速度制限がない、と言われる民泊WiFiですが制限がないのは本当なのか、その他のデメリットは何徹底解説。その上で、どんなときに民泊WiFiをえらぶべきか、どんなときにその他のポケットWiFiサービス方がよいか解説しています。
Contents
民泊WiFiとは?民泊WiFiのメリットについて
民泊WiFiとは、その名の通り民泊の経営者向けに提供されるモバイルWi-Fiサービス。民泊のゲスト用のインターネット回線として利用することを目的としており、複数の会社がこの民泊WiFiのサービスを提供しています。
そしてだいたいの民泊Wi-Fiサービスに共通する民泊WiFiの主なメリットは以下5つ。
- 3日間や7日間のデータ通信量での速度制限なし
- 解約時の違約金(解約金)が不要
- 端末代金無料
- 月額料金も比較的安い
- 多言語サポートの提供
これだけみると、メリットが多くて使いやすいモバイルWi-Fiサービスに見えますよね。くわえて民泊の経営者でなくても、実際には個人での契約できるサービスも多いため、民泊Wi-Fiを愛用する個人ユーザーもたくさんいます。
民泊WiFiのデメリットとは?
メリットが多い民泊WiFiですが、その一方で契約時に把握しておくべきデメリットもあります。ここでは、民泊Wi-Fiのデメリット3つを解説します。
速度制限は本当にないの?
3日間○GB・7日間○GBといった速度制限がない一方で、毎月のデータ通信量が一定量を超えると「速度制限に抵触することがある」のが民泊WiFi。「ことがある」とあいまいな表現になってしまっているのは、その上限値を超えても速度制限にかからないこともあるからです。運営元はサービスの利用状況をみて制限をかけたりかけなかったりしているようです。
いずれにしろ、「速度制限が絶対にない」と安心して使えるサービスではありません。ちなみに一定量はサービスによって月間30GBだったり月間50GBだったりします。月間30GB・月間50GBなら、大手携帯キャリアや格安SIMの大容量プランとかわらないですね。
以下、ジェイピーモバイル株式会社の民泊Wi-Fiの利用規約に記載されている内容を参考までに引用します。
当社は申込者あるいは利用者が月のパケット通信量が30GB を超えて使用した場合
または使用が想定される場合、第15条3項に定める重大な支障を与える様態における本
サービスの利用とみなし、同条に定める通り契約の解除を行うこととします。尚、契
約解除となった場合においても、申込者が支払済みの契約事務手数料及び利用料金その他
の料金については返金しないとものとします。
参照元:https://wifi.jpmob.jp/pdf/user_policy.pdf
解約時に手数料などがかかる
上述した通り民泊WiFiのメリットの1つとして契約期間の縛りがないことがあげられます。ただし、無料で解約できるわけでもありません。
まず解約手数料として4,000円~5,000円程度の費用が必ずかかります。(一般的なモバイルWi-Fiサービスでは、契約更新月に解約すれば無料) くわえて、仮に端末が壊れていたりなくなってしまったりしていた場合は、1~2万円程度の弁済金をしはらわなければなりません。一般的なモバイルWi-Fiサービスでは、基本的に端末が買い取りとなる一方で、民泊Wi-Fiはレンタルという扱いだからです。
※月額500円程度で、端末紛失・故障時の弁最近を払わなくてよくなる
保証サービスもあります。
そのため場合によっては、解約時に違約金のかからないはずの民泊Wi-Fiの方が、余計に料金がかかることもあるのです。
ホームタイプのルーターがない
モバイルWi-Fiのサービスは外出先で利用されるだけでなく、固定回線の代替として使われることもあります。そしてモバイルWi-Fiサービスの中には、そういったユーザー向けに、外出先用のモバイルWi-Fiルーターより大きなサイズのホームルータータイプを提供しているものもあります。
ホームルーターはモバイルWi-Fiルーターと比較してサイズが大きい代わりに、その分だけ大きなサイズのアンテナを搭載。結果電波をつかむ力がモバイルWi-Fiルーターより強く、電波状況によってはモバイルWi-Fiルーターの数倍もの通信速度がでることもあります。
WiMAXとの比較
ここでは民泊WiFiをえらぶべきか否かの判断する参考として、民泊Wi-Fi同様に月間データ通信量無制限で使えるWiMAXと比較してみましょう。
※民泊WiFiは2社、WiMAXは20以上のプロバイダにより提供されていますが、
ここでは当サイトでおすすめしている1つ「Broad WiMAX」を例に比較しています。
民泊レンタルWi-Fi | 民泊Wi-Fi | WiMAX
(Broad WiMAX) |
|
会社名 | 株式会社Lucci | ジェイピーモバイル株式会社 | 株式会社リンクライフ |
速度制限
(月間データ通信量) |
月間50GBの利用で速度制限に抵触することがある | 月間30GBの利用で速度制限に抵触することがある | なし |
