WiMAXを快適に利用したい場合、速度測定はかかせません。ここではWiMAXで速度測定を行うメリットから、おすすめの速度測定サイト・アプリの紹介、注意点についてまとめて解説しています。
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WiMAXで速度測定するメリットは?
通信速度を測定するメリットは、ずばりその環境でのWiMAXの通信品質を客観的な数値として知れることでしょう。
インターネットを利用していて、「ホームページが開くのが遅いな」とか「動画の画質が荒くてみにくいな」と感じることはあると思います。そんなときに通信速度が原因か否かがわかれば、理由が分からず余計なストレスを感じることはないですし対策をうつこともできます。
たとえば、YouTubeのHD(ハイビジョン)画質の動画をみるのであれば、通信速度は、5~6Mbps程度は欲しいところです。ただそういった知識がなく、また通信速度がどのくらいでていないかわからないと、HD画質の動画を再生してもよく止まったりする理由がなんなのか把握することはできません。(速度以外に端末の性能やブラウザの不具合、YouTube側の障害なども考えられます。)
逆に「あ、3Mbpsしか出てないからよく止まるんだ」などと理由がわかれば、他の回線を使うとか、その場は画質を落として視聴するなどの対応策がとれます。
インターネットを使うのが慣れて、「これはこのぐらいの速度があれば快適に使えるな」といった知識が蓄積してきた中級者・上級者ほど通信速度の測定を有効化に活用していることでしょう。
WiMAXで速度測定する際にみるべき項目3つ
一口に速度測定といっても、どういった項目があってそれぞれどういう意味があるのかわからない方も多いのではないでしょうか。速度測定の際に表示される数値はいくつかありますので、それぞれの意味を理解していないと、正しく速度測定の結果を活用することはできません。
ここでは、速度測定の際にみるべき3つの項目について簡単に解説します。
下り通信速度
ホームページや動画をみたり、ウェブからなんらかの情報をダウンロードしたりする際のインターネットの通信速度です。WiMAXでモバイル通信する際に、最もよく利用する通信の速度といえます。
一般的には、通信速度が5~10Mbps程度あればたいていのインターネットが快適に利用できます。
上り通信速度
サーバーにファイルをアップロードしたり、動画のライブ配信をしたりする際にチェックすべき通信速度です。「サーバーにファイルをアップロードする」とは、例えば「メールを(添付ファイルなどをつけて)送信」「オンラインストレージに手元のPC・スマホなどからファイルを移動(保存)する」「Twitter・LINE・Facebookなどに投稿する」といった場合を指します。ただ下り通信速度と比べると、上り通信速度が重要となるシーンは圧倒的に少ないです。
上り通信速度は、もちろん速ければ速いほどアップロードがすぐにすみますが、たいていは数Mpbsあれば十分、1Mbps未満であると遅いと感じるシーンが多くなるかもしれません。一方ライブ配信をする際にも、(配信に使うサービスによって大きく異なりますが)やはり数Mbpsの通信速度がほしいところです。
PING値
サーバーへアクセスした際にサーバーから応答が返ってくるまでの時間で、ms(1,000分の1秒)で表します。特にPING値を気にする必要があるのは、オンラインゲームのように通信品質が厳しく問われる通信を行う際です。
例えばオンラインゲームでは、この値がよくないと(50msより長いなど)、ラグが多く発生するなど快適に遊ぶことができない上に、他のプレイヤーに迷惑をかけてしまうことがあります。ラグとは、たとえばプレイ中に突然動作が停止したり、動作が遅くなったりするような現象のことです。
使う速度測定サイトやアプリによって結果が違う?
