WiMAX2+とよく比較される公衆無線LANサービス。
比較すると使い勝手は断然WiMAX2+の方がよいものの、公衆無線LANサービスにしかないメリットもあるので、それぞれのサービスの特長を理解してかしこく使い分けるのがおすすめです。
この記事ではそれぞれのメリット・デメリットの解説からおすすめの公衆無線LANサービスの紹介までしています。
Contents
WiMAXと公衆無線LAN ? それぞれの簡単な概要
WiMAX2+は固定回線にも負けない高速なモバイル通信が、月間データ通信量無制限で使える人気のサービス。
モバイル通信のヘヴィユーザー達に好まれているサービスです。
たいして公衆無線LANとは、飲食店や鉄道、空港、観光地などなどさまざまな場所に設置された無線LANによる通信サービスのこと。
月額数百円程度で利用できるサービスから、最近では無料で利用できるスポットも多くなっています。
モバイル通信の事業者がネットワークの混雑を予防する目的で利用者に提供したり、増加する外国人観光客のサービス目的で設置されていたりと、公衆無線LANは今後どんどん便利に使えるようになっていくでしょう。
両方とも外出先でインターネット接続するのに使い勝手のよいサービスであることから、「WiMAX2+契約してるから公衆無線LANはいらないや」とか、「公衆無線LANのスポットがまわりにいっぱいあるからWiMAX2+をわざわざ契約することないよね」と考えているユーザーも多いことでしょう。
ここでは実際のところ、どっちがどう必要か不要かを判定するための比較をします。
それぞれのメリット・デメリットを把握してWiMAX・公衆無線LANをかしこく使いこなせるようになりましょう。
WiMAXと公衆無線LAN – どっちが必要かを判断する全比較
ポイント1:どこで利用する?
公衆無線LANのスポットは、街にあふれているとはいえ飲食店や鉄道の駅など決まった場所でしか使えません。
一方WiMAX2+は電波さえ届く場所であればどこでも利用可能。
その意味では、両者を比較するとWiMAX2+の方がはるかに便利です。
とはいえ、建物の奥まった場所や地下などではWiMAX2+の電波が届かず利用できないことがあります。
公衆無線LANは地下街や電波の入りにくい建物内にも、設置されていることもありますから、その場合は言うまでもなく公衆無線LANの方が使えます。
全体として比べれば、電波が届けば使えるWiMAX2+の方が使える場所が圧倒的に多いものの、だからといって「公衆無線LANは必要ないね」ともいえません。
もっと迷わせてしまうことをいうと、公衆無線LANが使えるとうたっているスポットだからといって、「確実にそこで使える」とも言えないのが難しいところ。
たとえば3階建ての飲食店があったとして、Wi-Fiルーターが3階席に設置してあれば2階席・1階席では電波が届かないか届いても非常に通信速度が遅いということもあるのです。
この場合は「ここは公衆無線LANのスポットだからWiMAX2+は必要ないね」とも言えません。
ポイント2:通信速度はどっちが上?
公衆無線LANは1つの回線契約を近くにいるユーザーが共有して使います。
一方のWiMAX2+は、当然ながら自分の契約している回線を1人で占有して使えるためその分だけ有利。
私が使っている限り、WiMAX2+は遅くても10Mbps程度、速ければ数十Mbpsを超えますが、公衆無線LANは一般的には数Mbps程度、通信速度が遅いところでは1~2Mbps未満のことも少なくありません。
とはいえ両者を比較して「確実にWiMAX2+の方が高速」とはいえません。
というのは、公衆無線LANが使っている回線はスポットによってさまざまで、WiMAXやLTEのようなモバイル回線を使っているところもあれば、高速な光回線を使っているところもあります。
そして、そのスポットで利用ユーザーが少なければ同じ場所でWiMAX2+を使っているよりも高速で、スポットによっては10Mbpsを超えるような高速な通信を使えることも。
結局はスボット毎に確かめるしかありません。
ただ確実に言えるのは、例えばHD画質のようなきれいな動画をみるだとか、安定して高速な通信が使えるWiMAX2+の方が有利、といえるでしょう。
もちろん、地下などでWiMAX2+の電波がとどきにくいところでは公衆無線LANの方が高速なこともしばしばです。
ポイント3:どっちがつながりやすい?
決まったスポットでしか使えない公衆無線LANと比較すれば、電波をつかめさえすればどこでも使えるWiMAX2+の方が圧倒的に「つながりやすい」とはいえるでしょう。
ただWiMAX2+の提供エリア外に設置されている公衆無線LANのスポットも数多くあります。
また繰り返すようにWiMAX2+の電波が届かない場所に公衆無線LANが設置されていることもあり、必ずしもWiMAX2+があれば「公衆無線LANが必要ない」とは言えません。
さらに難しいのは、これも上に書いたように公衆無線LANのスポットだからといってどこでもつながるとは言えないということ。
Wi-Fiルーターの設置個所から離れた場所では、同じ店舗内などでもつながらないこともあるのです。
ポイント4:セキュリティはどっちが上?
