WiMAX2+の端末で利用できる通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」なら、WiMAX2+だけでなくLTEの通信まで使えて便利。
ただしハイスピードプラスエリアモードを利用して月間7GBのデータ通信量を消費すると、月間データ通信量が無制限のギガ放題プランを契約している場合でも、最大128Kbpsの速度制限にかかってしまったり1,005円/月の追加料金がかかったりします。
ここでは7GBのデータ通信量でどのくらいのことができるかというデータを含めて、ハイスピードプラスエリアモードのメリット・デメリット・活用法について徹底解説します。
Contents
ハイスピードプラスエリアモードとは?
・WiMAX2+・au 4G LTEの通信を自動切替するのがハイスピードプラスエリアモード
WiMAX2+は実はLTEも使える…、とだけ聞くと「一体どういうこと?」と思う人も多いでしょう。
WiMAX2+でLTEの通信が行える通信モード、それがハイスピードプラスエリアモードです。
ハイスピードプラスエリアモードについて詳しく解説する前に、WiMAX2+で利用できる3つの通信モードを簡単に紹介します。
WiMAXは2009年7月に最大40Mbpsでサービス開始しましたが、2013年10月には最大110MbpsのWiMAX2+がリリース、2015年2月にはWiMAXの一部帯域をWiMAX2+に移すかたちで最大220Mbpsを実現します。
これによりWiMAXは最大40Mbpsから最大13.3Mbpsに低速化しました。さらに2016年12月にはルーターの機能強化でWiMAX2+の最大速度が440Mbpsとなりました。
WiMAX2+サービス開始当初は提供エリアは狭かったので、WiMAX2+端末は提供エリアが広かったWiMAXが利用できるノーリミットモードと、WiMAX2+が使えるハイスピードモードの両方に対応していました。
しかし現在はWiMAX2+の方が提供エリアは広くなり、新しくリリースされる端末はノーリミットモードに対応していません。
一方ハイスピードプラスエリアモードとは、WiMAX2+の他WiMAX2+より提供エリアが広くつながりやすいau 4G LTEが使える通信モード。
au 4G LTEとは、ざっくり説明するとauが使っているLTE通信と思ってもらえれば間違いありません。
WiMAX2+は月間のデータ通信量が使い放題というメリットがある一方、au 4G LTEはWiMAX2+と比較するとより提供エリアが広く建物内で電波が届きやすいというメリットがあります。
郊外だったり建物の中の奥まった場所だったりでは、WiMAX2+ではつながらないがau 4G LTEではつながるといったことがあります。
また建物の高層階では奥まった場所でなくても、WiMAX2+よりau 4G LTEの方がつながりやすいです。
ちなみに通信速度に関してはWiMAX2+の端末によりますが、たとえばW04ではWiMAX2+が最大440Mbpsであるのに対してau 4G LTEの場合は最大225Mbps。
WiMAX2+による通信の方が高速です。
ハイスピードプラスエリアモードでは、基本的には使い放題のWiMAX2+で接続しますが、WiMAX2+の電波が届かない場所では、自動的にau 4G LTEに切り替わります。
WiMAX2+の悪いところをau 4G LTEでカバーしてくれるのです。
またハイスピードプラスエリアモードは申込なしで利用が可能。端末の操作を行えばすぐに使えます。
これだけ聞くとハイスピードモードに比べてハイスピードプラスエリアモードの方が便利で使いやすいように見えますよね。
しかしハイスピードプラスエリアモードには、ハイスピードモードにない3つのデメリットがあります。
ハイスピードプラスエリアモードの3つのデメリットとは?
・月間データ通信量7GBの制限あり
・1,005円/月のオプション料金が発生
・使えるWiAMX2+端末が限られる
最も大きなデメリットは、ハイスピードプラスエリアモードでの通信には、月間のデータ通信量による速度制限があること。
ハイスピードプラスエリアモードで月間7GBのデータ通信量を消費した場合、月末まで最大128Kbpsまで速度制限が行われます。
最大128Kbpsの通信速度では、動画鑑賞やビデオ通話・アクションゲームなどのオンラインゲームが快適にプレイできませんし、ホームページを見る際もページが開くまでに時間がかかるようになるでしょう。
なお速度制限はハイスピードプラスエリアモードだけでなく、WiMAX2+による通信だけを行うハイスピードモードも対象です。
次のデメリットはハイスピードプラスエリアモードを1度でも使えば、その月は1,005円/月のオプション料金が加算されることです。
日割りはされないので月末に利用したとしても1,005円がまるごと加算されます。
最後のデメリットは、ハイスピードプラスエリアモードを使えるWiMAX2+端末が限られること。
たとえばW04・W03はこのモードが使えますが、WX03やWX02などは対応していません。
ハイスピードプラスエリアモードのかしこい活用法とは?
・郊外に数日旅行や出張する場合
・建物内で「どうしても」その場所でモバイル通信を行う必要がある場合
速度制限や料金・端末に関するデメリットがあるとはいえ、ハイスピードプラスエリアモードの利便性は見逃せません。
WiMAX2+の電波が届く範囲ではハイスピードモードを使うべきですが、LTEの電波しか届かない場所ではハイスピードプラスエリアモードが役に立ちます。
そこで郊外に数日程度の旅行や出張をする場合や、電波の届きにくい建物の地下や高層階など、どうしてもそこでWiMAX2+を使う必要がある場合に限り、ハイスピードプラスエリアモードを使うのがかしこい使い方です。
逆に喫茶店に入って窓際から離れた場所で電波が届かない場合は、窓際に移動するなど工夫してハイスピードプラスエリアモードの利用を節約するようにしましょう。
データ通信量7GBでどのくらいのことができる?
ただ7GBのデータ通信量がどの程度のものかイメージできないと、どう活用してよいか分からないですよね。
ここでは目安として7GBのデータ通信量でどのくらいのことができるかの表を記載します。データ通信量の激しい動画鑑賞とその他に分けてまとめています。
動画鑑賞
その他
数日程度利用するレベルであれば、高画質(HD)・超高画質のYouTube動画を鑑賞するケースや、Skypeビデオ通話が際立って膨大な通信量を消費するので注意が必要と考えてよいのではないでしょうか。
ちなみにHD画質とは、テレビのハイビジョン画質のことです。
たとえば標準画質(SD)のYouTube動画なら約33時間も使える目安ですが数日なら十分でしょう。
ネットサーフィンやLINE音声通話をするぐらいなら、とても7GBのデータ通信量は使い切れません。
またTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを利用するケースに関しても、この表には記載していませんが、動画をたくさん見るなどしなければ7GBのデータ通信量を数日で消費してしまうことはまずないでしょう。
まとめ
ハイスピードプラスエリアモードを使えば、WiMAX2+の電波が届かない場所でもLTEによる通信が行えるので便利です。
ただし月間7GBのデータ通信量による速度制限や1,005円/月の料金追加といったデメリットもあるので、7GBのデータ通信量でどのくらいのことができるかざっくりとしたイメージを付けた上で、本当に必要な時にだけ節約して使うようにするとよいでしょう。