WiMAX2+の速度が遅い「本当のところ」の原因と対策

同じWiMAX2+回線を使っていても、環境や設定によって通信速度が遅くなることがあります。

その際にまず疑うべきはWiMAX2+の電波状況ですが、その他、速度制限やWi-Fiの電波環境などを見直す必要があります。

それぞれ対策がありますから、あらかじめその内容を把握しておいていざというときに慌てないようにしましょう。

Contents

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通信速度が遅い原因はたいていWiMAX2+の電波状況

WiMAX2+で通信速度が遅い原因の多くは電波が十分に届いていないこと。

WiMAX2+だけに限った話でなく、電波がきちんと受け取れていなければ低速になるか全くつながらなくなることもあります。

通信速度が遅いと感じた際には、何はなくともまずはWi-Fiルーターの電波表示を確認してみてください。

WiMAX2+では屋外より屋内、見晴らしのよい場所より電波の障害になるような高い建物に囲まれた場所の方が電波状況が悪くなるので、より電波をつかみやすそうな場所で通信速度を図ってみるのがおすすめです。

電波状況が原因かどうかの切り分けができるため、トラブルシューティングが早くなります。

また当然ですが、WiMAX2+の提供エリア外だったり提供エリア内でも判定で「△」になる場所だったりすると圏外になるか通信速度が極端に遅くなる可能性があります。

提供エリア「△」

提供エリア確認は以下URLで行えるので、「この場所だと遅いな」と感じた際はぜひ試してみてください。

http://www.uqwimax.jp/area/

WiMAX2+の電波状況がわるい場合の対策

対策1:電波状況のよい場所に移動する!

これは当たり前ですね。

提供エリア内、もしくは屋外(もしくはできるだけ屋外に近い場所)、周りに建物が少ない場所がよいです。

ただし見晴らしの良い場所であっても、ビルの高層階や広い公園内では電波が届かないことがあるので注意が必要です。

対策2:窓際(もしくは近い場所に)Wi-Fiルーターを設置する

WiMAX2+窓際接続

屋内であっても窓際であると、飛躍的に電波状況がよくなる可能性があります。

屋内で通信速度が遅いと感じたら窓際にWi-Fiルーターを設置して通信速度を確認してみてください。

屋内ではWi-FiでスマートフォンやPCとWi-Fiルーターの距離を調整します。

また飲食店でWiMAX2+に接続する場合、できるだけ窓際に近い席をえらぶと快適にインターネットが使えることが多いです。

対策3:電波を強く受信できる機器を使う

WiMAX/クレードル/拡張アンテナ

たとえばWiMAX2+のモバイルWi-Fiルーターのうち、WX03であればクレードルに拡張アンテナが付属しています。

すでに他のWi-Fiルーターを購入している場合はこの方法が使えませんが、これからWiMAX2+を契約する場合やWX03を持っている場合はこの方法も検討するとよいでしょう。

対策4:即席のパラボラアンテナを利用する

WiMAX/パラボラアンテナ

アルミ箔をまいたボウルとまな板スタンドなどを使って即席のパラボラアンテナを利用することで、通信速度が数倍に向上したという口コミをよくみかけます。

作り方は簡単。

アルミ箔をまいたボウルとWi-Fiルーターをまな板スタンドに設置。

あとは反射した電波がWi-Fiルーターに集まりやすいように(できるだけ中央)調整するだけ。

この方法はもちろん外出先では使えませんが、自宅で使う分には有効です。またまな板スタンドに変わるようなちょっとおしゃれな雑貨を使ったりすれば、インテリアも邪魔しないですよね。

対策5:WiMAX2+ルーターでLTE接続をする

WiMAX2+が使えるWi-Fiルーターの中には、WiMAX2+より低周波で電波が届きやすいau 4G LTEの通信に対応したものがあります。

対応のルーターでは、通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えることで、WiMAX2+の電波が届きにくい場所で自動的にLTEの通信に切り替わります。

WiMAX2+ハイスピートプラスエリアモード

たとえばWiMAX2+のWi-Fiルーターの1つ「W04」なら、ルーター本体から、「設定」→「通信設定」→「通信モード設定」とすすみハイスピードプラスエリアモードを選択すれば、それだけでLTEの通信が利用できます。

ただし、このモードを利用する際は以下にあげる2つのデメリットがあるので注意してください。

  • 月間7GBのデータ通信量を消費すると、速度制限により月末まで最大128Kbpsと低速になる
  • 1度でも使うと、1,005円/月のオプション料金が発生

そのためこのモードはどうしても必要なときにだけ使うのがよいでしょう。

電波状況以外に考えられる速度が遅くなる原因

WiMAX2+の電波状況ほどでないにしろ、以下にあげる理由で通信速度が遅くなる可能性があります。

速度制限に抵触している

月間データ通信量が無制限のWiMAX2+ですが、回線の帯域が足りなくなってしまうのを防ぐために以下速度制限のルールが設けられています。

3日間10GB速度制限

3日間10GB速度制限

ただしこの速度制限に抵触するユーザーは少ないと想定されます。

モバイル通信では月間20GBを超える大容量プランに対応し始めていますが、WiMAX2+ではその半分にあたる容量を3日のうちで消費しないとこの制限に抵触しないわけです。

