楽天スーパーホーダイとWiMAXの比較!WiMAXを脅かす存在になりうるか?

データ通信が「使い放題」の楽天スーパー放題には、どんなメリットや注意点があるかを紹介。また以前から月間データ通信量無制限で高速なモバイル通信が使えていたWiMAXには、楽天スーパー放題と比較してどんなメリットがあるのかを徹底解説しています。最後に楽天スーパー放題とWiMAXを併用するメリットについても触れています。

Contents

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WiMAXとは

月額約3,400円~4,400円(プロバイダにより異なる)という低価格で、高速なモバイル通信が月間データ通信量無制限となるサービス。キャンペーンによってほとんどのプロバイダがWi-Fiルーターを無料提供しており、契約時の費用が事務手数料3,000円に抑えられるのも魅力です。

楽天スーパー放題の概要

楽天スーパー放題とは、以下2つがセットになった格安SIMサービス。

・契約した月間データ通信量を使い切っても通信速度は最大1Mbpsに
※通常は最大200Kbpsに落ちる
・1回5分の通話がかけ放題

「放題」というキーワードをみると、一見、無制限で高速なモバイル通信が使えるようにみえてしまいますが、実際はそうではありません。3つのプランがあり、各プランで割り当てられる月間データ通信量に関しては、通常通り高速なモバイル通信を使うことが可能。

しかしそれを使い切ったときには、月末まで通信速度が最大1Mbpsに制限されます。これは実質的な速度制限といえますが、他のプランが速度制限時に最大200Kbpsと低速になるのと比較すると、最大1Mbpsでは使い勝手が大きく違います。

最大200Kbps・最大1Mbps・高速通信の使い勝手を比較してみる

目安として最大200Kbps・最大1Mbps・高速通信でインターネットの通信にどんな違いがでるかまとめた表が以下です。

最大200Kbps

通信時

最大1Mbps

通信時

高速通信時

10Mbpsとして計算

LINEメッセージ

送受信

快適に使える

快適に使える

快適に使える

LINE音声通話

快適に使えるがノイズ等の可能性も

快適に使える

快適に使える

ホームページ閲覧

※テキスト中心

参照できるが、時間がかかる

例:

200KBのページを開くのに8秒以上

ほぼ快適に使える

例:

200KBのページを開くのに1.6秒以上

快適に使える

例:

200KBのページを開くのに約0.2秒

ホームページ閲覧

※高画質な画像や動画の多いページ

×

参照できるまでかなり長く待たされる

例:

5MBのページを開くのに3分以上

参照できるが長く待たされる

例:

5MBのページを開くのに40秒以上

快適に使える

例:

5MBのページを開くのに約4秒

YouTube動画 ×

ほぼ鑑賞は難しい

標準画質の動画なら鑑賞できる

※途切れる可能性もあり

HD画質の動画でも快適に鑑賞可能

アプリや重いファイルのダウンロード ×

ファイルの容量によっては現実的ではない。

例:

50MBのファイルをダウンロードするのに34分以上

可能だが、長い時間がかかる

例:

50MBのファイルをダウンロードするのに6.5分以上

それ程長い時間がかからずダウンロード可能

例:

50MBのファイルをダウンロードするのに約40秒

いかがでしょうか。

こうして表にすると、最大200Kbps・最大1Mbps・高速通信(10Mbpsとして)の差は分かりやすいと思います。最大1Mbpsでは、表に記載した通りテキスト中心のホームページ参照やYouTube標準画質の動画までは快適ですが、高画質な画像や動画の多いホームページの閲覧、YouTube HD画質動画以上の鑑賞は難しくなってきます。

スマートフォンの小さな画面では、標準画質の動画でもそれ程粗さを感じずに鑑賞できるでしょう。ただし、大きな画面のiPhone、タブレットなどではスペック的にHD画質の動画も鑑賞できるため、物足りなく感じると思われます。

そして最も大きな差が生じるのが、当たり前ですがアプリや重いファイルのダウンロード。今回のシミュレーションでも大きな差が生じています。アプリの中には、数百MBを超えるものも。そういった超重量級のファイルをダウンロードする際は、各段に差がひらくことになります。

最大1Mbpsって結局使えるの?