速度制限
(数日間) |
なし | なし | 3日間10GB |
制限の内容 | 月末まで通信速度が最大128Kbps | 月末まで通信速度が最大128Kbps | 制限量に達した翌日の18時頃~翌々日の2時頃まで通信速度が概ね1Mbps |
ルーター選択可否 | 不可
(モバイルWi-Fiルーターのみ) |
不可
(モバイルWi-Fiルーターのみ) |
可能
(モバイルWi-Fiルーターorホームルーター) |
初期費用
(契約事務手数料) |
4,500円 | 4,000円 | 3,000円 |
月額費用 | 4,500円
※端末補償(980円/月)込 |
3,480円
※端末補償(500円/月)が必要な場合は別途契約 |
3,411円 |
契約期間の縛り | なし | なし | 3年
※違約金は9,000円~19,000円程度(キャンペーンにより増えることもあり) |
解約時の端末返却 | 必要 | 必要 | 不要 |
速度制限について
民泊Wi-Fiは「速度制限が行なわれることがある」と曖昧なので一概には言えませんが、仮に確実に表に記載の速度制限が行なわれると仮定した場合は、WiMAXの方が圧倒的に緩い制限といえます。
たとえば、WiMAXで3日間10GBのデータ通信量の消費により速度制限に抵触するということは、毎日3.3GBまで消費しても速度制限にかからないことになり、これを月間になおすと約100GB。ざっくりとした計算ではありますが、民泊Wi-Fiの2~3倍以上のデータ通信量を消費しても速度制限に抵触しないことになります。
なおかつ民泊Wi-Fiでは月末まで速度制限に抵触する上に、速度制限に抵触した場合に最大128Kbpsという超低速な通信速度になってしまいます。たいしてWiMAXで速度制限が行なわれるのは約8時間だけで、かつ速度制限に抵触しても概ね1Mbpsで利用が可能。これだけの通信速度があれば、ホームページの閲覧はもちろんのこと、ある程度の画質の動画も鑑賞できます。(最大128Kbpsでは基本的に動画視聴は不可。ホームページが表示されるのも時間がかかります。)
繰り返すように、民泊Wi-Fiでは必ず速度制限に抵触するわけではありません。ただ仮に実施された場合は、WiMAXの方が制限の内容がはるかにゆるいので、速度制限に悩まされない方がよいなら、WiMAXの方がおすすめですね。
ルーター選択可否
民泊Wi-Fiは基本的に、ルーターの選択肢がありません。たいしてWiMAXなら民泊Wi-Fiで使われているようなモバイルWi-Fiルーターだけでなく、自宅など決まった場所で使うのに適したホームルーターの利用も可能。加えて、モバイルWi-Fiルーターも数種あり、その中から選ぶこともできます。
特に自宅でしか使わないのであれば、ホームルーターが利用できるWiMAXの方がおすすめできます。
初期費用・月額費用・契約期間の縛り・解約時の端末返却
比較したように初期費用・月額費用は、いずれもWiMAXの方が安価。長く使うのであればWiMAXの方が安くすむ場合が多いです。
ただし短期間で解約するのであれば、WiMAXは9,000円~19,000円の違約金が別途発生してしまうことになります。そのため短い期間での利用が前提なら、民泊Wi-Fiの方が安くすむことに。ただし民泊Wi-Fiでは、端末を紛失してしまうと、1~2万円の弁済金がかることになり、解約手数料4,000円とあわせると民泊Wi-Fiの方が高くつくことも…。ややこしいですね。
民泊WiFiはこんなときにおすすめ
民泊WiFiは月間数十GBの利用で速度制限に抵触する不安が常にあるので、データ通信量を気にせずがんがん使うという利用には不向きですね。「今月は月間100GB使っても大丈夫だったのに翌月は月間30GB消費した時点で突然速度制限にかかった」なんてことがあっても何もおかしくありません。
ただ、契約期間の縛りがないのが民泊Wi-Fiの最大のメリット。動画を頻繁にみるなど、データ通信量の膨大な消費する可能性が低く、その上でたとえば「お父さんが3カ月間単身赴任する間使う」など短期利用が前提なら民泊WiFiの方が安くすみますし、おすすめです。
WiMAXはこんなときにおすすめ
- 速度制限にできるだけ悩まされずにたっぷりインターネット接続を楽しみたい
- 長期間利用するつもりなので、契約期間の縛りはそれほど気にならない
上記の条件にあう方ならWiMAXがおすすめ。WiMAXの方が、速度制限に悩まれずに使えて快適です。外出先で頻繁に動画を視聴したり、重いファイルを何度も送受信したりする、といった利用でも、WiMAXの方が快適に使える可能性が高いです。
まとめ
速度制限がない、と一部で言われている民泊WiFiですが、実際は利用規約などに記載されている通り速度制限のルールが存在しています。その上、速度制限が実施されるまでのデータ通信量も月間30~50GB程度なので、大容量の通信にはむきません。一方で契約期間の縛りはないので、短期での利用の際は選択肢にいれてもよいでしょう。