さらに多くのモバイル通信が速度制限時の通信速度を最大128Kbpsや最大200Kbpsという低速に設定している一方で、WiMAX2+は概ね1Mpbs。

最大200Kbpsなどでホームページの閲覧をするのも表示に時間がかかり快適ではありません。

たいして概ね1Mpbsなら、高画質な画像が多用されていたり容量の重いきれいなFLASH動画が掲載されていたりするページでなければ、速度制限に抵触する前とほぼ変わらぬ快適さで閲覧できますし、表のとおりYouTube標準画質の動画は鑑賞可能です。

WiMAX2+での月間7GBの速度制限とは

WiMAX2+では3日間10GBの速度制限以外に、月間7GBのデータ通信量を消費した際の速度制限もあります。

この速度制限に抵触すると月末まで最大128Kbpsに通信速度が制限されます。この速度制限は以下2つのパターンが対象です。

  • ギガ放題プランより低価格な通常プランを契約した際
  • LTE回線が利用可能なハイスピードプラスモードで、月間7GBのデータ通信量を消費した際

たとえばYouTube動画を鑑賞すると、以下表に記載の時間で7GBというデータ通信量が消費されます。

7GB・YouTubeデータ通信量目安

7GB・YouTubeデータ通信量目安

LINEでのメッセージ送受信や音声通話、ネットサーフィン程度では、通常月間7GBのデータ通信量が消費されることはありませんが、動画を鑑賞するように膨大なデータ通信量が消費されるような通信を頻繁に行う場合は、ギガ放題プランをえらぶのがおすすめ。

またハイスピードプラスエリアモードの利用は、上述もしましたが本当に必要なときにだけに限ると良いでしょう。

旧WiMAXの回線を利用している

旧WiMAX/新WiMAX

2013年にWiMAX2+が登場した後も、旧WiMAXに対応したWi-Fiルーターを使っているユーザーも多いことでしょう。

ただし最大13.3Mbpsの旧WiMAX回線と比較して、WiMAX2+の通信速度は最大440Mbpsと最大送信速度ベースでは30倍以上も高速。

自動的に旧WiMAXの回線に切り替える機種もあるため、これが原因で低速になっている可能性はあります。

手動切替が可能な機種ならWiMAX2+に固定するとよいでしょう。

Wi-Fiの電波環境

WiFi電波環境

Wi-Fiの電波は家電機器やBluetooth、他のWi-Fi 機器によって干渉されやすく、結果としてそれが通信速度に響いてしまう可能性が高いです。

場合によっては、通信速度が極端に下がることもあります

そこで対策としてあげられるのは、まず電子レンジやコードレス電話機など干渉の原因となる機器からWi-Fiルーターやスマートフォン・PCなどを離すことです。

ただ現実には家電を動かしたりするのは難しいですよね。

次にあげられる対策は、比較的電波干渉の少ないといわれる5.4GHz帯の電波を使ったWi-Fiの規格「IEEE802.11ac」「IEEE802.11n」を利用すること。

最近のWiMAX2+用Wi-Fiルーターはこれらの規格に対応しています。

ただし接続する側のスマートフォンやタブレット、PCは対応していないこともあるので注意してください。

また5.4GHz帯の電波は、干渉に強い代わりに2.4GHz帯の電波と比較して距離に弱い面があります。

そのため、環境によっては2.4GHz帯の電波を使った規格(「IEEE802.11g」など)より通信速度が遅くなることもあるのです。

そのため、いくつか規格を試して最適なものをえらぶのがおすすめです。

3番目にあげられる対策がWi-Fiの電波環境に左右されない有線での接続を行うこと。

モバイルWi-Fiルーターでもクレードルという別機器を購入すればPCと有線LAN接続することが可能ですし、モバイルWi-FiルーターとUSBで有線接続する方法もあります。

電波による影響を受けない有線の方が安定性が高いですし、通信速度も速くなりやすいです。

そして最後にあげられるのが、市販の無線LAN中継機を購入する方法。

電波を中継することで機器に届いた際の強度をあげることができます。

Wi-Fiルーターの省電力モード

Wi-Fiルーター省電力

モバイルWi-Fiルーターには省電力に関する機能があります。

このモードを使っていると通信速度を高速化するための機能(4×4MIMO、CA)がオフとなり、本来の通信速度がでません。

たとえばモバイルWi-Fiルーター「W04」には、以下3つのモードがあります。

  • 常に高速な通信を行うハイパフォーマンスモード
  • バッテリーが減ると省電力となり通信速度が遅くなるノーマルモード
  • 常に省電力となり通信速度が遅くなるバッテリーセーブモード

ただ、いくら遅くなるとはいっても最大通信速度は110Mbpsもしくは最大220Mbpsなので、あまり遅くなり過ぎているようであれば、他の原因の可能性が高いです。

OSの省電力機能

Windows省電力モード

モバイルWi-FiルーターだけでなくWindowsにも省電力機能があり、これが原因でWi-Fiの電波をきちんとつかめず通信速度が急激に遅くなることがあります。

この場合、Windowsの電源プランを「高パフォーマンス」に変えてみるとよいでしょう。

まとめ

WiMAX2+の通信速度が遅い場合、まず疑うべきはWiMAX2+の電波状態。

窓際にWi-Fiルーターを設置するなどの対策を試してみるべきです。

その他、速度制限やWi-Fiの電波環境、Wi-FiルーターやOSの省電力機能などについてチェックします。