上で比較したように、最大1Mbpsであるとできないことも増えてきます。とはいえ、ちょっとホームページで簡単な情報検索をしたり、動画をみて時間を潰したりするくらいなら問題ないでしょう。また、たいていのオンラインゲームはこの程度の通信速度があれば、ほぼ快適に遊べます。

楽天スーパー放題の3つのプラン概要

それでは、楽天スーパー放題にはどのようなプランがあるのでしょうか。以下、3つのプランの概要をまとめて紹介します。

プラン名 プランS プランM プランL
月額料金(※注1) 1,980円(1年目)

※ダイヤモンド会員割適用で1,480円

※2年目以降は2,980円

2,980円(1年目)

※ダイヤモンド会員割適用で2,480円

※2年目以降は3,980円

4,980円(1年目)

※ダイヤモンド会員割適用で4,480円

※2年目以降は5,980円

データ通信量

※高速通信が可能な容量

2GB/月 6GB/月 14GB/月
通話について 1回5分以内の国内通話がかけ放題

※注1)
楽天会員の場合の料金。楽天会員でない場合は、1年目から楽天会員2年目以降の料金が適用されます。

たとえば格安SIMとしては安価ではないOCNモバイルONEでも、月間3GBの通信+1回10分間の通話し放題で月額2,650円で使えますから、楽天スーパー放題の料金が特別安いとはいえないでしょう。ただし高速通信を使い切っても最大1Mbpsという比較的速い通信速度で使えるのは大きいです。(OCNモバイルONEは最大200Kbps)

必ずしも最大1Mbpsで使えるわけではない

これは楽天スーパー放題の大きな落とし穴ですが、契約したデータ通信量の消費時に必ず最大1Mbpsで使えるわけではない点は注意が必要です。公式サイトに注意として記載されていますが、通信が混み合う時間帯(12:00~13:00、18:00~19:00)は最大300Kbpsに落ちてしまいます。

混雑時間帯に通信速度が極端に遅くなることは、以前から格安SIMで取り沙汰されている問題であり、楽天スーパー放題にはその解消を期待するユーザーも多いと思われますが、残念ながらこのプランでもその期待にそうことはできません。逆に他の格安SIMと異なり「混雑する時間は通信速度が落ちます」と公言しているところが違いとはいえるでしょうか。

WiMAXと楽天スーパー放題の比較

WiMAXはデータ通信専用のサービス、楽天スーパー放題は080/090番号の音声通話も可能なサービスなので、一概に比較できるものではありませんが、ここではあえて表にして違いをまとめてみましょう。

楽天スーパー放題 WiMAX
月額料金 1,980円~5,980円 約3,400円~約4,400円

※プロバイダによって異なる

月間データ通信量 2GB/月~14GB/月 無制限
速度制限の概要 契約した容量を消費しきると月末まで速度制限が行なわれる 3日間で10GBのデータ通信量を消費すると翌日18時頃~翌々日2時頃まで速度制限が行なわれる
制限時の通信速度 最大1Mbps 概ね1Mbps
混雑時の通信速度 12:00~13:00、18:00~19:00は最大300Kbpsに 混雑する時間に速度が落ちることはあるが少ない上に、電波状況が悪くなければ数Mbps以上は確保できることがほとんど
提供エリアの広さ 人口カバー率99% 全国政令指定都市で99% 以上
080・090による音声通話 ×

