旧WiMAXとWiMAX2+の比較【どこが進化した?退化した点はない?】

もう新規販売はされていませんが、まだ旧WiMAXを利用中でWiMAX2+への乗り換えをためらっているユーザーの方もいるのではないでしょうか。旧WiMAXは今後サービス終了が予定されているため、いつかは乗り換えなくてはならないものの、必ずしも新しいWiMAX2+の方が優れているとは言えないので注意が必要です。

ここでは旧WiMAX・WiMAX2+の違い、それぞれのメリット・デメリットを解説。WiMAX2+へ乗り換える際の参考にしてください。

Contents

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旧WiMAXとWiMAX2+とは?

WiMAXは2009年7月に、高速なモバイル通信を月間データ通信量無制限で使えるサービスとして提供開始されました。このときの通信速度は最大40Mbps。

ブロードバンド並の高速な通信速度がデータ通信量を気にせずたっぷり楽しめるとあって、当時のモバイルユーザーに衝撃を与えたものでした。

たいしてWiMAX2+はこの旧WiMAXサービスを改良した技術。サービス提供開始は2013年10月です。旧WiMAXサービスの2倍以上の最大110Mbpsでスタートしました。その後、旧WiMAXからWiMAX2+へ利用周波数の帯域をうつすことになり、WiMAX2+は最大220Mbpsに高速化。

一方の旧WiMAXはこれにより最大13.3Mbpsへ下がっています。さらに2016年12月にはWiMAX2+はそれまでの2倍の最大440Mbpsへ高速化し、両者の差はより大きくなりました。

WiMAXは今後通信速度が向上する予定はありませんが、WiMAX2+は最大1Gbpsに高速化が計画されています。WiMAX2+は、将来性の高い通信技術なのです。

旧WiMAXとWiMAX2+の比較

旧WiMAX・WiMAX2+の違いを、より詳細にみていきましょう。以下、比較表をまずはご覧ください。

旧WIMAX/WiMAX2+性能比較表

旧WIMAX/WiMAX2+性能比較表

通信速度はWiMAX2+の方が格段に速い

最大通信速度では、旧WiMAX・WiMAX2+の差は比較にならない程大きくなっています。一方、実際に計測した際の通信速度(実測値)に関しては、旧WiMAXのユーザーの声をきくと安定して数Mbps程度はでているようです。

たいしてWiMAX2+に関しては、わたしが計測する限り遅くても10Mbps台、通常は数十Mbps程度の通信速度です。他ユーザーの声を聞くと、これより遅い結果をきくこともありますが、わたしと同様か100Mbpsを超えるといった報告もあります。通信速度の差は、このように大きいです。

提供エリアはWiMAX2の方が広いが…

WiMAX2+サービスリリース当初は、提供エリアは旧WiMAXの方がはるかに広く、当時のWi-Fiルーターは両方の技術に対応せざるを得ない状態でした。

その後、WiMAX2+用の基地局は急速に増加しており、今まで旧WiMAXも対応していなかったエリアにWiMAX2+の基地局を設置することもあります。結果、現時点ではWiMAX2+の方が対応エリアは広くなっています。

人口が多いほとんどの市街地は、旧WiMAX・WiMAX2+共に提供エリア内ですが、差がでるのは郊外。以下参考までに、北海道の札幌周辺の提供エリアを比較してみましょう。

・旧WiMAXの提供エリア(2017年7月時点)

・WiMAX2+の提供エリア(2017年7月時点)

いかがですか? 札幌や小樽といった人口の多い地域はいずれも提供エリア内ですが、洞爺湖や岩内町あたりも、提供エリアに入っているのはWiMAX2+だけです。

ただしスポットによっては、旧WiMAXしか対応していないことも。以下は、鉄道での旧WiMAX・WiMAX2+の対応状況です。

・各鉄道の旧WiMAX・WiMAX2+の対応例(2017年7月時点)

つくばエクスプレスはWiMAX2+しか対応していませんが相模鉄道は旧WiMAXのみ。このように、旧WiMAXしか使えないエリアもあるので、現在旧WiMAXからWiMAX2+へ移行を検討している方は注意が必要です。