これに関しては断然WiMAX2+の方が上です。
公衆無線LANは、無料で提供されている利用できるサービスやスポットはもちろんのこと、有料の場合でも無線LANの通信が暗号化されておらず通信内容の盗聴が簡単にできるスポットが多くあります。
また仮に暗号化されているとしても、共有して利用するという都合上、同じ暗号化キーが使われることがほとんど。
そのため暗号の強度にかかわらず、「暗号化されているから安心」とは言えません。
ちょっとした器具ですぐに外せてしまう南京錠が取り付けてあるぐらいは安心、と例えるとわかりやすいでしょうか。
「ないよりかはいいね」ぐらいなものです。
一方のWiMAX2+は契約者にしかわからない暗号化キーが設定されているので、公衆無線LANと比較するとはるかに安全です。
ただし最近はSSLで暗号化されるサイトが増えているので、仮に無線LANの通信が暗号化されていなくてもただちに危険とも言えないのが難しいところ。
とはいえ、SSLで暗号化されていない通信は筒抜けですし、SSL暗号化にも強度がさまざまなので、いずれにしろ無線LAN部分の暗号化が十分でなければ安心できません。
そのため公衆無線LANを使うのであれば、画面を覗き見される可能性が常にあるくらいに思っておくとよいです。
公衆無線LANの利用は仮に見られても困らない通信のみに限るとか、ID・パスワードを入力するようなセキュリティ上重要な通信を行う際はSSLで暗号化されているかチェックするのがよいでしょう。
ポイント5:どちらが手間なく使える?
設定が簡単で使いやすいのはWiMAX2+でしょう。
というのはWiMAX2+なら手元のWi-Fiルーターを一度設定してしまえば、基本的にそれで終わり。
一方の公衆無線LANはサービス毎に利用可能なスポットがさまざまで、いろいろなスポットを網羅したければ複数のサービスを利用しなければならず、もちろんサービス毎に設定を行う必要が理あります。
その分、WiMAX2+の方が手間はないといえます。
結局どっちが使い勝手が上?
さて4つのポイントでWiMAx2+と公衆無線LANを比較しましたが、どちらが使い勝手が上かもやもやしている人も多いのではないでしょうか。
以下、ここで比較したポイントを簡単な表にまとめてみます。
こうしてまとめてみると、全体的にはWiMAX2+の方が使い勝手が良いとはいえそうです。
しかしながら、いろいろと注意書きしたようにWiMAX2+にない公衆無線LANのメリットも多く「WiMAX2+があるから公衆無線LANがいらない」とはいえません。
WiMAXと公衆無線LANはむしろかしこく併用すべき
WiMAX2+と公衆無線LANは比較して「どちらだけが必要」というより、かしこく併用するのがよいでしょう。
基本的には電波が届く場所でどこでも使えて通信速度も安定したWiMAX2+の方が使いやすいです。
しかしWiMAX2+の電波が届かない場所や提供エリア外で使える公衆無線LANも数多くあり、併用すればよりモバイルでのインターネット環境を強化することができます。
それぞれの特長やメリットを理解して使い分けるのがおすすめです。
おすすめの公衆無線LANサービス3選
Japan Connected-free Wi-Fi – 無料で使える
日本全国に15万のアクセスポイントを備える無料のWi-Fiアプリ。
メールアドレスかSNSアカウントがあればだれでも利用可能です。
Wi-Fiスポットの設置個所はセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートといった大手コンビニからケンタッキー、ロッテリア、コメダ珈琲のような飲食店、ショッピングセンター、鉄道の駅、全国の観光地などさまざま。
無料な上に多くのスポットで利用できるので全ての人におすすめできるサービスです。
ただし、対応はAndroid・iOSのみでパソコンで使えないのが難点。
http://www.ntt-bp.net/jcfw/ja.html
Wi2 300 – 日本ではシェア随一
次世代無線LAN規格「11ac」に対応したWi-Fiスポットもある公衆無線LANサービス。
Japan Connected-free Wi-Fiと違いパソコンなどその他のWi-Fi対応機器でも使える他、マクドナルドやガスト、ジョナサン、スターバックスなどなど、ゆっくりできる飲食店で使えるスポットも多い印象です。
基本料金は月額362円。
その他オプションエリアと呼ばれるWi-Fiスポットを利用する際は、別途100円/時間の追加料金が発生します。
6時間325円~の短期利用も可能。
ワイヤレスゲートWi-Fi – 世界各国にWi-Fiスポットあり
全国40,000ヶ所、世界およそ2,000万ヶ所のWi-Fiスポットが利用できる公衆無線LANサービス。
こちらもAndroid・iOS他のWi-Fi対応機器で利用できます。
マクドナルドやスターバックスなど一部エリアはWi2 300と共通です。
月額料金は537円。
http://www.wirelessgate.co.jp/service/wifi.html
その他の公衆無線LANサービス
WiMAX2+サービスによっては、公衆無線LANをオプションとして提供しています。
代表的なのがUQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」が提供するUQ Wi-Fiプレミアム。
一部新幹線の車内や地下鉄駅ホームなどで使える「UQ WiFi」と、上記で紹介したWi2 300(一部を除く)が無料で使えるお得なオプションです。
UQ WiMAXは月額料金が他社と比較して高い傾向にあるものの、こういったオプションを考慮すると一概に高いといえないことがあります。
その他、Wi2 300やワイヤレスゲートを有料オプションとして提供するWiMAX2+サービスもいくつかあります。
しかし値段をよく見ると直接それぞれのサービスと契約する場合と料金が変わらないことも多いので注意しましょう。
そのオプションがあるからといって、サービス選びの基準にはできません。
まとめ
電波さえ届けばどこでも使える利便性や通信速度、セキュリティの高さなどで、WiMAX2+は公衆無線LANより断然使い勝手は上です。
しかしWiMAX2+の電波が届かないエリアでも公衆無線LANならインターネットにつなげる場合があるなどのメリットがあるのも事実。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解してかしこく併用しましょう。
モバイルでのインターネット環境が強化され、より快適に使えるようになりますよ。