通信速度○Kbps・○Mbpsで何ができるかの目安 – WiMAXに何Mbpsを期待する?

モバイル通信のどのくらいの通信速度で何ができるか、WiMAXなどのモバイル通信はどの程度の通信速度があるとよいかを、事例を交えて徹底解説。通信速度はもちろん速ければ速いほどよいですが、非常に速くても「宝の持ち腐れ」になっているケースもあります。

通信速度の目安を知っておくことで、モバイル通信のサービスをえらびやすくなりますし、通信速度を気にしてストレスをためることも少なくなるでしょう。

Contents

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例にとる200Kbps/1Mbps/5Mbps/10Mbps/20Mbpsとは?

今回比較する通信速度は以下の通りです。

●200Kbps
格安SIMのモバイル通信で速度制限に抵触した際は、多くのプロバイダで通信速度が最大200Kbpsとなります。

●1Mbps
WiMAXの「3日間10GBの速度制限」に抵触した際は、通信速度が概ね1Mbpsとなります。

●5Mbps
WiMAXであまり電波環境がよくない際、格安SIMなどのLTE回線で多少回線が混雑していた際は数Mbps程度の比較的低速な通信になります。

●10Mbps
比較的高速な通信速度の例として10Mbpsを例にとりました。

●20Mbps
WiMAX・LTE共に電波状況がよければ数十Mbps程度の高速な通信速度が確保できます。ここでは、その例として20Mbpsを例にとりました。

PC(パソコン)とスマホで必要な通信速度の目安に違いはある

たとえばPC(パソコン)用・スマートフォン用のホームページを比較した場合、PC(パソコン)用のホームぺージの方が容量が重いです。またPCの方が重いファイルをダウンロードする機会は多い筈です。そのため、より高速な通信速度が必要になるのはPCです。

ただし、このページでは、そのどちらも当てはまる参考の目安として記載しています。もちろん全てこの通りになるわけではありませんが、目安として(PCだと上振れしやすくスマホだとこれより小さいなど)とらえていただければと思います。

【通信速度目安】LINEの利用(テキスト送受信・音声通話)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

まずLINEのテキスト送受信では、発生するデータ通信量がごくごく微量(1回の送受信で20KB程度/300文字)なので、200Kbps未満でも問題なく利用可能です。次に音声通話に関しても、100Kbps以下の帯域しか使っていないという検証結果があり(※)、200Kbps以下でも利用に支障はありません。

LINEやTwitterは200Kbpsでも快適?――IIJ佐々木氏が通信品質のこだわりを語る

個人的に200Kbps以下でLINEの音声通話を使ったこともありますが、特に問題は感じなかったですね。いつもと同様、クリアに相手の声が聞こえて会話もスムーズにできました。

【通信速度目安】メール送受信(添付なし)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

添付ファイルをつけないメールであれば、データ通信量は数十KB程度で収まる(もしくはそれ以下も)ことがほとんどです。どんなに長文でも100KBを超えることはごく稀です。そのため200Kbpsの通信速度でも快適に利用できます。

【通信速度目安】SNSの利用/通信速度目安

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

TwitterやFaceBookなどのSNSに関しては、通常は文字情報と簡単な写真の送受信しか行われないため、発生するデータ通信量は微量。たとえばFacebookでは1フィードで数十KBしか使用しないため、200Kbps以下の通信速度でも問題なく利用可能です。

ただし、SNSに高画質な画像などがアップされていた場合は、低速な通信速度では読み込みに時間がかかるので注意しましょう。いまどき2~3MB程度の容量の画像がアップされることもざらですが、3MBの画像をインターネットから読み込むのに、1Mbpsの通信速度でも24秒かかる計算。(5Mbpsなら5秒以下) 200Kbpsの通信速度では、3MBのファイルを読み込むのに2分以上かかる計算なのでとても待っていられないでしょう。

さらに注意すべきなのはSNS埋め込まれた動画やライブ配信を鑑賞する場合です。200Kbpsでは相当画質の低い画質しか鑑賞できません。

1Mbpsではスマートフォンなどの小さな画面で鑑賞にたえる程度の画質なら問題ないと考えらますが、ハイビジョン画質など、画質がよくなると頻繁に再生がとまったりそもそも再生できなかったりする可能性が高いです。そのためある程度の品質の画質や動画も含めて快適にSNSを楽しみたい場合には5Mbps以上は欲しいところです。

【通信速度目安】ホームページ閲覧

●文字情報メインのホームページ(200KB)

(それぞれ完全にダウンロードが完了するまでの時間を表示)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

※約8秒

※約1.6秒

※約0.3秒

※約0.2秒

※約0.1秒

●高画質な画像がたくさん掲載されたホームページ(2MB)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

※約1分20秒

※約8秒

※約3.2秒

※約1.6秒

※約0.8秒

●画質の高いFLASH動画などが掲載された大容量のホームページ(5MB)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

※約3分30秒

※約40秒

※約8秒

※約4秒

※約2秒

ホームページを閲覧する際は、そのページがどのようなデータを掲載しているかで、読み込みまでにかかる時間に大きな差が生じることになります。たとえばテキスト中心の容量が軽いホームページであれば、200Kbpsの低速な通信速度でも(多少もたつくものの)読めないことはありません。

