WiMAXのホームルーターは基本的に自宅で利用するための機種なので、外出先でのインターネット接続に役立つハイスピードプラスエリアモードはいらない、という声はよく聞きます。けれど現在は、ホームルーターでもハイスピードプラスエリアモードが無料となる代わりに3年の縛りがある契約しかえらべないプロバイダがほとんどです。
この点に不満を持つユーザーは多いようですが、改めて考えてみると必ずしもホームルーターでハイスピードプラスエリアモードが役立たないわけではありません。
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ハイスピードプラスエリアモードとは?
簡単にハイスピードプラスエリアモードとは何か振り返っておきましょう。WiMAX(WiMA2+)では、インターネット接続するための通信モードとして以下の2つがえらべます。
通信モード | ハイスピードモード | ハイスピードプラスエリアモード |
内容 | WiMAX回線でインターネット接続 | 基本的にWiMAX回線で接続するが、WiMAX回線が圏外の場合は、よりつながりやすいLTE回線に切り替える |
月間データ通信量 | 無制限 | 月間7GB |
料金 | 追加料金なし | 月1,005円の追加料金が発生 |
ハイスピードプラスエリアモードは月間7GBまでの制限はあるものの、外出先でWiMAXが圏外になった際には便利な通信モードです。WiMAXの電波が届くエリアは全国に広がっているとはいえ、WiMAXより前からサービス提供されているLTEの方がつながりやすいのは否めません。
たとえば地下鉄や郊外などでは、WiMAXはつながらないがLTE回線ならつながる、ということはあります。くわえてWiMAXの契約期間の縛りを2年→3年にすれば1,005円/月が無料となるため、好んで3年契約をえらぶユーザーもいます。
ホームルーターでハイスピードプラスエリアモードが不要と言われる理由
便利ハイスピードプラスエリアモードがなぜホームルーターで不要と言われるのかというと、ホームルーターの使い方に理由があります。
ホームルーターは基本的に自宅のみで利用される機種であり、ホームルーターを使うお宅はWiMAXの電波がしっかり届いている筈です。WiMAXの電波が自宅に届いていなければ、ホームルーターは使えないからです。
そのためホームルーターのユーザーからすれば、LTE回線は特に必要なく、不要なハイスピードプラスエリアモードが無料と言われても3年契約のメリットを感じない、ということになります。
ホームルーターでハイスピードプラスエリアモードが活用できるシーン
上で説明したように、自宅専用のホームルーターにハイスピードプラスエリアモードは必要ない、と考える人は多いでしょう。けれど実は、工夫次第でホームルーターでもハイスピードプラスエリアモードを便利に使える場合もあります。以下、その例を3つ紹介します。
旅先などにホームルーターを持ち出す
ホームルーターはバッテリーを搭載していないものの、電波が届いてAC電源があればどこでも利用が可能です。そのため、たとえばWi-Fiがないような旅先のホテルへ泊まる際などに、ホームルーターを持っていけば旅先でインターネット接続が可能です。
そのほか、今はやりの車泊をする際は、シガーソケットやモバイルバッテリーをAC電源へ変換する機器があれば、車の中でホームルーターを利用することも可能です。ビジネスで利用しているのであれば、セミナーなどのイベントの際にゲストへWi-Fi環境を提供するためにホームルーターを利用するといった使い方もあります。
そのような際に、そこでWiMAXの電波が届かなければハイスピードプラスエリアモードが便利です。
バックアップ回線として利用する場合
ハイスピードプラスエリアモードがあることによって、WiMAXはあらかじめバックアップの回線が用意されているようなものです。稀ではありますが、障害などでWiMAXが使えないこともないわけではありません。
そんなときにハイスピードプラスエリアモードがあれば、インターネットに接続することができます。
一時的に高速な上り通信速度を利用したい場合(一部エリアのみ)
ホームルーターによってはハイスピードプラスエリアモードを利用することによって、最大通信速度が速くなることがあります。くわえて最大通信速度が一部エリアに限られていることもありますが、条件さえみたしていれば、大容量のデータを少しでも早く送受信したい際など、一時的にハイスピードプラスエリアモードを使うのもよいです。
もちろん月間7GBの制限があるため、容量には気を付けなくてはなりませんが、シーンによっては検討してもよいでしょう。
まとめ
月間7GBという上限があるハイスピードプラスエリアモードは、つながりやすいとはいえWiMAXのホームルーターでは使う機会が少ないかもしれません。けれどホームルーターも外出先で使えるので電波が届かない場所でハイスピードプラスエリアモードが使えたり、バックアップ回線代わりになったりなど決して意味のない機能ではありません。
現在ほとんどのWiMAXのプロバイダでは、ハイスピードプラスエリアモードが無料となる3年契約しか受け付けていないことが多いので、ホームルーターをえらぶ場合にもハイスピードプラスエリアモードを有効に使うようにするとよいでしょう。