WiMAX用ルーターのWX03やWX04のクレードルで電波環境が改善? 評判や検証結果から徹底解析

WiMAX用モバイルWi-Fiルーターのクレードルに搭載された拡張アンテナやビームフォーミングは効果があるのか、評判や検証結果などから解説します。またどんなときに効果がでやすいかも紹介しているので、クレードルの購入を迷っている方はこの記事が参考になります。

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そもそもクレードルとは?

まずWiMAXのクレードルを知らない方向けに、簡単に説明しておきます。クレードルとは、WiMAX用のモバイルWi-Fiルーターを設置して使う携帯の充電器のような機器で、実際、充電の機能もあります。

またクレードルにモバイルWi-Fiルーターを設置することにより、クレードルに付属したLANポートを使い有線LANでWiMAXに接続できるようになったり、WX03・WX04のように拡張アンテナを搭載したりするものもあります。

いずれにしろ、外出先だけでなく固定回線の代替えとして自宅でもWiMAXによるインターネット接続を行うユーザーに特に便利な機器。WiMAX契約時、もしくはUQアクセサリーショップなどでオンライン購入でき、価格は3,000円~4,000円です。

WX03・WX04のクレードルで電波をキャッチしやすくなるわけ

WX03のクレードルでは「3直交偏波アンテナ」、WX04では「3直交偏波アンテナ」とあわせて「ビームフォーミング」という機能が搭載され、電波の受信強度を高めています。ここでは、それぞれの機能について簡単に解説します。

3直交偏波アンテナ

さまざまな角度からとんでくるWiMAXの電波を、より強くキャッチできる機能です。WX03・WX04の両端には補助アンテナ(Wウイングアンテナ)が付属していて、クレードルにWX03・WX04を搭載することにより、全方位的に強く電波をキャッチできる3直交偏波アンテナの役割を果たします。

WX03を机にそのままおいた場合と比較して最大40%ほど通信エリアをアップさせたとの実験結果も。ちなみにWウイングアンテナ自体には、Wi-Fiの電波をより強くキャッチする機能も付属しています。

ビームフォーミング

3直交偏波アンテナがWiMAXの電波に関する機能である一方、ビームフォーミングとはWi-Fiの電波をキャッチしやすくする機能のことです。Wi-Fiの電波をbeam(ビーム)のようにform(形作)して、受信端末がある方向へより強くとばします。

ビームフォーミング自体は、ずっと前から市販の自宅用Wi-Fiルーターにもよく使われており、それだけに実績のある技術と言えます。WX04では、モバイルWi-Fiルーターとしては初めてこのビームフォーミングに対応しました。

ただしこのビームフォーミング、使うためには接続する側の端末もこの技術に対応している必要があります。たとえばiPhoneならSEや6.0以降の端末が対応しているようですが、Android系のスマートフォンは対応していない機種も多いようなので注意が必要です。あらかじめマニュアルなどで確認しておきましょう。

では実際の評判や検証結果はどうなの?

3直交偏波アンテナの評判や検証結果について

まず先行して発売されたWX03の3直交偏波アンテナについてですが、以下のように通信速度が上がったという口コミや評判がある一方で、効果が出なかった、という声もあります。

当然ですが、この機能によってどれだけの改善があるかは環境によって違うので、一概に「絶対に効果がでる」とも「出ない」ともいえません。

ただし傾向として言えるのは、そもそも「WiMAXの電波が全く届かなかった」場所で「電波をキャッチできるようになった」というより、「電波が届きにくかった(弱かった)」場所で電波が届きやすくなった、という声やより強く届くようになった、という声が多いようです。

ビームフォーミングの評判や検証結果について

2017年11月現在、WX04のビームフォーミング機能に関する検証結果は、公式が発表している「Wi-Fiスループットが約20%向上」という情報以外、他の検証結果は当サイトで探した限り見当たりません。

一方で、他のWi-Fi機器で検証した結果に関しては以下サイトのように数多く報告されています。

検証コラム「実際にやってみた」高性能無線LANで早くなる?編

【清水理史の「イニシャルB」】 Draft 11acで注目されるビームフォーミングとは何か? WZR-1750DHPでビームフォーミングの効果を計測する – INTERNET Watch

上記にあげた2つの結果はだいたい一致しており、Wi-Fiルーターと近い場所では機能の有無でそれほど差はなかった一方で、Wi-Fiルーターと離れた場所(別の階など)でビームフォーミングを使うと著しい効果が出た、とのことです。

ビームフォーミングに関しても全てのパターンで「必ず改善する」とは断言できないものの、たとえば「Wi-FiルーターはWiMAXの電波をキャッチしやすい窓際におくが、インターネットを使うのは窓際から離れたリビング」といった場合に効果的なようです。

まとめ【WX04やWX03でクレードルは購入した方がよいか】

そもそも全くWiMAXの電波が届かなくなった場所でWiMAXが使えるようになった – というまでの劇的な効果は、口コミや評判からみる限り見受けられませんが、電波が届きにくい場所、通信速度が遅い場所で通信速度が速くなった、という声は多いです。

もちろん「効果がなかった」という声も一部あるので、全ての環境に適した技術ではないものの、自宅でWiMAXを使う上に、そこがスマートフォンの電波も届きにくいことがあるような電波環境であれば、WX03・WX04のクレードルは購入する価値があります。価格も3,000円~4,000円とずば抜けて高いものではないので、これからWX03・WX04を使って1年・2年とインターネットを楽しむのであれば損はないですね。

特にWX04ならWi-Fiの電波をキャッチしやすくするビームフォーミングも搭載しているため、自宅の中でもモバイルWi-Fiルーターを設置する箇所と実際にインターネットを使う場所が離れているのであれば、よりクレードルを使う効果は高くなります。快適にWiMAXによるインターネットを楽しむためにもあった方がよいでしょう。

クレードルによって日々の充電が簡単で忘れづらくなるというメリットも見逃せません。ケーブルをじかに挿して床に置きっぱなしにするより見た目もよいですよ。