月間データ通信量が無制限のWiMAX2+でオンラインゲームを楽しみたいと考えるユーザーは多いのではないでしょうか。
ただし、光回線などと比較するとping速度の値が良くないので、アクションゲームでのWiMAX2+の利用には注意が必要。
ここでは、どういったオンラインゲームならWiMAX2+で快適に楽しめるかや、問題となるping速度について解説しています。
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WiMAX2+の通信速度は問題ない
オンラインゲームで求められる通信速度は、速くても3~5Mbps程度。
たいしてWiMAX2+は電波状況が悪くなければ数十Mbpsを超える通信速度も期待できるので、この点は心配しなくてよいでしょう。
パズルゲームやポケモンGOなどは問題なく楽しめる
オンラインゲームにもさまざまあり、スマートフォンのパズルゲームやポケモンGOのように通信の品質をそれ程求められないタイトルであれば、問題なく遊べると考えてよいでしょう。
これらのゲームであれば、仮にある程度、電波状況が悪くても接続さえできていれば快適にプレイできます。
FPSなどのアクションゲームは快適に楽しめない可能性も…
問題となるのは、FPSなど通信品質を厳しく問われるアクションゲームなど。
これらのゲームでは、まったくプレイできないということはないものの、WIMAX2+で「快適に」プレイできるかというと、残念ながらそうでない可能性も高いのです。(一概にNOとも言えません)
そして、このときに求められる通信品質とは通信速度ではありません。
聞きなれない方もいるかもしれませんが、問題になることが多いのはping速度です。
オンラインゲームに影響するping速度(応答速度)って何?
ping速度について振り返る前に、通信速度から簡単に解説しておきましょう。
通信速度とは、「このぐらいの容量のデータをどのぐらいの時間で送受信できるか」を示す値です。
たとえば100MBという容量のデータを1分以内にダウンロードする場合、おおよそ15Mbpsという通信速度が必要になります。
自動車などの走行速度では、50kmの距離を1時間で走行すれば時速50Kmということになりますよね。
インターネットの通信速度も、考え方としてはこの走行速度と似ています。
たいしてping速度(応答速度)とは、ホームページやオンラインゲームなどのサーバーに接続をした際に、反応がえられるまでの時間をさします。
たとえば、あなたが誰かの肩をトントンと叩くとしますね。
それから相手が「え、何?」と答えてくれるまでの時間が、応答速度というと分かりやすいでしょうか。
オンラインゲームに即して考えると、WiMAX2+でゲームのサーバーへ接続しに行って、相手のサーバーから反応がえられるまでの時間がping速度というわけです。
ping速度の測定方法
たとえばAndroidやiOSの端末では私も使っている以下アプリで計測が可能。
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.zwanoo.android.speedtest
https://itunes.apple.com/jp/app/speedtest-net-speed-test/id300704847?mt=8
そして、わたしが上のアプリを使いWiMAX2+の通信速度を計測した結果が以下。
わたしの自宅は東京の山手線駅から直線距離で10km以内の場所にあり、記載の計測は夜の12時に行ったものです。
Ping速度は左上に記載されており、上記では39msがその結果です。
msとは1000分の1秒を示す単位。
つまりサーバーにアクセスしてから39msで応答がもらえた、ということになります。
PCでは以下のサイトでping速度を計測可能です。
オンラインゲームで求められるping速度(応答速度)とは
FPSのように通信速度を厳しく問うゲームであると、ping速度は速ければ速いほどよいようです。
ping速度が遅いとプレイできないことはありませんが、反応が遅れるなどするため結果に少なからず影響し、とても快適にプレイできるとは言えません。
場合によっては一緒にプレイする他のユーザーから迷惑がられる可能性もあります。
そしてインターネットの口コミやレビューを見ていると50ms以下は欲しいという声が多い模様。
WiMAX2+のping速度は?
