室内・屋内でLTEより電波をキャッチしにくいと言われるWiMAX。
わたしの実体験をもとに、具体的にどんな場所でつながりにくいか、実際のところLTEと比較してつながりやすさはどのくらい違うのかを解説します。
あわせてつながらないときの5つの対策も紹介。
WiMAXを契約するにしても、あらかじめこういった情報を把握しておけば、対策もとれますし必要以上にストレスをためることはありません。
Contents
WiMAXは室内・屋内で繋がりにくいというのは本当?
大手携帯キャリアや格安SIMのLTE回線も、大きな建物の中央部や地下街などでは電波が届かず使えないことがありますよね。
無線のモバイル通信を使う際は、電波が届く・届かないという問題は避けられません。
そしてLTEと比較すると、WiMAXの方が電波をつかみにくい性質があるのは残念ながら事実です。
これはLTEが700~900MHzという低い周波数帯を使うのに対し、WiMAXが2.5GHzという高い周波数帯を利用していることが原因。
高い周波数帯の電波は、高速な通信速度が利用しやすい一方で、直進性が強く障害物をすり抜けにくい特長があります。
WiMAXとLTEのつながりやすさに差があるのは、このような仕様上の理由によるものです。
しかし「WiMAXはつながりにくい」という評判は、「ちょっと多過ぎかな」と思うこともないではありません。
LTEと比較すればWiMAXの方がつながりにくいのは事実ですが、あくまで「比較すれば」という程度であって、WiMAXが屋内・室内でつながらないということではないのです。
WiMAXの「つながりやすさ」に関するわたしの体験事例
最初に、わたしがWiMAXを利用している場所に関して簡単に紹介します。
わたしが住んでいる家は東京23区内の山手線駅から半径10km圏内の位置にあり、外出先でWiMAXを使うのもだいたいその周辺です。
自宅(木造のアパート)
わたしの自宅は木造のアパートです。
10階建てのマンションが目の前にあるので、日当たりもWiMAXの電波環境も良いとは言えないでしょう。
しかしどの部屋で使っても、数十Mbpsの通信速度を確保できています。
以下、わたしの自宅での計測結果の一例です。
※計測したのは、光回線でも混雑で通信速度が遅くなることのある午前0時頃です。
鉄筋コンクリートのマンション
わたしの家の近所にある、知り合いの鉄筋コンクリートのマンション内でも計測しました。
周りにも同じくらいの高さのマンションがあり、こちらも必ずしも日当たりが良いとは言えない場所。
木造より鉄筋コンクリートの建物の中の方がWiMAXの電波が届きにくいと言われています。
しかしこの場所でも、数十Mbpsクラスの通信速度を記録しました。
5LDKの広いマンションですが、どの部屋でも(1~3Mbps程度変わりましたが)、通信速度に大きな差はありません。
どの部屋も大きな窓が近くにあり、「奥まっている」という感じでないのが良かったのかなとは思っています。
近所のマクドナルド
わたしはマクドナルドの中でお茶をしながら、ゆっくりモバイルで動画鑑賞をするのも好きです。
そのマクドナルドは2Fに100席程度あるのでそこそこ広い店舗と言えるでしょう。
そしてこちらでは、外に近い窓際の席はもちろんのこと奥まった場所でも10Mbps程度の通信速度が確保できています。
そのため、ハイビジョン画質の動画でもきれいに鑑賞でき快適。
ちなみにその店舗では公衆無線LANも利用可能ですが、公衆無線LANで計測した際は3Mbps未満でした。
WiMAXの方がより高速に利用できます。
近所のファミレス(ジョナサン)
わたしはファミレスで安いお酒やドリンクバーを注文して、モバイル環境で映画をみたりするのも好きです。
ここでも、どの席に座っても通信速度は数十Mbpsを記録。
ハイビジョン画質の映画を視聴するのに十分の通信速度が確保できています。
近所のチェーン展開の喫茶店(コメダ珈琲)
わたしは近所のコメダ珈琲でアイスコーヒーを飲みながら、YouTube動画などを視聴することがあります。
このお店では、ちょっと奥の方の席へ行くと残念ながらWiMAXの電波が届きません。
LTEもばりばり電波が届くという程ではなく、スマートフォンのアンテナマークは5本中2~3本程度。
幸いその店舗には公衆無線LANの環境があるので、そちらを使って接続しています。
3Mbps程度の通信速度でしたがYouTubeの標準画質(アナログテレビの画質)程度を鑑賞するには十分。
試したことはないですが、おそらくハイビジョン画質のきれいな動画を視聴するにはきついと想定されます。
一方、土日ほど混みあわない平日の夜などに行った際には、電波の届きやすい窓際の席をえらびます。
ここなら公衆無線LANより通信速度の速いWiMAXによる通信が可能です。
大きなショッピングモール(イオン)
近所のイオンにはよく買い物に行きます。5階建の大きな建物で、この中でWiMAXを使うことは普段ないのですが、今回は検証のために試してみました。
