWiMAXで固定IPアドレスが必要な場合には、以下2つのいずれかの方法をえらぶことになります。
アサヒネットWiMAXを契約する
アサヒネットWiMAXは、WiMAXプロバイダの中で唯一、固定IPアドレスに対応したプロバイダです。法人利用が多いと想定されるプロバイダですが、もちろん個人契約もできます。
アサヒネットWiMAXのコース料金、固定IPアドレスのオプション料金は以下の通りです。
ギガ放題プラン
※月間データ通信量無制限 |
4,290円/月 |
定額プラン(通常プラン)
※月間データ通信量7GB |
3,610円/月 |
固定IPアドレスオプション | 800円/月 |
InterLinkのマイIP・マイIP ソフトイーサ版を利用する
InterLinkのマイIP・マイIP ソフトイーサ版は、どのプロバイダのWiMAXを契約していても、固定IPアドレスが利用できるようになるサービスです。技術的な点を簡単に説明すると、InterLink社のサーバーへVPN接続することにより、こちらのサーバー経由でグローバルIPアドレスが利用できるようになります。月額料金は1,296円とアサヒネットWiMAXの固定IPアドレスオプションより若干高くなっています。
なおWiMAX以外のサーバーを経由した接続となり、通信速度や体感速度はWiMAX単体で利用するより落ちる可能性があるので注意しましょう。「固定IPアドレスが必要なときだけマイIP・マイIP ソフトイーサ版を利用し、そうでないときは使わない。」といった方法は可能です。
InterLinkのマイIP・マイIP ソフトイーサ版公式サイト
まとめ
WiMAXのグローバルIPアドレスオプションは、動的なグローバルIPアドレスが利用できるオプションであって、固定IPアドレスが利用できるわけではないので注意しましょう。グローバルIPアドレスオプションは、対応のプロバイダでしか利用できませんが、申込の必要はなく設定は簡単。料金は96円/月ですみます。
なおWiMAXで静的なグローバルIPアドレス(固定IPアドレス)が必要な場合、唯一対応しているのはアサヒネットWiMAXのみです。他プロバイダの契約で固定IPアドレスが必要な場合には、Interlink社のマイIP・マイIP ソフトイーサ版を利用します。