速度測定を行うにあたって注意が必要なのは、利用するサイトやアプリによって結果に差が出ることです。その主な理由は、まずサイト・アプリにより速度測定の際に使う技術が異なっているため。ダミーとなるデータをダウンロードされることで速度測定を行う方法、HTML5・FLASHといった技術を使う方法など、一口に速度測定といってもさまざまな方法があるのです。
その他、測定した速度を算出する際の計算方法が違ったり、測定サイト・アプリにアクセスする経路がネットワークによって異なりそれが測定結果に影響したりなど、いろいろな理由があげられます。
また速度測定をするタイミングによって、利用する回線の混雑度・負荷の度合いも刻々と変わるのも理由の1つ。仮に同じサイト・アプリを使っていたとしても、測定する時間が少しズレるだけで結果が大きくかわることもしょっちゅうです。
極論を言ってしまうと、どこのサイト・アプリで速度測定をしたとしても、「100%正確な通信速度を図ることはできない」といってよいでしょう。そもそも何をもって「100%正確というか」もサイト・アプリによって考え方が異なると思います。
いずれにせよ、測定サイト・アプリの結果は参考値にとどめるようにしましょう。ただ「参考程度」であっても、全くないより有益です。
不安なときは複数のサイト・アプリを使ってみるのも手
そのため仮に1つのサイトでの測定結果が正確か不安な場合は、複数のサイト・アプリを使ってみるのも手です。以下でおすすめの測定サイト・アプリを紹介しますが、不安なときはそれぞれの結果を比較してみるとよいでしょう。
おすすめの速度測定サイト・アプリ
ここで多くのユーザーに活用されている信頼性の高い速度測定サイト・アプリを厳選して紹介します。
SPEEDTEST.net(ブラウザ版)
多くの技術者も利用するという速度測定サイトです。技術者が利用していると聞くと使い方が難しいかもしれないと不安になる方もいるかもしれませんね。しかし実際には上記サイトへアクセスし「GO」というボタンを押すだけで測定ができるので、速度測定サイトの中でも簡単に使える部類に入ります。下り(DOWNLOAD)・上り(UPLOAD)の通信速度の他、PING値についても計測できます。
SPEEDTEST.net(アプリ版)
上記SPEEDTEST.netのアプリ版です。Android・iOSいずれでも利用でき、スマホやタブレットなどで外出先にて速度測定する際に役立ちます。こちらもワンタップで簡単に速度測定が可能。ブラウザ版同様に下り・上り・PING値の通信速度を記録できるうえ、過去の測定結果も簡単にみることができます。(アプリ版は日本語にも対応)
Google (M-Lab)
Googleで「スピードテスト」というキーワードで検索すると表示されます。Googleが提携しているM-Labというインターネット研究所の速度測定で、Google検索で簡単にアクセスできるのと一定の信頼性があるのが魅力。ただし計測できるのは下り・上りの通信速度で、PING値は測定できません。
RBB SPEED TEST
SPEEDTEST.net(アプリ版)に並んで人気の高い定番の速度測定アプリです。こちらもワンタップでの速度測定が可能な上に、下り・上りの通信速度及びPING値の測定が可能。過去の履歴を確認する機能もあります。その他、全国平均と比較できるのも特徴的。
個人的にはSPEEDTEST.net(アプリ版)の方が画面がみやすく使い慣れているので、SPEEDTEST.netの方を使っていますが、RBB SPEED TESTを使ってもよいと思います。もしくは2つインストールして普段は使いやすい方を利用し、結果が疑わしいと思ったときにもう一方も使ってみるという使い分けをしてもよいでしょう。
YouTubeの動画鑑賞時に通信速度を確認する方法
これはPCで通信速度を確認する方法です。YouTubeの動画再生中の画面で右クリックをすると「詳細統計情報」というメニューが現れます。これをクリックするとYouTubeサーバー間と通信する際の下り通信速度(Connection Speed)が確認できます。
実際に動画を再生している中での通信速度が表示されるので、比較的信頼性の高い値である反面、あくまでYouTubeとの通信に限った速度なので偏りがあるとは言わざるを得ません。他の方法以外でもしらべたいとき、YouTubeの動画再生がうまくいっていないとき(画質が悪いなど)にこれで通信速度を確認してみるのもよいでしょう。
【注意】速度測定では100MB超のデータ通信量を消費することもある
特に速度制限があるモバイル通信利用時には、この点を覚えておきましょう。サイト・アプリにもよりますが、速度測定によって多少容量の重いデータがやりとりされることになります。特に通信速度が速いほどデータ量が重くなる傾向があり、1度の計測で100MBを超えるデータ通信量を消費することもあります。モバイル通信で数GB程度の小容量プランを使っている場合は、特に気を付けてください。
これだけあれば十分! WiMAXに求めたい通信速度はこのくらい
一般的に、ホームページをみたり動画を視聴したりする程度では、それほど高速な通信速度は必要ありません。5Mbps~10Mbps程度あれば、ほとんどのインターネットが快適に利用できるはずです。
通信速度の目安については、以下記事で豊富な具体例をあげてくわしく解説しているので、興味があればあわせてご覧ください。
まとめ
WiMAXで速度測定を日常的に行っていると、思うようにインターネットが使えない(表示が遅い、動画の画質が粗くてみにくいなど)ときにその原因が速度にあるのか否かがわかって便利です。
ただ速度測定と一口にいってもサイト・アプリによって結果が違ったり、速度測定で膨大なデータ通信量を消費したりすることもあるので注意しましょう。また「100%確実に正しい速度測定」というのはまずありえません。サイトやアプリで計測した結果は参考程度にとどめ、速過ぎる・遅過ぎるなど結果に納得できない場合は複数のサイト・アプリで試すようにしましょう。