2016年12月にリリースされたWX03は、最大440Mbpsの通信に対応した国内初のモバイルWi-Fiルーター。上り通信速度も最大30Mbpsに上がったりバッテリー時間も長かったりとメリットの多いこの機種ですが、欠点もあります。
ここでは、WX03が他の機種と比較して買いかくわしく解説しています。
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WX03の仕様表
2016年12月にリリースされたWiMAX2+用モバイルWi-Fiルーター「WX03」は、国内で初めて下り最大440Mbpsという高速なモバイル通信に対応した機種です。
下り通信速度だけでなく上り通信速度に関しても、WiMAX2+としてはそれまでで最も高速な最大30Mbpsの通信に対応しました。
まずはWX03の概要をつかむために、以下仕様表をご覧ください。
WX03を選ぶメリット
最大440Mbpsの通信に対応
WX03の最大のメリットは最大440Mbpsの通信に対応していることです。
それまでのWiMAX2+の最大通信速度は最大220Mbpsですから理論値としてはその2倍。実際に利用中のユーザーのレビューをみても、下りで100Mbps近くの実効速度を記録したという声をよく見かけます。
これらのことから、高速な通信速度を重視するなら旧機種よりWX03の利用がおすすめですね。
上り通信速度最大30Mbpsにも対応
ネットサーフィンをしたり動画鑑賞をしたりなど、一般的によく使われるのは下りの通信です。
しかしファイルのアップロード、ファイル添付したメール送信など、上りの通信を頻繁に行う場合には、上り通信速度も重要。
それまでのWiMAX2+の上り通信速度が最大10Mbpsであるのに対し、WX03は最大30Mbpsと理論値ベースで3倍にもなっています。
2.4インチの大画面でタッチパネル操作が可能
一世代前の機種「WX02」は、本体でのボタン操作のみでしたが、WX03からはタッチパネル操作に対応しました。
実際に操作してみると分かりますが、ボタン操作とタッチパネル操作の快適さは格段の違いがあります。
データ通信量をみたり通信モードをかえたりなど、WiMAX2+を使い込んでいるとWiMAX2+機器本体をいじる機会は多くなりますので、できるだけ操作感のよい端末がおすすめです。
拡張アンテナを搭載したクレードルを利用可
クレードルとは携帯電話やスマホを設置する充電スタンドのような機器です。
WiMAX2+用のクレードルも同様に設置するだけで簡単に充電ができて便利。
またクレードルにはLANポートがあり、WX03のようなモバイルWi-Fiルーターを有線LAN接続する際には必要となります。
WX03ではこのクレードルに拡張アンテナ機能がついており、屋内でもWiMAX2+の電波を拾いやすくなっています。
モバイル通信では屋内まで電波が届きにくいことがあるので、自宅で固定回線代わりにWiMAX2+を利用しようと考えているユーザーはもちろんのこと、オフィスや営業所などの通信回線用にWiMAX2+を採用しようと考えているビジネスユーザーにもおすすめです。
クレードル自体は低価格で実売価格で3,000円もしません。
「バッテリー時間が短くなった」は誤り
WX03は旧機種と比較してバッテリーの持ちが悪くなったと言われることがありますが、それは正しくありません。
たとえば1つ前に販売された機種「W03」のバッテリー時間は9時30分、WX03は7時20分と表記されることがあり、これだけみるとWX03の方が劣るように見受けられます。
しかしこれはそれぞれW03で最大220Mbpsの通信を利用した場合、WX03で最大440Mbpsの通信を利用した場合なので条件が異なるのです。
条件をあわせて最大220Mbpsの通信が可能なモードで比較すると、WX03のバッテリーの持ち時間は12時間20分とW03を上回ります。
ホームページの参照やLINE・Skypeなどの利用、Twitter・Facebook・InstagramなどのSNSの利用、さらにはYouTubeのHD画質動画を鑑賞する程度であれば、最大220Mbpsの通信でも十分です。バッテリーの持ちが重要なら、普段は最大220Mbpsの通信が可能なエコモードを利用するとよいでしょう。WX03はこういった調整が可能な便利な機器といえます。
WX03を他機種と比較した際にみえるデメリット
WX03のデメリットはau 4G LTEの通信に対応していないことです。
W03・W04など比較的新しくリリースされたWiMAX2+機器はau 4G LTEが利用できることが多いものの、残念ながらWX03は対応していません。
WiMAX2+・au 4G LTEを比較すると、au 4G LTEの方が提供エリアが広く、屋内で繋がりやすいという長所があります。
そのためWiMAX2+の電波が届かないような郊外や地下街などで、インターネット接続したい際などにau 4G LTEが使えると便利。
しかし、その一方でau 4G LTEが利用可能なWiMAX2+の通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」には、以下2つの点に注意が必要です。
- 1度でも利用すると1,005円/月のオプション料金が発生
- ハイスピードプラスエリアモードで月間7GBのデータ通信量を消費すると、月末まで、au 4G LTE・WiMAX2+の両方を使った通信が最大128Kbpsに制限されてしまう
このような理由からハイスピートプラスエリアモードを利用するのは、郊外へ出張したときやクライアントと地下の会議室でミーティングする際など、「いざという場合」に限った方がよいでしょう。
逆にこれらの注意点を理解していれば、au 4G LTEの通信は非常に有効。特に仕事などで頻繁にモバイルWi-Fiルーターを使う機会があるのであれば、au 4G LTEに対応した機器がおすすめです。
WX03は買いか?
1つ後にリリースされたW04はau 4G LTEにも対応している上、その他の点でも以下の通りWX03とほぼ同等の機能を有しています。
そのため外出での利用がメインならW04の方がおすすめ。
一方WX03はクレードルを購入すれば拡張アンテナが利用できるので、自宅で固定回線代わりにWiMAX2+を利用する場合で、なおかつそこがモバイル通信の電波が届きにくいような屋内であればおすすめできます。
まとめ
WX03は下り最大440Mbps、上り最大30Mbpsの通信に対応していたり、バッテリー時間が長かったりといったメリットがあるものの、繋がりやすくいざという時に使えるau 4G LTEの通信に対応していないため、外出先での利用メインならW04の方がおすすめです。
一方、自宅で固定回線代わりに使う機会が多いなら、拡張アンテナが利用できるWX03を選ぶメリットもあります。使い方に応じてどちらかを選ぶと良いでしょう。