WiMAXにプロバイダ契約が必要か、考える際にはそもそもプロバイダとは何かを考えなければなりません。厳密にいうと、フレッツ光のように、WiMAXにはプロバイダサービスを提供する事業者がないからです。
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必要か否か考える前に – そもそもプロバイダって何?
WiMAXを使うにあたってプロバイダ契約が必要か否か、この問題について考える前に「そもそもプロバイダとは何か」を考えてみましょう。
インターネット上のIT用語辞典として有名な「e-words」では、プロバイダ(インターネットサービスプロバイダ【ISP】)を以下のように定義しています。
ISPとは、公衆通信回線などを経由して契約者にインターネットへの接続を提供する事業者。「プロバイダ」と略称されることが多い。インターネットに接続された通信拠点施設をサービス提供地域内に設置・運用しており、契約を結んだ個人・法人の顧客から通信会社(電話会社)の広域回線網(電話回線や光ファイバー回線)を通じて接続を受け付けている。
引用元:ISPとは? – IT用語辞典
これはフレッツ光を例にとると分かりやすいと思います。フレッツ光では、光回線をNTT東日本・西日本が運営し、各プロバイダがその回線を用いてインターネット接続サービスを提供していますよね。そのイメージが以下です。
フレッツ光の回線は、各プロバイダのインターネット接続用の設備に接続するための足回りとなります。フレッツ光回線からプロバイダ設備へ接続し、プロバイダ設備を通してインターネットへ接続するわけですね。だからフレッツ光では、インターネット接続するためにプロバイダとの契約が必要になります。
WiMAXサービスの提供事業者はプロバイダではない
この定義に従って考えると、Broad WiMAXやとくとくBBなどのWiMAXサービス提供事業者は、厳密にいうとプロバイダではないことになります。これらの事業者は、上記で説明したような、インターネット接続用の設備を運営しているわけではないからです。
基本的にWiMAXによるインターネット接続を販売・提供する事業者は、WiMAX回線(フレッツ光にあたる)やインターネット接続用の設備を、全てWiMAX回線を運営するUQコミュニケーションズから借り受けてサービス提供しています。
言い換えると、フレッツ光でいうところのプロバイダのように、とくとくBBやBroad WiMAXは自社でインターネット接続のための設備を持っているわけではありません。
実際、UQコミュニケーションズのホームページでは、とくとくBBやBroad WiMAXのことをプロバイダとは呼ばず、通信事業者と呼んでいます。その理由は、これらの事業者がプロバイダではないからです。
ユーザーはプロバイダを意識する必要がない
ちょっと話がややこしくなってしまったかもしれませんね。
そもそも「プロバイダ契約がいる? いらない?」という疑問は、フレッツ光というアクセス回線とインターネット接続用のプロバイダ設備を別々に販売しているフレッツ光のユーザーならではかと思います。それ以外のユーザーは「プロバイダ契約はいるか、いらないか」意識することなく、専用の契約をしてインターネットを利用しています。
WiMAXもそれと同じことです。とくとくBB・Broad WiMAXのような通信事業者と契約すれば、プロバイダの有無を意識する必要なく、WiMAXによってインターネット接続ができるようになります。
その理由は上述したとおり、これらの事業者は、WiMAX回線・インターネット接続用の設備の全てをUQコミュニケーションズから借り受けサービス展開しているからです。どこの事業者と契約しても、WiMAXの通信品質がかわらないと言われるのはこれが理由です。
でもインターネットには「WiMAXプロバイダ」という言い方で溢れている
インターネット上では、とくとくBBやBroad WiMAXなどを「WiMAXのプロバイダ」と呼んでいるホームページが数多く見受けられます。(当サイトもそうです)価格比較で有名な価格.comも、「WiMAXのプロバイダ」という風に呼んでいます。
プロバイダじゃないのにプロバイダと呼ぶ…。
これが混乱の原因になってしまっているようにも思いますが、その理由はプロバイダという呼び方が世間的に浸透しており、インターネットサービスの提供会社としてこの呼び方が分かりやすいからです。
WiMAXによるインターネット接続サービスの提供方式は、フレッツ光などと比較すると珍しいかもしれません。フレッツ光にしろ、格安SIMにしろ、提供元であるプロバイダはちゃんとインターネット接続用の設備を自営しています。
まとめ – プロバイダが必要か否か考えるのはやめよう
とくとくBBやBroad WiMAXなどの通信事業者は全て、WiMAXによるインターネット接続に必要な回線や設備を全てUQコミュニケーションズから借り受けてサービス提供しています。
これらの通信事業者は、インターネット接続用の設備を自営しているわけではないので、正確にはプロバイダではありません。しかし、インターネットに必要な設備を全てユーザーに提供してサービス展開しているため、ユーザーは「プロバイダが必要か否か」意識する必要がなくWiMAXによるインターネット接続を利用することが可能です。
便宜的に当サイトでもこれら通信事業者を「プロバイダ」と呼んでいますが、これはユーザーにわかりやすくするためです。