必ず以下にリンクする公式の提供エリア確認で、事前にチェックするようにしてみてください。

サービスエリア | UQ mobile / UQ WiMAX

旧WiMAXには速度制限がない

旧WiMAX・WiMAX2+共に月間データ通信量は無制限ですが、旧WiMAXのみ速度制限のルールがありません。WiMAX2+は回線の混雑を予防する目的で、以下速度制限のルールがあります。

WiMAX2+/3日間10GB速度制限

WiMAX2+/3日間10GB速度制限

大手携帯キャリアで月間20GBの大容量プランを売りにしている時代ですから、3日間で10GBというのがどれだけ余裕のある設定かわかるのではないでしょうか。

10GBのデータ通信量があれば、LINEの音声通話なら約10,000分、大量のデータ通信量を消費する動画の鑑賞でもYouTube HD画質の動画を約13時間も鑑賞できる計算です。たいていのユーザーはこの速度制限に抵触しません。

WiMAX2+の3日間10GBの速度制限にはなかなか抵触できない【実際に使ってみたレポート】
わたしの使用例をもとに、WiMAX2+の速度制限がどれだけゆるいものかを解説。具体的な例を基にして「このぐらい使っても速度制限にかからないのか」という参考になる記事です。

とはいえ、4K画質の動画を長時間鑑賞したり、大容量のファイルを頻繁に送受信したりなど、一部ユーザーの利用ではこの速度制限に抵触してしまうこともありえます。仮に速度制限に抵触すると、通信速度が概ね1Mbpsとなり旧WiMAXより通信速度が遅くなる可能性が高いです。そのためそういったユーザーにとっては、残念ながらWiMAX2+より旧WiMAXの方が使いやすいかもしれません。

WiMAX2+ならLTEオプションが使える

WiMAX2+に対応する専用のWi-Fiルーターの一部では、より提供エリアが広くつながりやすいLTEによる通信が行なえるものがあります。

これらWi-Fiルーターを持っていれば、WiMAX2+の電波がとどかない場所でもLTEによる通信が行なえるので心強いです。ただしWiMAX2+専用のWi-FiルーターでLTE回線を使う場合には、以下2つの注意点があります。

  • LTEオプション代として1,000円/月が追加 ※UQ WiMAXなどの3年縛りプランに加入すればかかりません
  • LTEが使える通信モードで月間7GBのデータ通信量を消費すると速度制限に抵触し、月末まで最大128Kbpsという低速な通信となる

7GBのデータ通信量とは、LINEの音声通話なら約7,000分、YouTubeのハイビジョン画質の動画なら約7時間視聴可能な程度。たとえば旅行や出張などで、2~3日郊外へいったりする程度であれば十分でしょう。

WiMAX2+は最新のWi-Fiルーターに対応

旧WiMAXに対応したWi-Fiルーターは、2016年以降リリースされていませんし今後も新しく登場する予定もありません。たいしてWiMAX2+は今後も定期的に新機種が登場します。

またWiMAX2+用のWi-Fiルーターは、旧WiMAXより最大通信速度が高速であるだけでなく、CAや4×4 MIMOといった通信の安定性や高速化を実現する通信技術にも対応しています。つまりWiMAX2+は旧WiMAXと比較して、最大通信速度の見た目以上に通信速度が速くなったり、安定性が増したりするということです。

まとめ(結局どっちが使いやすい?)

旧WiMAX・WiMAX2+を比較すると、旧WiMAXには速度制限がなかったり一部旧WiMAXしか使えないエリアがあったりといったメリットがあります。しかし通信速度が断然高速なのはWiMAX2+ですし、提供エリアが広いのもWiMAX2+。

また最大1Gbpsの通信に対応予定など、WiMAX2+には将来性もあります。(旧WiMAXは、2017年時点で時期は決まっていないものの、それほど遠くない将来にサービスの提供自体を終了すると考えられます。)

3日間10GBの速度制限に頻繁に抵触してしまう可能性があるヘヴィユーザーや、旧WiMAXにしか対応していないエリアで使う必要があるユーザー以外は、WiMAX2+の方が使いやすいと言えるでしょう。