上記に記載したわたしの自宅での計測結果では、ping速度が50ms以下。
つまりWiMAX2+だからといって、必ずしもFPSがプレイできないというわけではない、ということでしょう。
参考までに、わたしが新宿駅周辺でWiMAX2+の通信速度を計測した結果が以下。
通信速度はほぼ同程度ですが、ping速度は70msに落ちています。
これだと、FPSのようなゲームは快適にプレイできなさそうですね。
他にインターネットの口コミをみていると、通信速度が速くても50ms超、場合によっては100ms超というユーザーの計測結果も報告されています。
逆に「WiMAX2+でも問題なく遊べるよ」という口コミもあり。
わたしの計測結果が示しているように、電波状況や測定場所によって差があると考えられます。
WiMAXでping値30を観測したので意外と快適にできそうw
— ミユキ (@myksmdr) April 9, 2017
ワイのWiMAXのping値が50~60なんですがスマ4やるとラグるかな
— まち / machi (@machi_ssb) August 6, 2016
ping速度をあげる方法は?
仮にWiMAX2+のping速度が良くなくても、以下に挙げる工夫や設定によりping速度を改善できることがあります。
オンラインゲームを楽しみたい場合は、覚えておくとよいでしょう。
有線LANで接続すること
PCやゲーム機など有線LAN環境が使える場合は、電波干渉の恐れがあるWi-Fiより有線LANの方が通信速度やping速度が改善することがあります。
なお、モバイルWi-Fiルーターを利用中の場合は、3,000円程度のクレードルという機器を別途購入する必要があります。
Wi-Fiの場合、電波干渉の少ないIEEE802.11acを利用する
Wi-Fiの場合、家電製品やBluetooth機器などの影響により電波干渉が発生し通信の安定性が損なわれる可能性があります。
そこでWi-Fiの通信の際に、IEEE802.11acを利用することで劇的に通信品質がアップする場合も。
なおこの規格を利用するためには、機器が対応していることが必要です。
最新のWiMAX2+用Wi-Fiルーターであれば、IEEE802.11acに対応しています。
Wi-Fiの中継機を導入する
Wi-Fiルーターとゲームをする場所が離れている場合で、なおかつWi-Fiの電波状況がよくないようであれば、Wi-Fiの中継機を導入することで、通信品質が改善することがあります。
中継機は、市販で数千円程度で購入可能です。
ホームルータータイプを使う
自宅でしかWiMAX2+を使わないのであれば、ホームルーターの方が通信品質はよいです。
たとえばホームルーター「L01」とモバイルWi-Fiルーター「W04」はいずれも最大440Mbpsの通信に対応していますが、L01はW04の約3倍の通信速度を記録した(ping速度ではないですが…)とのレビューも。
L01は本体が大きい分、大型なアンテナを搭載できるためモバイルWi-Fiルーターと比較すると通信品質が高くなります。
Wi-Fiルーターを窓際におく
WiMAX2+のWi-Fiルーターは窓際に置くことで、電波の受信状況が改善することが多いです。
これによってping速度も大幅に改善する可能性もあるので試してみる価値はあります。
即席のパラボラアンテナを活用する
100均などで売っているアルミボウルや金盥とブックスタンドなどを組み合わせることで即席のパラボラアンテナを作り、WiMAX用のWi-Fiルーターを設置することにより、以下口コミにあるように通信品質が向上することがあります。
最近WiMAXのルーターを買いまして
家で使うには電波が弱くて参ってたのですが、100均のステンレスボールをパラボラアンテナにするといいとネットで読んだのでだいぶ粗雑に真似したところものすごい効果がありました、科学ってすごいわ… pic.twitter.com/ssmnPemxme
— 砧川キヌ子(JOKE FACTORY) (@kntgw) August 27, 2016
費用がたいしてかからないので、試してみる価値はありそうですね。
まとめ
FPSなどの通信品質が厳しく問われるオンラインゲームでは、少なくともping速度が50msを切りたいところ。
たいしてWiMAX2+では仮に通信速度が速くても、ping速度が良好でなくオンラインゲームができないこともあります。
残念ながら、その場合は光回線などの固定回線を使う方が適切。
なお、WiMAX2+でも有線LANを使ったりWi-Fiルーターを窓際に置いたりなどの対応で、通信品質が飛躍的に上がる可能性もあるため、興味があれば試してみましょう。