ちなみにこの店舗は、場所によってはLTE回線でも電波が届きにくかったり、通話するのも圏外になったりするほど電波状況がよいとは言えません。
そしてWiMAXを利用すると、お店のちょっと奥まで行くと残念ながらすぐに圏外に。
同じ場所でLTEに切り替えると接続が可能になります。
ただ必ずしも奥まった場所でWiMAXが圏外になるわけではなく、1Fの食品売り場では圏外になることが多いものの、4Fの寝具売り場では接続できる場所が多かったりします。
ただ、繰り返すように、そもそもLTEですらつながらないこともある店舗ですから「WiMAXだけが圏外になりやすい」わけではありません。
LTEと比較してWiMAXの方がつながりにくいのは事実ですが、この検証結果をもって「WiMAXが特別電波が届きにくい」というのは言い過ぎだと思います。
巨大な地下街(東京駅の地下街)
新幹線やJRなどたくさんの路線がある東京駅の巨大な地下街でもWiMAXを使ったことがあります。
こんな地下になるとWiMAXは使えないだろうなと思っていたのですが、わたしが試した限りでは、ここではLTEと大差なくWiMAXの電波が届いていました。
あとでUQ WiMAXの公式サイトの以下URLを確認すると、東京駅の地下街はWiMAXの電波が届くエリアとしての記載があるのを見つけました。
http://www.uqwimax.jp/area/use/undergroundtown/
地下街でもWiMAXが使えるスポットは増えているようです。
ただし、ここに掲載されないような小さな地下街などでは、残念ながらLTEの電波は届いていてもWiMAXの電波が届かないといった経験はあります。
地下鉄の車内
東京の丸の内線、大江戸線、三田線、有楽町線と言った地下鉄をよく利用します。
UQ WiMAXの以下公式サイトURLをみると、都営地下鉄(大江戸線・三田線)はWiMAX2+が利用可能、東京メトロ(丸ノ内線・有楽町線など)はWiMAX2+の利用可能エリアが拡大中(2017年6月時点)とあります。
http://www.uqwimax.jp/area/use/subway/
確かに利用可能と書かれているエリアの駅ホームではWiMAXの電波が届き利用できることを確認しました。
しかし車内では、駅ホームを離れると電波が届かず使えないことが多いです。
このとき、LTEに切り替えると接続できることがあります。
残念ながら、地下鉄でのつながりやすさでは、WiMAXはLTEに及びません。
私鉄の車内
JR山手線をはじめ、わたしは東京で複数の私鉄を利用していますが、障害物に覆われた地下鉄と異なり、WiMAXでインターネットを問題なく利用できています。
地上を通る電車でも高い建物に囲まれるような場所を通過することがあり、そういった際に若干通信速度が落ちることはありますが、それでもわたしが計測する限りは10Mbps程度です。
わたしの経験上からも、提供エリア内で、なおかつ大きなトンネルを経由するなど障害物に囲まれることがなければ、私鉄車内ではWiMAXを使うことが可能と考えられます。
ビルの高層階
意外と知られていないのが、WiMAX2+が高層階では電波が届かないこと。
わたしは東京都新宿区にある都庁の展望スペースなどの高層階で、WiMAXが使えるか試したことがありますが電波が届きませんでした。
展望スペースで使えないくらいですから、見晴らしの良い悪いは残念ながら関係ありません。
一方LTEは電波がキャッチできインターネット接続も、通常通り可能です。
いまどき高層マンションに住んでいるユーザーも多いでしょうから、この点は注意すべきですね。
契約する前に後述するTry WiMAXという無料体験で、事前に試してもよいかもしれません。
広い公園の中央付近
最寄りの光が丘公園(東京ドーム約13個分の広さ)や東京渋谷区にある有名な代々木公園(東京ドーム約11.5個分の広さ)では、わたしが試した限り、奥まった場所へ行くほどWiMAX2+の電波が届きにくくなります。
これも盲点で、見晴らしの良しあしは関係ありません。
経験上、東京ドーム〇個分で表現できるような広大な公園は気を付けたほうがよいでしょう。
ただ、これらの公園ではLTEでも電波状況が悪くなることがあるようです。
全くつながらかったことまではありませんでしたが、アンテナマークが5本中1~2本しか立っていなかった場所もあります。
室内・屋内でつながりにくいときの対策
ここでは、室内・屋内でWiMAX2+の電波をつかめないときの対策を5つ紹介します。
場合によっては、圏外だったのに電波状態が良好になるなど驚くほどの効果が得られることもありますよ。
対策1:窓際にモバイルWi-Fiルーターを設置
これはよく言われる定番の対策です。
できるだけ障害物が周りにない方がよいわけですから、窓際に設置した方がWiMAXの電波はつかみやすくなります。
コーヒーショップなどの飲食店でWiMAXを使う際は、できるだけ窓際の席に座るのがおすすめです。
今度は室内側のWi-Fiがつながらない?