インターネットでは、このぐらいの容量のページがもっとも多い印象です。ただし画像が多く掲載されたページなどは、ページが開くのに時間がかかり過ぎストレスになるでしょう。

FLASH動画などが掲載された一部のアーティスティックなホームページなどは、1Mbpsの通信速度があっても全て表示されるのに時間がかかります。こういったページも快適に参照するためには、少なくとも5Mbps~10Mbpsの通信速度がほしいところです。

【通信速度目安】ビデオ通話(Skype)

●低画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

●高画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

●HD画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

●グループ ビデオ通話(3人)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

●グループ ビデオ通話(5人)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
× ×

ビデオ通話は音声通話と比較して高速な通信速度を必要とします。ビデオ通話機能でよく知られたSkypeでは、各画質の推奨速度が以下の通りとなっています。

・低画質:(最低限)128Kbps・(推奨)300Kbps
・高画質:(最低限)400Kbps・(推奨)500Kbps
・HD画質:(最低限)1.2Mbps・(推奨)1.5Mbps
・グループ ビデオ通話(3人) :(最低限)512Kbps・(推奨)2Mbps
・グループ ビデオ通話(5人) :(最低限)2Mbps・(推奨)4Mbps

200Kbpsでも低い画質なら利用できる可能性がありますが、ある程度画質を気にするのであれば、この選択肢なら1Mbpsは欲しいところです。HD画質やグループ通話を利用するなら、この選択肢では5Mbps以上が必要となります。

【通信速度目安】動画鑑賞(YouTube)

●低画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

●標準画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

●HD画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
× ×

●4K画質

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
× × × × ○※

※推奨は25Mbps以上

YouTubeの動画は、200Kbpsでも鑑賞できないことはありませんが、画質はかなり低くなります。1Mbpsあれば標準画質(アナログ画質)の動画の鑑賞が可能なので、スマートフォンなどの小さな画面なら、それほど画像の粗さが気になることはないでしょう。

大画面のスマートフォンやタブレット、ノートPCなどできれいな動画を鑑賞する際は、HD画質はほしいところ。その場合、5MbpsあればHD画質でも快適に鑑賞できます。

最後の4K画質ですが必要な通信速度が一気に高速となり、推奨速度は25Mbps以上です。光回線などの固定回線ならこれを超える通信速度を確保できることが多いと想定されますが、モバイル通信ではある程度品質のよい回線・環境でないとこの通信速度は確保できないでしょう。ちなみにわたしはWiMAX2+ユーザーですが、WiMAX2+の回線でこの画質の動画を鑑賞できています。

【通信速度目安】大容量ファイルのダウンロード

●3MB(Officeファイル・スマホで撮影した写真1枚など)
(それぞれ完全にダウンロードが完了するまでの時間を表示)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

※約2分

※約24秒

※約5秒

※約2.5秒

※約1.2秒

●10MB(大容量のパワーポイントファイル・スマホで撮影した写真複数枚など)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

※約7分

※約1分20秒

※約16秒

※約8秒

※約4秒

●50MB(アプリのダウンロードなど)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

※約34分

※約6分40秒

※約1分20秒

※約40秒

※約20秒

●100MB(アーティストのMVなど短い時間の動画など)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps

※約70分

※約13分20秒

※約2分40秒

※約1分20秒

※約40秒

●2GB(映画<約2時間>の動画ファイルなど)

200Kbps 1Mbps 5Mbps 10Mbps 20Mbps
×

※約23時間

×

※約4.5時間

※約55分

※約27分

※約14分

ご覧の通り、大容量ファイルのダウンロードでは、通信速度による差が如実にあらわれます。200Kbpsという低速では50MBほどのファイルでも30分以上時間がかかりますが、5Mbpsなら1分超で完了します。

人によって感じ方が違うと思いますが、50MBや100MBのファイル程度であれば1~3分でダウンロードを完了できる5Mbpsは欲しいところではないでしょうか。映画1作分ほどの約2時間の動画ファイルのような、2GBを超える大容量ファイルをダウンロードする機会は少ないと想定されますが、このぐらいの容量であると、通信速度は速ければ速いだけよいですね。

まとめ(結局何Mbps程度でれば快適か)

人によってモバイル通信の使い道は異なるので一概には言えませんが、WiMAXのようなモバイル通信であれば、HD動画の鑑賞も可能な5Mbps~10Mbps程度の通信速度があれば、だいたい快適に使えるのではないでしょうか。この程度の通信速度なら、高画質なFLASH動画などが掲載されたホームページも比較的早く参照できますし、100MBクラスの大容量ファイルのダウンロードもそれほど時間がかかりません。

ちなみにわたしはWiMAXを利用していますが、電波状況が悪くなれば数十Mbps超の通信速度で利用できており、4K動画の鑑賞も可能です。ある程度電波環境が悪くなっても10Mbpsを下ることは少ないです。

なおWiMAXでは3日間10GBの速度制限に抵触すると、通信速度が概ね1Mbpsに約8時間しぼられることになります。ただし、1MbpsならYouTube標準画質の動画の鑑賞も可能ですし、画像の多いページも快適に鑑賞可能。それほど不便に感じることはないでしょう。

そういった意味で、WiMAXは速度制限がゆるく快適に使えるモバイル通信のサービスといえます。