WiMAX2+ギガ放題プランの魅力は、何といっても月間データ通信量の縛りがなく最大440Mbpsのモバイル通信が”使い放題”であること。
しかし”使い放題”とはいえ、回線の混雑を防ぐための速度制限のルールが2つ存在します。
ただその制限は他モバイル通信と比較して非常に緩く多くのユーザーは、気にする必要がない程のものです。
この記事では、WiMAX2+を利用する際にチェックすべき2つの速度制限について、モバイル通信を使ったことがない人でもわかるように解説しています。
Contents
そもそもなぜ速度制限があるのか?
WiMAX2+のギガ放題プランは「月間」でのデータ通信量に制限がない代わりに、データ通信量に関するルールがあり、無制限にデータ通信量を消費することはできないです。
一定のデータ通信量を消費した際に、速度制限がかかる2つのルールが存在しています。
ただしこのルールは本来、ユーザーの利便性を悪くするのが目的ではありません。
固定回線より細いモバイル回線を、多くのユーザーで共有して利用するのにあたって、回線の混雑を避けて多くのユーザーが常に快適に利用できるようにするためのものです。
速度制限とは、そのためのルール作りといえます。
私が以前勤めていたプロバイダで運営していたあるモバイル通信サービスには当初データ通信量による速度制限の縛りがありませんでした。
そのせいで特定の企業ユーザーのヘヴィユーズによって回線がパンクし、速度低下が発生して頭を悩ませるなんてことがありました。
回線の提供側からすると一部ユーザーのヘヴィユーズは、例えるならだれでも使ってよい公園の中を、バイクや車で走られてしまうようなインパクトがあります。
もちろんユーザー側には悪意はないのですが、公平にユーザーが回線を使えるようにするためにもデータ通信量による制限が必要なわけですね。
WiMAX2+の速度制限とは?
WiMAX2+ギガ放題プランの通信には以下2つの速度制限のルールがあります。
- 3日間10GBのデータ通信量消費による速度制限
- ハイスピードプラスエリアモードで月間7GBのデータ通信量を消費した場合の速度制限
ここでは1つずつその詳細を解説します。
3日間10GBのデータ通信量消費による速度制限
以下内容で速度制限が発生します。
ただし、これはユーザーにとって非常に緩やかな速度制限です。
大手キャリアが月間20GB・30GBのデータ通信量のプランを大々的に展開しているような時代に、その半分程度の容量を3日間で消費してはじめて速度制限にかかるわけです。
また一般的なスマホユーザーが1ヶ月に消費するデータ通信量は平均3GB程度という統計がありますが
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=14
3日間10GBならざっくり計算して、その平均値より多い3.3GBを毎日消費したとしても速度制限がかからないわけです。
それに、ホームページの閲覧やLINEの音声通話・メッセージ送受信・動画再生を除くSNSの利用などで、通常このデータ容量が消費されることはまずないでしょう。
最も膨大なデータ通信量が消費されるのは、YouTubeやWeb会議などの「動画」に関わる通信を行う場合です。
とはいえその場合でも10GBのデータ通信量があれば、目安として以下程度の利用が可能です。
いかがですか? 10GBのデータ通信量とは、高画質(HD)の動画でも1日4時間以上、超高画質(1080p)の動画でも、1日2時間以上を3日間連続で視聴してようやく消費されるレベル。
このぐらいあればたいていの人は十分じゃないでしょうか。
その上、速度制限がかかる時間(18時頃~2時頃)もポイント。
この時間なら個人ユーザーの多くは、自宅の固定回線を使ってWi-Fiで通信を行っていたり、ビジネス利用であれば、外回りも終わってオフィスで仕事していたりする時間ではないでしょうか。
最後に仮に速度制限に抵触したとしても概ね1Mbpsの通信速度が確保される点も重要。
1Mbpsであればスマホやタブレットで見られる軽量なホームページはさくさく表示されますし、表にもある通り標準画質程度の動画を観ることもできます。
これらの点から、大抵のユーザーは3日間10GBの速度制限を気にする必要はないと言えます。
ハイスピードプラスエリアモードによる速度制限
WiMAX2+には以下3つの通信モードがあります。
この中で最も低速のノーリミットモードは、古い一部端末でしか利用できません。
次のハイスピードモードは、一般的に使われるWiMAX2+用の標準モード。
最後のハイスピードプラスエリアモードは、WiMAX2+とau 4G LTE両方の通信が利用できる特別なモードです。
WiMAX2+と比較すると、LTEはより提供エリアが広く建物内でよりつながりやすい傾向があります。
しかしハイスピードプラスエリアモードを使って月間7GBのデータ通信量を消費すると、月末まで最大128Kbpsまでの速度制限がかかります。
この点は、3日間10GBの速度制限に比べると厳しいといえますね。
さらにハイスピードプラスエリアモードを1度でも利用した場合、その月に1,005円の追加料金が発生する点にも注意が必要です。
これらの点からハイスピードプラスエリアモードを利用するのは、郊外や田舎に数日程度の旅行や出張をする際だけにするなど、節約するとよいでしょう。
なお目安として7GBのデータ通信量があれば以下程度の利用が可能です。
数日利用するぐらいであれば十分ではないでしょうか。
ちなみにハイスピードプラスエリアモードを使えるWiMAX2+端末はW04・W03など一部に限られるので注意して下さい。
このモードを利用したい場合は、WiMAX2+契約時に端末の仕様表を必ず参照するようにしましょう。
WiMAX2+の速度制限は他モバイル通信と比較して緩い?
他のモバイル通信と比較するとWiMAX2+の速度制限は非常に緩やかなものです。
繰り返しになりますが、ドコモやソフトバンク・auといった大手キャリアが月間20GB・30GBのプランを出している昨今に、たった3日で10GBという大容量のデータ通信量を消費してはじめて制限にかかるわけです。
また制限時の通信速度においても、格安SIMや大手キャリアなどWiMAX2+以外のモバイル通信が最大128Kbps・最大200Kbpsといったナローバンド並の通信速度になってしまうのに対し、WiMAX2+では標準画質が観られる程度の概ね1Mbps。
最大128Kbps・最大200Kbpsでは、動画鑑賞ができないばかりか、ホームページが開くのにも長い時間がかかってしまうと想定されます。
モバイル環境でデータ通信量を気にせず、思いっきりインターネットを使いたいなら速度制限が緩いWiMAX2+はもっとも最適でおすすめのサービスです。
まとめ
WiMAX2+ギガ放題プランは月間でのデータ通信量に縛りがない代わりに、3日間10GB、ハイスピードプラスエリアモードに限った月間7GBの2つの速度制限があります。
ただしいずれの速度制限も、簡単に気をつけられたり非常に緩い制限だったりして、かえってWiMAX2+の魅力を証明しているとも言えます。
WiMAX2+程、速度制限のルールがユーザーにとって優しく高速なモバイル通信をたっぷり使えるモバイル通信は他にありません。