データ通信面で比較すると、WiMAXの優位性はかわらない

データ通信に限ってみると、月間データ通信量無制限のWiMAXの優位性は少しも揺らいでいないように見受けられます。最大でも月間14GBの楽天スーパー放題と比較して、WiMAXは速度制限のラインも3日間で10GBと大幅にゆるいですし、混雑時の通信速度は各段の差があります。

また速度制限が行なわれる時間も、楽天スーパー放題は月末までずっとであるのに対し、WiMAXは翌日の8時間だけ。しかも「モバイルは日中外で、家では固定回線を使う」といったよくある使い方では、WiMAXの速度制限は影響がないので、事実上、完全に使い放題ということもできます。

さらに、データ通信メインで考えると、コストパフォーマンスにも歴然の差がありますね。楽天スーパー放題では14GB/月で月額4,980円(2年目以降は月額5,980円)ですが、WiMAXは月間データ通信量無制限にかかわらず、それより安い月額約3,400円~約4,400円です。

両者を比較して楽天スーパー放題が勝っている点は?

まず080/090の音声通話ができる点は、当然ですが楽天スーパー放題のメリット。「通話はLINEやSkype、IP電話で事足りる」というユーザーもいると思われますが、通話品質に優れた080/090番号の需要はまだ高いです。

次に楽天スーパー放題が使っているLTE回線は、WiMAXと比較して提供エリアが広いこともメリットといえます。LTE回線は「人口カバー率99%」であるため郊外でも比較的つながりやすいですが、WiMAXは「全国政令指定都市で人口カバー率99% 以上」(全国での人口カバー率は1億人以上)なので、都市部・市街地では差がないものの、郊外でのつながりやすさは劣ります。

WiMAX2+は田舎でもつながる?通信速度は遅いの?
田舎でWiMAX2+が使えるか、データや評判を基にして解説。田舎でも市街地で使うのと同様に、高速なモバイル通信を月間データ通信量無制限で利用できる可能性があります。

そのためデータ通信に関してはそれ程通信速度を求めない、通話が重要というユーザーなら楽天スーパー放題はぜひ検討したいおすすめのプランといえるでしょう。

WiMAXと楽天スーパー放題の併用のすすめ

「通話もデータ通信も大事」というユーザーに、当サイトでおすすめするのは、楽天スーパー放題とWiMAXの併用です。安価な楽天スーパー放題といえども、14GB/月のプランLでは月額4,980円(2年目以降は5,980円)と、大手携帯キャリアとあまりかわらない価格になります。

そこで、楽天スーパー放題は2GB/月で最も安価なプランS(1年目は1,980円/月、2年目以降は2,980円)に、WiMAXを併用する方法がおすすめです。

WiMAXは格安SIMと違い、プロバイダ毎に通信速度に差がないかわりに月額料金に差があり、当サイトでおすすめしている月額最安級のBroad WiMAXでは月額3,411円。

楽天スーパー放題プランSとBroad WiMAXをあわせると月額は1年目5,391円(2年目以降は6,391円)。プランLと比較して月額400円程度アップするだけで、月間データ通信量無制限の高速モバイル通信環境が手に入るわけです。

外出先でタブレットやPCを使う場合などを含めて、モバイル通信をガンガンに使うユーザーは、ぜひ検討したい組み合わせと言えますね。

BroadWiMAXの詳細をみる

まとめ

使い放題という言葉に思わず魅力を感じますが、楽天スーパー放題のデータ通信では契約のデータ通信量を使い切ると月末まで最大1Mbpsとそれほど速くない通信速度になる上に、混雑時間帯は最大300Kbpsとさらに遅くなります。

それと比較すると、月間データ通信量無制限で速度制限のルールが3日間10GBと非常にゆるいWiMAXの優位性は大きな魅力と言えるでしょう。また通話もデータ通信も重要というユーザーであれば、楽天スーパー放題のプランSとWIMAXの併用がおすすめ。プランLとほぼかわらない月額料金で、通話も高速通信もたっぷり行える快適なモバイル環境が手に入ります。