窓際にWi-Fiルーターを設置することで、今度はPCやスマートフォンなどを使いたい場所でWi-Fiの電波が届かなくなるというのはよくあります。
そこでおすすめなのが、市販の無線LAN中継機。
3,000円程度で購入できる性能のよい機種もありますから、気になったらAmazonなどで探してみるとよいでしょう。
対策2:向きや高さを変えるだけでも電波状況が大きくかわることも
Wi-Fiルーターを設置する場所はそのままでも、向きや高さを変えるだけでも電波状況が劇的に変わることも。
時間がかからない対策ですから、試してみるとよいでしょう。
対策3:パラボラアンテナ(リフレクター)を自作して活用
100円均一でアルミボウルとまな板スタンドなどを購入して、即席のパラボラアンテナを作ることで電波状況が改善することがあります。
電波がボウルに反射して、Wi-Fiルーターに集まるのが改善の理由。
インターネットには以下のように、この方法で改善したという事例が多く報告されています。
最近WiMAXのルーターを買いまして
家で使うには電波が弱くて参ってたのですが、100均のステンレスボールをパラボラアンテナにするといいとネットで読んだのでだいぶ粗雑に真似したところものすごい効果がありました、科学ってすごいわ… pic.twitter.com/ssmnPemxme
— 砧川キヌ子(JOKE FACTORY) (@kntgw) August 27, 2016
これも安上がりにできる方法なので、電波状況が悪い場合は試してみてはいかがでしょうか。
通信速度が大幅にアップすることもあります。
対策4:ホームルータータイプをえらぶ
自宅でしかWiMAX2+を使わないという場合は、事前にバッテリーを搭載せずAC電源のみで動作するホームルータータイプをえらぶのがおすすめ。
バッテリーを搭載し外出先でも使えるモバイルWi-Fiルーターと比較してサイズが大きい分、大型のアンテナを搭載できるためホームルーターは電波をキャッチする性能が高くなります。
ホームルータータイプを使うことにより通信速度が倍以上になることもあります。
対策5:LTEオプションを利用する
WiMAXのWi-Fiルーターの一部では、LTEによる通信にも対応しています。
これらの機種では、本体の設定で通信モードを「ハイスピートプラスエリアモード」に切り替えることにより、電波状況によってWiMAX2+・LTEを自動切替してくれます。
WiMAX2+の電波が届かない場所でも、LTEによる通信を継続できるわけです。
ただし、LTEオプションの利用には、以下2つの注意点があります。
- 1,005円/月のオプション料金が発生
- ハイスピートプラスエリアモードで月間7GBを超える通信を行うと、最大128Kbpsの速度制限に抵触
わたしも便利なLTEオプションを使うことがありますが、これらの注意点があるために本当に必要なときだけ使うことにしています。
小型基地局「UQ宅内アンテナ(UQフェムトセル)」はおすすめできない…
WiMAXには、無料で利用できる小型WiMAX 基地局「UQ宅内アンテナ(UQフェムトセル)」があります。
自宅でWiMAXを使う際には一見便利ですが、UQ宅内アンテナを導入するためには、「auひかり」「auひかり ちゅら」を契約する必要があるのが難点。
auひかりが自宅にあるなら、その回線のWi-Fiでインターネットにつなげればいいわけです。
何かの理由があって自宅のauひかりとWiMAXを使い分けたいときなどは便利ですが、この縛りがあるために残念ながらほとんどのユーザーは使う意味がないでしょう。
不安であれば、Try WiMAXで無料体験してみる方法も
WiMAX2+には無料で15日間お試し体験ができるTry WiMAXというシステムがあります。
簡単に以下URLから申し込めるので、電波状況が不安でWiMAXの契約に足踏みしているのであれば、利用してみてもよいのではないでしょうか。
http://www.uqwimax.jp/signup/trywimax/
15日間とは、Wi-Fiルーターを送ってもらってから返送するまでの期間なので、実質15日間試せるわけではありませんが、それを差し引いて考えてもこれだけの期間があれば、自宅から外出先からいろんな場所でWiMAX2+が使えるか試せますね。
20日以内キャンセルのルールがあるとくとくBBもある
平均3万円という高額なキャッシュバックで人気のあるとくとくBBでは、申し込んでから20日以内のキャンセルなら違約金を支払わなくてよいというサービスを独自で展開。
事務手数料3,000円や基本料金の日割り料金までは無料になりませんが、Try WiMAXが面倒であればとくとくBBを契約するのもおすすめです。
なお、20日以内キャンセルを利用する場合は、WiMAX2+を使う場所が提供エリア内であることを事前に確認することが条件なので注意して下さい。
まとめ
高い周波数の電波を利用するWiMAX2+は、周波数帯の低い電波を用いるLTEと比較すると屋内・室内でつながりにくいのは事実。
しかしあくまで比較の問題で、WiMAXが屋内・室内でつながらないわけではありません。
電波をつかめる場所の方が圧倒的に多いですし、どのような場所でつながりにくいのかわかっていれば対策も可能です。